スライムをもらった
リアルで作ったは良いものの特に何かすることもなく成仏させられることになったグリーンクリスタルスライム(仮)の供養です。ちなみにヒロインは六話くらいまで出ません。潤いはスライムから物理的に摂取することになるようです。
では、どうぞ。
「いいこと……? 馬鹿の治し方か? 」
「いやいや、そういうのじゃないよ……君、もう少しウエノに優しくしてあげたらd「断る」そ、そうかい……」
「ウエノはこういう扱いでいいんだよ。時たま殴り合ったり、言い争いをしたり……そんな感じでいいのさ。変に優しくしすぎると後々面倒になる」
「な、なるほど……」
「と言うか、早く本題に入ってくれ」
「わかったよ。じゃあ……まずは、君たちがここにいる理由について話そうかな? 」
瞬間、タナカの気配が変わる。
「……ちょっと君、なんで殺気を放つのさ? 」
「いやあ……あいつの仕出かしたよくわからない失敗のせいでここにいることを思い出してな。イライラしてきた」
「えぇ……一応いっておくけど、彼の描いた魔法陣じゃあ、異世界にいくなんてのは到底無理だからね? 」
「は? いや、じゃあどうしてここにきたんだよ」
「僕が召喚したのさ。彼の魔法陣にちょっとばかり細工をしてね」
タナカはそれを聞いて、普段からは想像もつかないような速度で神に接近し、思い切り握り始めた。
「いたたたたたッ!? 」
「おい……お前かよ……」
「待ってやめて! 今この体と感覚を共有してるから、本体にまでダメージが入るんだよ! 」
「そんなことは知らねぇよ! いいから元の世界に帰せ! 」
「無理、無理ですっ! 」
そこまで聞いて神を投げ捨てるタナカ。少しウエノに視線を向けて、起きていないかと心配したが……切り替えてさらに問い詰める。
「呼んでおいてそりゃ無いだろうが! 」
「仕方無いじゃないか! こっちも色々と忙しいんだよ! せめて少しでも情報をとここに来てあげたのにさぁ……」
「……情報? 」
「そうだよ。古代文明の兵器やら、竜の巣やら、町の方向やら……」
「待て。今ものすごく心踊る単語が聞こえたんだが……」
「詳しく教えてあげたいところなんだけど、もうそろそろ感覚共有も限界でね。最後にひとつだけ、君にプレゼントをあげて帰るよ」
あからさまに落胆するタナカ。しかし、神はお構い無しに話を続ける。
「この体は、上位種のスライムでできてるんだ。神界にいるレベルだから、実力は問題なし。君に、ペットとしてあげるから、この子と一緒に頑張ってね。」
「……は!? いや、スライムはいいから情報を「じゃあね~」待てえええええええ!!! 」
タナカの叫びもむなしく、神の宿っていた水晶玉は溶けて地面に落ち、光を失う。それと同時に、タナカの叫び声に叩き起こされたウエノは、床にいる緑色のスライムと、タナカとを見てこう言った。
「え……何があったの、これ……」