④動き
あのチョコチョコと素早く動き回る姿が気持ち悪さを生んでいるのではと思った。あの速くてたまに飛ぶあの動きがなくなれば少しは耐えられるのではと思った。だから我慢できるゴキブリの動きについて考える。
①カメ
小さなゴキブリくらいのカメが部屋に現れても誰も悲鳴はあげない。むしろあの鈍くてゆっくりゆっくり歩く姿にほんわかする。カメとゴキブリはフォルムが似てなくもないから、ゴキブリも動きがゆっくりになれば大丈夫になる気がする。
②お掃除ロボット
部屋の中で勝手に動いているのにそっと見過ごせるもの。動き回ることを了承しているけど愛はそれほどでもないもの。それはお掃除ロボット以外にない。壁などにぶつかったり隅でグズグズしたりしているゴキブリは意外と可愛いかもしれない。
③ゼンマイ式ミニカー
あれだけ興味を惹くものが今までにあっただろうか。あんなに単純な動きなのに目を輝かすことが出来るものが今までにあっただろうか。後ろに引くと前に走るあの動きのゴキブリならたぶん怖くない。でも結局触らなければならないのでなしだ。
④アルマジロ
やっぱり普段は縦に長いものが急に丸まって球体に近いものになったら可愛い。でもアルマジロが部屋にいたことがないので、急に丸まる生物が部屋にいた場合に気持ち悪いか気持ち悪くないかはよく分からない。
⑤三歩進んで二歩下がる
自分で三歩進んで二歩下がられたら、このゴキブリ控えめだなって思う。控えめだなって思うと、人間に害は加えなそうだなって思う。人間に害は加えなそうだなって思うと、我慢出来そうな気がしてくる。だからそんなゴキブリは我慢出来そうだ。
⑥カニ
横に歩くゴキブリがいたら興味が湧く。横に歩く生き物なんて普段滅多に見ることはないからたぶんずっと見てしまうのではないかと思う。でもそもそもカニの映像を見て少し気持ち悪いと思ってしまったことがあるので、たぶん駄目だ。
⑦三段跳び
目の前でホップステップジャンプをされたらもう応援の血が騒いでしまうだろう。何かの競技に似た光景が目の前で繰り広げられていたら気持ちが入ってしまうだろう。メジャーを持ってきてゴキブリが跳んだ距離を測ってしまう人も多くいると思うので、これはいいかもしれない。
最終的に一つに決めるとしたら、やはりカメだろう。部屋に生物がいるとして一番心を刺激しないものは何かと考えた。やはりそれは速く動かないものだ。速く動かなければ逃げられたり、急に出てきて驚かされることもなくなる。だからノロノロが一番いい。