③大きさ
ゴキブリはあの大きくもなく、小さくもない大きさをしているから気持ち悪いんじゃないかと思った。大きさが変わりさえすれば気持ち悪さも少しは無くなるのではと思った。だから我慢できるゴキブリの大きさについて考える。
①ノミくらい
ノミは目に見えるか見えないかくらいの大きさしかない。かなり小さいので居てもよく分からない。ノミを今までそんなに気にして来なかったように、ノミくらいの大きさになったゴキブリもたぶん全然気にならなくなるだろう。
②蟻くらい
蟻が部屋にいたくらいでゴキブリほどは気持ち悪いとは思わない。それに目の悪い人なら黒い点が地面で移動してるな、くらいにしか感じない。でも赤ちゃんゴキブリに怯えてしまっていた自分のことを思い出すとダメな気がしてきた。
③朝は米粒、夜はおにぎり
米粒のような小ささのゴキブリが、夜になるにつれて段々とおにぎりくらいの大きさに近づいていくのはどうだろうか。そうすると最初は恐怖を覚えるものの、また朝には米粒のような大きさに戻るので慣れていって、怖さが半減して、我慢できるのではないだろうか。
④ダメージを受けると小さくなるマリオスタイル
最初は普通の大きさで、スリッパで叩かれたり、自ら何かにぶつかってしまったりすると小さくなるゴキブリならいいかもしれない。怖いという感情にゲーム感覚が加わることで、いいスリルが味わえるだろう。でもキノコ関係のものを部屋に置いてしまうとデカくなる危険性があるので良いとは言えない。
⑤王さんの表札に止まるとちょうど主さんに変わるような大きさ
部屋に居ればそれは少し小さめのゴキブリでしかない。でも部屋から少し足を伸ばせばたどり着く近所の王さんの表札に止まればユーモアが溢れ出す。一瞬にして気持ち悪さが剥がれ落ちる。しかしこれには弱点がある。それは部屋では普通に気持ち悪いということだ。
⑥山と見間違えるレベル
これだけ大きければ怖いという次元ではない。怖いを通り越して、スゴいにまで到達する。山は動かなければ何にも怖くない。山は登ったり近寄ったりしなければ何も怖くない。しかし相手はゴキブリ。動かないわけがないから普通のゴキブリより我慢できないかもしれない。
⑦ドーム球場くらい
ドーム球場くらいの大きさならドーム球場と見間違えるのではと思った。しかしその考えは安易だと気が付いた。背中のカタチがドーム球場に似ているといっても動かないわけじゃない。動かないわけがないから普通のゴキブリより我慢できないだろう。
最終的に一つに決めるとしたら、もうノミくらいの大きさしかない。他の案は普通のゴキブリ以上に奇妙で恐ろしくて耐えられないものになってしまっている。脳内でゴキブリをとてつもないモンスターに育て上げてしまっていた。やはりゴキブリは小さいのが一番である。