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こんなゴキブリなら我慢できる  作者: 降井田むさし
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⑲内臓

ゴキブリも人間と同じで、外見によらないのかもしれないと思った。外見が怖かったり気持ち悪かったりしても、中身が心を惹くものだったら、ゴキブリも好きになれるのではと思った。だから我慢できるゴキブリの内臓について考える。


①ピンク

あの黒々とした肉体から放たれる硬さや、甚だしく可愛らしく感じない外見が、全てを決めてしまっている気がする。ゴキブリを縦半分に切った断面が鮮やかなピンク色をしていたら、少しは救われる気がした。


②すっからかん

あんな外見をしているので、中身もとてつもなくギッシリしている。それが、みんなの想像だろう。しかし、中身がすっからかん、だとどうだろうか。中身のなさが恐怖を少しは軽減してくれるのではないだろうか。


③美味しい

どれだけ気持ち悪いものも、どれだけ嫌われているものも、食べて美味しければ考え方がガラリと変わるものだ。虫を食べる人も周りにちらほらいる世の中だから、ゴキブリの内臓が美味しければ、イメージは変わる気がする。


④蜜

人は甘いものに目がない。甘いものが潜んでいると思ったら、不思議と怖さはスッといなくなる。近付いてくるミツバチを想像すると、少しは怖いが、ハチミツを提供してくれていると考えるだけで、仲間に思えてくるのだから。


⑤チョコレートっぽい二重構造

縦でも横でもいいが、とにかくゴキブリを半分に切って、そこに予想通りの少し気持ち悪いものが入っていたとしたら、嫌いのままだ。しかし、美しいチョコレートっぽい二重構造になっていたら、なんか受け入れてしまいそうだ。


⑥虫食い

ゴキブリは虫である。ゴキブリはずっしり感を惜しげもなく放つ虫である。頭もよく、しっかりとしている虫である。そのゴキブリの中身が虫食いだったら、考えは変わるだろう。上位に位置するであろう虫が虫食いみたいになっている。その関係性を想像しただけで、みんな笑みが溢れてくるだろう。


⑦星の砂

ビーチに星形で存在して、美しさを存分に溢れさせる星の砂。そんな美しいものの正体は虫の殻なのだという。だから美しいと感じられないゴキブリという虫から、もしも星の砂という虫関連の美しいものが溢れてきたら、好きになる可能性はかなりあるだろう。


最終的に一つに決めるとしたら、すっからかんだろう。やはり、ずっしりと詰まっていると想像するより、スカスカだと想像する方が楽にはなる。ゴキブリの質量が少ないと分かっただけで、ゴキブリの割合が減ったと脳で解釈し、ゴキブリに対する考え方は少しは良くなるだろう。ものは中身で印象はガラリと変わるということだ。

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