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こんなゴキブリなら我慢できる  作者: 降井田むさし
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⑯人間のイメージ

ゴキブリの人に対する気持ちが今と変化したなら、何かが変わるのではと思った。人間に対して抱いているゴキブリの気持ちが、少しでも分かりやすくなれば、こちらの気持ちも変化するのではと思った。だから我慢できるようになる、ゴキブリが抱く人間のイメージについて考える。


①恋する乙女にさせてくれる人

ゴキブリがもしも恋をしていたのなら、もしもモジモジと恥じらいながら近づいてきたとしたなら、こちらも寛容に接してあげなくては、という気持ちになることだろう。恋は色々なものを変えるのだから。


②好きでも嫌いでもない人

好きでも嫌いでもないと思われるほど、こちらはそう思っている対象者のことが気になってしまうものである。自然体が一番興味をそそるのだから。


③私の飼い主

ペットが可愛くないわけがない。ペットが抱きついてきたり、エサをねだるように、ゴキブリがスリスリとしてきたら、もう堪らないことだろう。ゴキブリが飼い主だと思いながら近づいてきたと、想像しながら接すると、受け入れてしまうかもしれない。


④害虫駆除集団

逆に、人間たちを恐ろしいものだと考え、絶対に逆らうことの出来ない対象、そして、逃げるしかない対象だと思っていたとしたならば、こちらはゴキブリと顔を合わせることがなくなり、気持ちが楽になるのではないだろうか。


⑤カラダが固まるくらい怖い人

こちらに都合のいいゴキブリというのは、全く動かないゴキブリである。動くからゴキブリを怖く感じる。そして不気味に動くから嫌いになる。固まってさえいれば、フィギュアと同じようなものなので、我慢出来るだろう。


⑥ストーカーしたいほどの人

ゴキブリにしつこく付き纏われると、最初の頃は、しつこすぎてあまり好意を抱いたりせず、ただただ嫌悪感が襲ってくるかもしれない。しかし、何度も何度も告白されているうちに、熱心さや気持ちの強さに惹かれて付き合うことを了承する女性のように、最終的にはゴキブリを受け入れてしまう人も多数いるかもしれない。


⑦無機物に同じ

人間たちが無機物をそれほど怖がらないように、ゴキブリも無機物をそれほど怖がらず、それほど好んだりもしないのではないだろうか。ゴキブリが人間を無機物だと思っているのならば、ゴキブリをこちらも無機物のように捉えられる脳になり、円満になるのではないだろうか。


最終的に一つに決めるとしたら、やはり害虫駆除集団しかないと思う。他のものは、好きでこちらに向かってきたり、人間のことを何とも思ってなかったりと、ゴキブリが大嫌いな人には少し刺激が強すぎるものばかりであった。やはり、嫌って逃げてくれるのが一番ではないだろうか。ゴキブリがいないのが、嫌いな人にとっては、一番の平和なのだから。

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