新商品『小さくなーる』だから私は作りました★
グギギギっ…きっついわ。えーっと背中の肉を胸の脂肪に変えるっ!と…ガバババ…グブゥ!む、無理無理!ギブギブ!!
あら皆様こんにちわーアリナ=リヴァル=セレナ、通称アリナでーす★
え、なにをしてるかって?知らないの?これ。
今朝テレビで『魔法少女商品』の新商品、『これをつければ背中の肉を胸に!?おかげで2ランクup!』の矯正下着よ!!
でも、グギギギグボベッ!お、おかしいわね…レビューも1万人突破!魔法少女の必需品!って書いてあって★も平均4だったのに…グベベ!
ぐ、ぐるじいー!!ぐ、はぁはぁ…
着ることさえできないじゃないのっ!!
はぁはぁ…いや私は決してデブではないわよ。ただ胸が気持ちいいほどまな板なだけで、デブではないの。
でも、グギギギグボベッ!お、おっかしいわねー!!も、もう一回!!ぐ、ぐぐぐ!
とりあえずそこのあなた。そ、そうそう、消費者のあなたよっ!!見てないで手伝ってくれない??
こ、これをまず着ないと効果がわからないじゃないっ!!
ギギギギギ…
ピンポーン!
家のチャイムが鳴った。
いや、そんなんどうでもいいのよ!高かったのよコレ!と、とりあえず一回くらい着たい〜!!
…!!
はっ!そうよ!私が小さくなればいいじゃない!そうすれば服も着れるはずっ!
待ってなさーい!妥当魔法少女っ!!あなたのその矯正下着、着こなして見せるわっ!!
ピンポンピンポーン!
「アリナーいるのわかってるわよー。早く学園行くわよー」
アリナの幼馴染、イリーダが呼んでいる。
「はいはいー!今行くってばー!」
アリナは矯正下着を無理矢理脱ぎ、ベッドの上に放り投げ、制服に着替え飛び出した。
★★★★★★★
〜魔導学園ラーニャ〜
ここの学園は魔導を学ぶ為にある女子学園。
魔導少女から魔導士になると、正式に学園に採用される。
特にここの魔導アイテム科は有名だ。
優良商品は、即アイテム化してもらえる。そして売れた利益は魔導少女にも何%か入るのだ。
もちろんアリナは、ここの学園のアイテム科を受講している。
そしてラーニャの生徒は基本貧乳だ。
だからアリナはここの学園に決めた。
「授業始まるわよー!」
キマラ先生の授業が始まった。
アリナのアイテム化の先生、キマラ先生は三十路を超えているのに貧乳というスペックだ。
アリナは三十路になっても貧乳と戦う先生の、その根性を凄くかっている。
「はい!今日のアイテムは何にしましょうかね?」
アリナが手をあげた。
「は〜い先生〜体を小さくするアイテムはどうですか!?私利私欲の為に開発したいで〜す!」
「はい!自分の欲望の為に従順なのでそれに決定!」
「異論ある方はいますか?」
「誰もいないので決定にします。来週までに完成させてアイテムを持ってきてください。ちなみに残念ながらこちらのアイテムは既存レシピがありますので渡しておきますね。」
「なんだ既存レシピあるのかー。まぁそりゃそうだよね。イリーダ、一緒に作ろう!」
「ええ、いいわよ」
キマラ先生が指をパチンと鳴らすとレシピがどこからともなくひらひらと降ってきた。
「さーどれどれ。」
➖商品名➖
『小さくなーる』
★初級アイテム
★手順は3ステップのみ
★誰でも簡単にできます(初心者にオススメ)
準備する物
①ナス
②馬ガエルの足
手順
①ナスを茹で、汁のみ使う。
②①ででた汁で馬ガエルの足を煮る。
③②の汁を固めたら出来上がり
「なぁーんだ簡単じゃん。イリーダ、ナスだして!」
「はいはい。わかったわよ。はい。」
パチンと右手で指を鳴らすと
ポンっとイリーダの左手から丸いナスが出てきた。
「はい。どーぞ」
「はい。ありがと〜」
ナスを鍋にいれグツグツと煮込みだした。
そしてナスを捨てるのは勿体無いからアリナが食べた。
「うーん綺麗な紫色ねー」
「アリナ次は馬ガエルの、足よ」
「わかったわ。え〜でも馬ガエルの足かぁ私やりたくないなぁ。イリーダが出してよぅ」
「私さっきナスだしたじゃない」
「ナスくらい私だって出せるよ〜!」
「いい、アリナ。世の中には順番っていうのがあるの知ってる?」
「し、知ってるわよ!」
「知ってるなら、話は早いわ。はい、次はアリナの番」
「わかったわよ〜も〜やればいいんでしょ!やれば!」
アリナは、渋々指をパチンと鳴らした。
「馬ガエルさーん出てきてー」
ーパチンー
もわわわわ〜ん
「ゲゴガッ!?」
「「ギャーでたぁあああ!」」
「うわわわわわ、こいつめちゃくちゃデカイじゃないの!顔は、カエルなのに体は馬だから馬ガエルなのね。ぎぎゃぎゃ、キッモ!なんかヌルヌルしてるし、く、くさい〜!ドブの匂いがするわ!!」
「アリナ怯まない!早く足を切るのよ!」
「ぇええうぇ〜!私無理無理!こんなキモい生き物の足なんか切れないわよ〜!しかもなんかやっぱかわいそうだしぃ〜!」
「仕方ないわね。ほら、鍋!」
イリーダは指で鍋を浮かせた。
「ほらっ足!馬ガエル!足!!入れて!」
馬ガエルは言葉が通じない。
「ゲゴガッ!?」
「もー。」
「ほら、アリナ!早くこの鍋に足を入れて!」
「うん!わかったわ!」
ーパチンー
馬ガエルを浮かしたまではいいが、ドタバタ動いて鍋になかなか足が入らない。
それを見たアリナは巨乳の為に力を振り絞った。
「だぁあああああ!巨乳のためにぃい!巨乳の為ならなんだって!!私はやるわっ!!」
ハァイヤァアアアーッ!!
アリナは馬ガエルの足を掴み無理矢理鍋に突っ込んだ。
ドボーン!
「ぇえええっ!!!そこは素手なの!?魔導使わないの!?」
「ゲ、ゲゴガッぐ、ぐざいっ…む、無理」
そう言うとアリナはイリーダの服に手を擦りつけた。
「な、なにするのよー!!キャッ!私の制服、く、ぐざいっ!ギャー!!」
イリーダが急いでファ○リーズを出し、全身に浴びるようにスプレーした。
それを見たアリナも真似をし、匂いは消えた。
「このファ○リーズ、人間界でよく売れているのよ。手軽だからポチッてしちゃったのよねー」
イリーダは人間界のアイテムがお気に入りでよくポチるらしい。
「匂いは消えたけどヌルヌルは消えなかったわね…ふぅ、人間界アイテムもまだまだ万能ではないわね」
★★★★★★★
「「で、出来た〜!」」
「さて、これを…最後はどう使うのかしら?」
使用方法
①体にまんべんなく塗るだけ!
アリナはやはり今回は巨乳になるのを諦めた。
アリナ自作、魔導アイテム『小さくなーる』
レビュー2件
良いところ
○色が紫で綺麗
○コラーゲン入り
気になるところ
○匂いが気になる
○ぬるぬるしすぎ
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