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新月の夜に  作者: 浅月
6/13

これはゲームさ、どうだろう?

○登場人物

天野朔也:主人公

赤崎あかさき:レッドインパクトのヘッド

レッドインパクト:約50人の不良集団、最近勢力を伸ばしてきた

レッドインパクトがアジトに使っている廃工場にて。

チームのヘッドを含め、50人ぐらいの若者たちが集まっている。


「なるほど、だいたい事情は分かった。その男は今、どこに?」

「車に乗ってます。多分まだ気を失っているかと」

「よし、連れてこい」


そして、朔也は担がれてきた。

まだ気を失っていて、地面にうつぶせに倒れている。


「まだ生きてますね。どうしますこいつ」

「そうだな。一応、お嬢さん方の客だから、君達の意見も聞きたいかな」

「あたしは、あんた達に任せる」

「私は~面白ければ~それでいいし」

「なるほど、じゃあ俺の流儀でやらせてもらおう。とりあえず彼には起きてもらわないとな」

「それは、俺たちに任せて下さい」


男達が数人にやにや笑いながら、朔也を殴る。

しかし、起きる気配はない。


「全然、起きねぇな。よし、水持ってこい」

「はい」


下っ端らしき男は水を持ってきて、朔也にかける。


「冷たっ」


朔也はよろよろ起き上がる。

そして、周囲を見回し現状を確認。

その後、水に濡れた髪をかきあげ、口から流れている血をぬぐう。


「おいおい、もっと優しく起こすことはできなかったのか?」

「あいにく、ウチはそんなサービス行ってないんでね」

「サービスが行き届いてないな。クレームもんだぜ。……つか、あんた誰?」

「人に物を尋ねる時はまず自分からだろ?俺は、マナーを重んじるタイプだからな」

「なるほど。俺は、一円高校2年天野。別に覚えてもらわなくて良いけど」

「それはどうも天野君。俺は赤崎、一応このレッドインパクトのヘッドをやってる」

「あんたが頭か。んで、俺はこの後どうなんの?」

「そうだな…俺たちに手を出した奴らは服従させるのが、一応ここのルールだ」

「つまり、俺をリンチする訳ね。あーやだやだ」

「それは申し訳ない。ウチの部下は血の気が多くてね」

「俺は貧血気味だけどな」

「そのようだね。だいぶ血を流しているようだ」

「わかってるなら、帰らしてくれない?」

「それはできない相談だな。だって、君リベンジに来るタイプだろ?」

「あ、やっぱりわかる?」

「だと思った。そういうの面倒くさいからさ~ここで死んでくれない?」


赤崎はニヤニヤ笑っている。


「だが断る」

「だろうね。そこで、俺に1つ提案がある。聞いてみないか?」

「よし、聞こう」

「簡単な話だ。俺と君、サシでやろう。他の者達には手を出させない。これはゲームさ、どうだろう?」


朔也は、腕を組み思案する。


「君にも、悪い話じゃないと思うけどね。なんせ君が選べるのは、俺の提案に乗って俺を相手にするか、問答無用にウチのチーム全員を相手にするかの二択しかないのだから」

「……よし、そんなに俺と遊びたいんなら遊んでやろう。その話乗った」

「話のわかる男だ」


赤崎は、地面にチョークで線を描き始める。

そして、丸い円を書き終え、チョークを放り投げる。


「では、ルールを説明する」

「ルールなんてあるのか?」

「これは、ゲームだからね。ルールは2つ。この地面にひかれた円から出ない。武器は禁止。以上だ。簡単だろ?」

「勝利条件は?」

「相手を気絶させるか、まいったと言わせる。それと、円の外に出ても負けだ。あと、俺と君以外は円の中に入れない。他に何か質問ある?」

「特にないな」

「あ、それと、もちろん死んでも負けだから」


赤崎はニヤニヤ笑いを崩さない。

そして、円の中に、赤崎と朔也が入る。

他のレッドインパクトのメンバーが騒ぎ出す。


「ウチのヘッドはこのゲームで負けなしだぞ。お前なんか瞬殺だ!」

「ヘッドーー!殺れーーーー!」

「死にぞこないはさっさとくたばれー!」

「ウチに手を出したことを地獄で後悔しろ!」


周囲のヤジを軽く無視して、朔也は赤崎をにらみつける。

赤崎は、相変わらずニヤニヤ笑っている。


「じゃあ、このコインが地面に落ちたらスタートだ。準備は良いかな?」

「いつでもどうぞ」


赤崎は、右手の親指でコインを上にはじく。

そして、コインは地面に落ちた。


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