駅前の喫茶店のキングパフェおごりね
○登場人物
天野 朔也:主人公、一円高校2年生
倉田 千鶴:朔也の友人、一円高校2年生
私立一円高校、屋上。
授業をサボって、睡眠中の学生が一人。
名前は、天野朔也という。
やがて、彼の携帯電話が鳴り出す。
「……おはようございます」
「はぁ?あんた今何時だと思ってんの!私をどれだけ待たせるつもり!」
「ん?てか、もう授業終わったのか。午後の授業1つも出てねぇや。あはは」
「あんたふざけてんの?授業なんてもうとっくに終わってるわよ!ていうか、あんたもしかして約束忘れてないわよね?」
「約束してたっけ?」
「………」
「あの~千鶴さん?もしかして、私めはとんでもない失言をしてます?」
「放課後」
「ん?」
「映画」
「……ああ、すまん。忘れてた」
「あなた死ぬ覚悟はできてるわよね?」
「本当に申しわけない。今から行けば最終のには間に合うだろ、多分。千鶴は今どこにいんの?」
「もう映画館にいるから、すぐ来なさい」
「はい。本当に申し訳ない」
「駅前の喫茶店のキングパフェおごりね」
「あれはたけぇよ!」
「返事は?」
「はい」
「じゃあ、すぐ来る」
「はい」
通話を終え、朔也は屋上から出る。
階段を下り、一階へ。
すると、一年の教室から女の子の話し声と泣き声が聞こえる。
「なんだろ?いじめかな?……いやでも千鶴が待ってるから急がないと」