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入り混じりたる宿業のこと

作者: 小城

 今は昔、一人の人ありけり。その人、ある日、花畑に出でしに、その花のにほひのかぎたること昔おぼへたるに、急にその花の姿いとおほきくなりたるに、花のおおきなるにつれて、その人の心地あはれにいとあはれになりたる。その人さらにと膝を折りてかぎたるに、その人の顔形のいと覚へなく知らぬ人になりたる。昔の人曰く、その花のにほひ、その人おぼへたるには宿業によりておぼへたるに、その人の顔形変わりて別の人になりたるは、その人の宿業によりて変わりたるにやと。それを聞きて今、人の曰く。それ人の宿業は入り混じりたりて、その人の姿形さへも変へたるものぞ。ある花のにほひに誘われて、人自らのことをも忘れ、さらにさらにと求めたるに、遮るものなく、花の形もいとおほきくなりて誘いたるに、人自らの形を失ひたりと。

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