表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/30

第3話 平穏なる学校生活



突然だが、魔法少女や魔獣には等級という物が存在する。1番強いと言われるS級から始まり、A、B、C、D、E、Fと順に弱くなっていく。S級魔法少女とS級魔獣の戦いはここ10年で2度しか無く、その戦いは最小規模でも街一つを壊滅させてしまうほど激しいものだ。


何故こんなことを言い出したのかって?



...それは自室でヤミから鞭撻を受けているからだ。私眠いんだけど。



「まぁまぁそう言わずに...ね?」

「......はぁ。」

「...それじゃあ続けるよ?───」



私には魔法少女の適性があると言っていたが、それは本当のこと。寧ろ歴代の魔法少女の中で最高なんだとか。私としてはふーんの一言で終わる事なんだけどね。


今は能力を解放したばかりで本来の力を出せないためC級魔獣までしか夢に落とせないけどそれでもC級までは落とせるということだ。

《夢》スキルの力は凄まじいものだ。何せ夢というモノの支配者たる力だからだ。現実では出来ないことを夢で見て起きた時にガッカリすることってたまにあるよね。けど、この力があればできる。





「──理解出来た?」

「......すぅ...すぅ...。」

「......。せっかく僕が説明してあげてるのにこの子は〜〜〜!!」

「んみゅう...。」



ヤミはいつの間にかベッドで就寝中の倉野ねむの頬をムニムニする。



「はぁ。人間基準だと美人なんだけどなぁ...。どうしてこうも残念な...。へぶっ!?」

「んぅ...。」



残念という言葉を否定するかのように寝ながら腕を振りヤミを吹っ飛ばす。



「...もう寝てるけどお休み。」



そうしてヤミは影の中に帰っていった。



──────


───



「はぁ...。ねむ。」



教室の1番後ろの窓際。ねむは目を半分開けながら授業を聞いていた。


「こら!倉野!またお前は寝てんのか!!」

「...。」

「ほぅ。まだそんな態度か。じゃあこの問題を解いてみろ。」



黒板に書かれた数学の問題。証明問題か。...書くのダルいな。一応進学校なので授業は難しめだ...と思う。



「......。」



──カッカッカッ...。



黒板にさらさらと書いていく。



「......くっ...完璧だ...。」



悔しそうなハゲ頭の先生の声。それと同時にクラスがザワザワと騒がしくなる。



「...またいつものやってるよ。」

「先生も飽きないよねぇ。」

「ねむちゃん家で予習とかしてるのかなぁ...。」



などなど。

予習は小学生の時にやった。先生に関しては眠いからほっといて欲しいものだ。


────

──


授業が終わり、皆が帰る準備を始める頃。担任が教室に入ってきた。


「お前らー明後日から期末あるからなー勉強してるか?」

「してますよー。」

「はい。」

「うぇー!!だりー!!!」

「おい成瀬。お前は前回赤点だったんだから頑張れよな。」

「うぐっ!!ここで言うなよぉ!?」

「「「あっはははは!!!」」」



クラスが笑いの場になったところである1人の少女が既に帰る準備を終えたねむに話しかける。




「...あの。倉野、さん?」

「ん?」

「勉強...教えて貰ってもいい、かな...?」



恐る恐る聞いてくる活発そうな少女。この子は確かクラスの中心にいる女子達の仲間の1人だったな。...恐らく罰ゲームかなんかで聞いてきているんだろう。だって主犯達がこっちをチラチラ見てるんだから。



「...。」

「...。ゴクリ...。」

「......いいよ。」

「え、まじ?」

「...なに?嫌なの?」

「いやいや!まさかOK貰えるなんて思ってなくて...!」

「...で、いつ、どこでやるの?」

「うぇ?あ!えっと...そのぉ...。」

「...決めてない、と。」

「仰る通りでございます...。」

「...はぁ。...別に私の家でもいいけど。」

「え!?いいの!?」

「...ん」

「やった!ありがと!!じゃあ明日一緒に帰ろうね!」



礼を言ったあとカースト上位の仲間の元へと戻っていった。



「...帰るか。」





───────


────



「で!?で!?どうだった!?」

「ねぇねぇ!!沙羅ってばぁ!!」

「ちょ!?みんな落ち着いてって...!」

「...それで沙羅ちゃん。どうだったの?」

「許可は貰ったしねむちゃんの部屋にお邪魔することになったの!!」

「「「きゃぁぁあ!!!」」」

「まじで!?あのねむちゃんのお家に行くの!?」

「うん!明日が楽しみだなぁ!!」

「え〜!いいなぁ!!」


ねむちゃんが帰った後、私は友達に問い詰められていた。

倉野ねむ...彼女はミステリアスガールだ。誰も彼女の家を知らず、趣味や好きな物も知らない。そして、彼女の過去も知らない。

だから誰もが興味を持っているのだ。しかし、誰も彼女に近づかない。それは彼女に対して何故か畏怖の念を感じざるを得ないからだ。


その為かまだ帰っていない他のクラスメイトが皆こちらをチラチラと気にしていた。



そんなねむちゃんに近づく為に私の友達がいい事を思いついたとかほざいてジャン負けでねむちゃんに勉強を教えてもらうという地獄のようなことを提案したのだ。

あ、もちろんねむちゃんには倉野さんって言うからね?ねむちゃんって言ったらなんか殺されそうだし...。



その結果私が負け、彼女に勉強を教えてもらうという地獄のような...いや、ねむちゃん自身とっても美人で可愛いから役得っちゃ役得なんだけどいかんせん怖いと思っている自分がいる。

まぁ、楽しみなことには変わりないから明日は気合い入れて学校に行こう。



──あぁ。楽しみ。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ