第79話 働きだしたサターン人
カミーユ大尉達は事件の調査が完全に行き詰ってしまい、マリに捜査の協力をしてほしいとお願いした。そして、イブの言葉の洗礼に合い、やっと、話が進み始めた。
「カミーユ大尉、この映像だけでは、確かに見つけられそうにないですね」
「そうなんですよ。被害者の特徴や年齢、起きた場所など、我々で、考えられることは全て確認しましたが、もう、どうにもなりません」
そこでユウキが
「被害者には直接、会ったんですか?」
「いえ、会ってません。ナイフで切り付けられた精神的ショックもあるし、事件当時、警察でもいろいろな取り調べを行って、この調書の通り、もう聞くことがないぐらい、確認してますからね」
「なるほど、わかりました、イブ、あなた、カミーユ大尉達にひどいことばかり言ってないで、
手伝ってほしんだけど」
「いいですよ。でも手伝うのは、今度の土曜日にしてほしい、さっきセドリックと様々な資料を精査して、関係各所に公開する約束をしているから、今日は無理です。私は、絶対に交わした約束は守りますから。いいだろ大尉」
「はい、かまいません」
大尉達は困ったような顔をして、マリを見た、
「大尉、どうしました、まだ、他にありますか?」
「あの~できれば、今度の土曜日はマリも一緒に手伝っていただけないですか?」
それを隣で聞いていたイブが
「あ~ん、なんだ、私一人じゃ、物足りないっていうのか!」
「いえ、そんなことはないんですけど、イブさんが暴走すると、この局ではマリしか、
止めれる人がいないもんですから」
カミーユ大尉はイブに一番、言ってはいけないことをサラッと言ってしまった。他のチームのメンバーはやはり、空気が読めない大尉には交渉ごとは任せない方がいいと思った。
「暴走だと、なんだ、お前は私がまるで、暴走少女みたいなことを言いやがって、ケンカを売っているのか!」
「マリ、ほら、また始まりましたよ」
「イブ、あなた、もう少し、広い心でもう少しやさしく話すことはできないの?、みんな、こわがっているじゃない。普段はとても気品にあふれるしぐさで、学校の男子を魅了して、よく告白されているじゃない」
「え~、告白!そんな恐ろしいことを言う人間がいるんですか」
また、カミーユ大尉は地雷を踏んだ。
「カミーユ、お前、そんなに私を怒らせて、楽しいのか!」
これは、もうやばいと、隣にいた、ドニーズ中尉が
「大尉、これからは、政府の機関などに精通している私が局長達と話しますよ。大尉は指揮官なんですから、どんどん、指示を出して、我々を使ってくださいよ」
カミーユ大尉はなんで、イブさんが怒ったのか、不思議そうな顔をしたが、自分はたぶん、
イブさんに嫌われているんだなと思い、仕方なく、ドニーズ中尉に任せることにした。
「イブさん、大変、失礼しました。それでは土曜日の午後にお願いします。お忙しいところすみませんが、その日までに何か、我々で準備することはありますか」
イブはう~んと少し考え、
「それじゃあ、まず、12人の被害に合った女性の中で、犯人の顔など、見た人や、チラっと見たけど、思い出せないとか、手でも足でも、何か犯人の特徴になるものを見た人を調べてくれ、それと、被害者の年齢、身長、体重、足の大きさ、髪型、兄妹、親、血液型、住所、出身地、事件当日の時間や場所など、なんでもいいから、共通点を探ってくれ」
「わかりました」
「あっと、さっき頼んだチラっと見たけど思い出せないって女性がもしいたら、土曜日の午後、私が会いに行くから、アポを取っておいてくれ」
「はい、もし、いたら、連絡をとってみます」
「それと中尉、カミーユはお前の洞察とおり、交渉事はだめだ。これからは、お前がメインでやれ、あいつは天然を通り越して、心のないロボットのようだ。本当にあいつはあれで、言語学者の資格を持っているのか?」
「イブさんのおっしゃる通りですよ。昔から、大尉のせいで、大変なことに巻き込まれることが多かったですから」
「お前も大変だな」
「いえ、それ以外は部下思いで、優秀な方ですから、これからもよろしくお願いします。」
イブは笑いながら、手を振って、早く、仕事に戻れと合図した。
そんな、やりとりを見ていたユウキは
「イブは、人に真剣にお願いされたりすると、意外とやさしいところあるんだね。でも、よかった、やっと働いてくれる」
「私は、自分がこうしたいと決めたことは絶対に完遂する、例えどんなに時間がかかってもな」
何か意味深な言い方をしたが、その時、ユウキはあまり、気にしなかった。
「ユウキ、今、事務処理が大変って言ってたけど、今日、とりあえず、セドリックが来るんだよね。どんな仕事をさせようか?」
「そうだね。とりあえず、エマに預けて、いろいろ、基本的な教育を任せたらどうかな、なにしろ、ずっと民間の研究員だったからね、それから、エマにどんな仕事が向いているか、決めてもらおう」
「いいよね、イブそれで」
「いいですよ。マリ、今、ちょっと忙しい、その話、また、明日聞きますよ」
イブもユウキに負けないくらいのスピードで新しいPCをいじくりまくっていた。マリは
治安情報局のみんなが、それぞれの仕事を始めることができて、ホッとした。そして、局長室で学校の宿題を始めた。
調査をする、土曜日になった。
「コンコン、入ります。イブさん、見つかりましたよ!」
ドニーズ中尉が勢いよく、局長室に入ってきた。学校から帰ってきたばかりのマリ達はイスに腰をかけることもできずに中尉を見た。
「どうだ、何かわかったのか」
「はい、まず、犯人の顔を見たと思う。という女性が一人、それと共通点ではないのですが、
どの女性も身長・年齢・髪型・勤め先・住所など、何一つ、共通点がないことがわかりました」
「なるほどな、共通点がないということは、それも、何かの手掛かりになりそうだな」
「それで、お帰りのところすみませんけど、15時までに、その女性と会える約束を取り付けましたので、すぐに、出発したいんですけど」
「なんだ、まだ、帰ってきたばかりなんだぞ」
「そうはいっても、先方の都合で15時までしか時間が取れないということなので、今、13時30分、事情聴取や意識投影などあるから、もう出ないとだめだな」
「マリ、帰ったばかりで悪いんですけど、すぐに出れますか?」
「はい、もちろん」
隣でユウキが
「しょうがない、急ぎの事務仕事もあるが、イブの頼みじゃ、行くしかないな」
イブは頭を傾げ、
「お前には、何も頼んでないぞ、しかも、仕方なく行ってやるか、なんて態度の者にも来てほしくないしな」
「マリが行くなら、僕も行くことになるんだよ」
「だったら、マリのように素直に気持ちよく、回答できないのか、本当にいちいち、人をイライラさせるやつだよ」
ユウキはイブを睨みつけたが、イブはあきれたような顔でソッポを向いた。
「局長、先日、納車されました。防弾使用の車がありますので、慣らし運転もかねて、それで行きたいんですけど」
「はい、いいですけど、そうすると、別の車で葉子さんとポーラが付いてきますけど」
「まあ、二人には捜査の邪魔になるので、離れたところにいてもらいます。それと、現場に着いたら、イブさんと私の二人で家に入りますので、あまり、大勢で入ると、女性一人に対してよくありませんので」
「わかりました」
そう言って、2台の車は被害者女性宅へ向かった。




