表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平和への使者  作者: DAISAKU
76/315

第77話 治安情報局の初仕事

「ふ~、やっと、ここも、情報局という感じになってきましたね」


ベルナールはやっと、資材や備品などの手配した物の納品が終わって、ホッとした。


「全く、昔は情報局だったと言っても、なにもない状態からだったからな」


カミーユ大尉もなんとか、情報局と言えるような設備が整い、任務に集中できると思った。


「結局、情報通信設備は軍から手配してもらい取付けてもらいましたからね」


「まあ、しょうがないだろ、秘匿回線もあるし、民間会社じゃ、限界もあるしな」


「でも、ポーラの父さんの会社はさすがだな。警察や、軍などの防犯設備もかなり、実績があるから、慣れたもんで、あっという間に最高のセキュリティシステムを取付けてくれたからな」


「これからは、いちいち貴重品も持ち帰らずに済みますし、警備員も防犯システムに詳しい人間に変わったから、24時間、安心ですね」


「でも、武装する装備は軍経由だったから、担当者にどこの部署なんだって、何度も聞かれて、納入にかなり時間がかかりましたよ」


チーム全員がやっと、この情報局が機能することができるようになったことが嬉しかった。


「ドニーズ中尉、それで、事件の調査の方はどうだ?」


「大尉、我々は軍所属ですから、直接、警察にもっと詳細な情報をよこせと言っても、まず、おたくはどこの部署なの?から、はじまって、やっと確認が取れると、資料はそれしかないだとか、今はちょっと忙しいとか、あまり、協力的ではないですね」


「まあ、そうだろうな」


「大尉、やっと、ここの通信設備が整いましたから、先日、ユウキさんからもらった、警察のアクセスコードから、情報を引き出してみますよ」


「あ~、頼む、もうすぐ、局長に任されてから2週間になるから、いい加減、何かしらの成果をあげないと、何を遊んでいたんだ。なんて、局長というより、あの口の悪い、イブさんに何を言われるかたまったもんじゃないしな」


そんな話をしている時にアンナが元気がないのに気づき、


「おい、アンナ、なんだか、最近、元気がないな。どうした?やっぱり、軍の施設が恋しくなったか?」


「いえ、そんなんじゃないんですけど・・・」


「おいおい、我々はチームなんだぞ。悩みや不満があるなら、はっきり言え」


「すみません。不満はありませんよ。ここの任務はワクワクしますし、この世界で

我々ほど、恵まれた環境にいる軍人はいないと思うぐらいですから」


「じゃあ、どうしたんだ」


「先週の休みの日に久しぶりに軍の新人教育をしている施設に顔を出したんですけど、

昔、一緒に仕事をしていたトニーという教官がいなくなっていたので、どこの部隊に転属になったか、みんなに聞いたんですけど、誰も知らないって言うんですよ。それでおかしいなあと思い、トニーの上官の少佐のところに聞きに行ったんですけど、行先は言えないことになっているの一点張りで、結局わからずじまいだったんですよ。でも、おかしいんですよね。あと3か月で除隊して、家が農家だから、父親の跡を継ぐ予定だったんですけど」


「たしかに、それはおかしいな。3カ月後に除隊なら、今の部署にいて、しばらくして、休みなどを消化したりするのが、普通だからな」


「でも、トニーは私よりも体術などの近接攻撃などは、ずば抜けて優秀ですから、結局、私も彼には一度も勝ったことがないんですよ」


それを聞いていた、ドニーズ中尉が、


「今、中東地域での政情不安定で、かなりの難民などがこのフランスに押し寄せてきているからな、もしかしたら、1年ほど前に違法選挙でその地位に納まっている、アハド大統領となにか関係があるかもしれないな、あの国は核兵器や化学兵器などを入手しようとしていて、軍事大国になるために必死だからな、今は原油があるから、なんとか、なっているが、今、世界で最も危険な国のひとつと言われている、彼は、危険を察知しているのか、最近では、表にでてこないし、どこにいるのかもわからないと言われているからな」


「そんな、もう除隊するトニーがそんな人と関係があるなんて、ありえないですよ」


「そうかな、逆に、除隊する人間の方が軍は都合がいいんじゃないかな。仮に死んだとしても

どのみち、辞めるんだから、軍では痛くもかゆくもないしな」


「まさか!そんなことを言うのはやめてくださいよ」


「おいおい、中尉、あまり、アンナに追い打ちをかけるようなことを言うのはやめてやれ」


「すみません。あくまでも可能性があるという話をしただけですよ」


「みんな~、ちょっとこっちに来てくれ」


ダニエル中尉が警察のサーバーから、資料と写真を入手することができた。


「え~と、まず、この極秘資料に書いてあるものだが、犯人は30~40代の白人男性、それとカメラの映像もあるから、見てみよう」


その犯人はカメラがどこにあるか、まるで、把握しているようで、フードをかぶっていて、顔は確認できないが、すれ違い様に女性の細い首筋にナイフで正確に切りつけている様子が映し出されていた。

それを見た、ナイフの扱いも得意なアンナが、


「すごい、あと数ミリ、深く切りつけたら、動脈を切り込んで、すぐに死んでしまうのに

その一歩手前で切っている、これは、とんでもない、プロの犯行ですよ。どうやら、わざと、キズだけつけているようですね」


アンナはとても驚いた様子で、その映像を食い入るように見ていた。


「中尉、もっと他の映像はないんですか?」


「カメラに映ったのは、この映像のみだ」


「そうですか。残念です。違う場所での映像があれば、この犯人のくせを見つけて、多少は絞れるのにな」


アンナはくやしそうに話した。そのあと、この1年で、毎月1回ぐらいのペースでパリの街で規則性もなく、あちこちに出没して、全く同じところを切りつけていた。


「もうすぐ、前回の犯行から1カ月が経ちますが、いったい、どこを探せばいいんでしょうか?」


「う~ん、警察でもお手上げ状態なのに、我々でどうにかなるもんでもないようだな」


ベルナールがもう、これ以上は無理だと思い、


「大尉、前から、言おうとは思っていたんですけど、局長に相談するしかないんじゃないですか?」


「え、局長!」


「大尉の気持ちは、わかりますよ、自分だって相談したくないですよ。あのイブさんに

ぜ~たい、バカにされるんですから」


「は~、あれはこたえるよな、まったく」


「もう私なんか、何を言われるか、演技できちゃいますよ『あんた達、結局、な~んにもできないじゃない~。あ~んな高~い設備買っても、本当情けないわね。ほら、全員で言ってごらんなさい。私達は無能です。ど~か、協力してくださいって、ハハハ』」


「お前、最近、イブさんの演技、かなり、磨きがかかってきたな」


「お褒めをいただき、ありがとうございます」


あきれた顔をして、ダニエル中尉が


「ベルナール、お前、そんなことが上達したって、しょうがないだろ。そんな暇があるなら、

体育館のスポーツジムの機材を早くそろえてくれよ。体がなまっちゃって、しょうがいないよ」

「わかってます。今、納品待ちですから、そうだ、機材といえば、局長が朝稽古に使っている物が山のように置いてありましたよ。なんだか、木刀やら、かかしのような物や、見たこともないような、不思議な物が、さわると怒られそうなので、さわりませんでしたけど」


アンナが思い出したように


「局長は朝4時ぐらいから学校に行くギリギリまで、毎日、稽古をしているからね。最近は葉子も休みの日に一緒にやっているみたいだけど、かなり、すごいらしいね」


「まったく、局長は今でも、とんでもなく強いのに、これ以上、強くなられたら、俺たちも必要なくなっちまうな、あらゆる武器も使えて、戦闘機まで乗れちまうんだから」


「おいおい、局長やユウキさんやイブさんのことを言い出したら、言っている自分が悲しくなるから、この辺にしておこう」


「話がそれてしまったが、今日は、水曜日だから、14時過ぎには帰ってくるだろう。

そしたら、相談しよう。イブさん、今日はいなければいいのにな」


カミーユ大尉達は、事あるごとに銃弾を受けたようなイブの言葉の暴力に今日も歯を食いしばってたえるしかないと思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ