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平和への使者  作者: DAISAKU
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54話 軍の取り調べ

フランスパリ郊外、ここにフランス空軍基地がある。空軍だけではなく、航空宇宙関連の中枢機関があり、司令部も存在する。本日、ここでは、軍法会議が緊急で行われる予定だ。概略の内容は出席者に通達済みだが、まさか、地球外の生命体に関する内容だとは誰にも知らされていなかった。今日はどんよりとした雲に覆われ、パリの街は本降りの雨が降り出していた。


「なんか、すごい雨が降ってきたね」


迎えの車に乗り込んだマリが車内から降りしきる雨を眺めて、呟いた。


「そうだね。雨が降るとパリの街並みも違って見えるね。今日は1日雨みたいだから」


ユウキもマリと同様、基地に行くのにリラックスした様子でそう話した。


「ねえ、マリ、これから軍に言って、何をするの?」


「私もよくわからないんだけど、なんか、昨日の出来事について話を聞かれるみたい」


「マリは何も悪いこともしてないのに、わざわざ、基地まで行くなんて、本当ならマリの滞在するホテルに来て、話を聞きにくればいいじゃない。本当にダメな部下がいれば上司もダメな存在だね。全く、この世界の人間は礼儀をまるで重んじない、自分達が作り出した世界を中心に生きている本当につまらない存在だね。マリをはじめ、それに従う、このムー人やサターン人を呼びつけるなんて、我々がその気になれば、フランス軍どころか、世界中の軍や国を簡単に制圧することだってできる存在なのに、え~と、何だっけ、日本で言うと『井の中の蛙大海を知らず』だね」


イブは笑いながら、話した。


そんな話をしている時、軍では事前の状況確認のため、レモンド中佐率いる部隊とその上官のドニーズ将軍の聞き取り調査が行われていた。


「レモンド中佐、今回の女性誘拐事件について、正直に答えるように、まず、この女性は犯罪者でもなく、一般女性であり、車で特殊部隊4人がかりでいきなり捕まえ、地面に押し付け、『大声で騒ぐんじゃない』とか、『静かにしろ』とか、言っていたそうだが、なぜ、そのような指示をだしたのか、その根拠を述べなさい」


レモンド中佐は困った様子で


「私は考古学研究所から脱走した、この女性が大変危険な存在だと判断したため、部隊に逮捕して、研究所まで連行するように指示を出しました」


「危険な存在、どう危険なのですか?」


「将軍、正直に話してよろしいですか」


「当たり前だ。ここで嘘をいえば、偽証罪に問われるからな」


「わかりました」


「いちいち、将軍に確認を取らなくて良い。我々は将軍をも管轄する上の機関だ。今度、そのような態度を取れば、それ相応の処分をするぞ」


「失礼しました。先日のニュースでモーリス博士が棺の発見をしたニュースはご存じだと思いますが、私はその棺の調査状況などを監視する任務で研究所に行っておりました。そこでまず、棺の周りの不純物を取っている作業中に赤い球体の光が発生し、研究所上空まで、その光は上がり、無数にはじけて世界中に拡散しました。その後、7時間ぐらいで、光はまた、棺に戻り、棺全体が赤く光り、しばらくしたら、そこから、その女性が出てきたのです」


事情を聴いていた、4人の審問官が笑い出した。


「中佐、こんなところで作り話をして、罪を免れようなんて、無駄なことはやめろ。将軍も今言っていただろ、正直に話せと」


「ダニエル、映像の準備を頼む」


「了解しました」


「そう、おっしゃられると思いましたので、実際の映像を見ていただければわかりますから、

これから、お時間をいただけませんか」


「構わない、そんな映像があるなら、見せてみろ」


そして、すぐにプロジェクターから、その様子が写し出された。


「言っておきますが、これは、2日前から起きた内容ですので、偽映像などではありませんし、研究所の者も数名立ち会っていますので、疑うようでしたら、確認を取ってもらってもかまいません」


そして、その映像が流れた。レモンド中佐が言った通りの内容が写し出された。しばらくして、

映像が終わり


「中佐、本物なのか、この映像は」


「本物です。将軍にも随時、報告もしております。このような得体のしれない女性が街に出て、

市民に危害を加えることも考えましたので、今回のような処置を取りました」


「ドニーズ将軍、この話は本当なのか。実際、この女性は誰も傷つけていなし、研究所を出るときも、何ひとつ、壊すこともなく、出て行っているようだが、どこが危険なんだ?

部隊を派遣して、無理やり逮捕などせずに、最初に普通に話してお願いすれば良かったのではないか?

SNSで拡散された映像をみると、お前達、部隊はなにも話すこともなく、いきなり捕まえているが、なぜ、最初に会話して、戻ってくるように頼まなかったんだ。そのやり方が今、問題になっているんだ」


「はい、確かに犯罪も犯していない女性にこの行動は乱暴だったと思います。中佐を始め、

この部隊の行動そのものが、力任せの無知な存在と言われても仕方ありません。ですが、我々の常識を超える存在に対して、国を守る軍人として、防衛本能が過剰に働いた結果が招いた事故だったことをご理解いただきたい。中佐をはじめとするこの部隊は今まで、数々の案件を解決し、命がけでこの国に貢献してきました。幸いなことに、今回はこの女性をはじめ、市民には誰も負傷者もでませんでしたし、不思議な少女の出現で負傷者はこの部隊の2名でてしまいましたが、それは自業自得、今回の件は司令官としての私はいかようにも処分を受ける覚悟ですが、中佐以下この部隊の者達には、何卒、ご配慮いただきたく存じます」


「まあ、だいたいの状況はわかった。それと中佐、あの体術で負けなしのアンナ軍曹が倒された件だが、あれは、演技だったのか。それも確認しておきたい」


「残念ながら、演技ではありません。その証拠にアンナはあばらを4本骨折、内臓も一部損傷し、大事には至りませんでした、ですがアンナが言うには、大怪我をさせないために、少女はすこし加減をしてくれたなんて言ってますが・・・」


「そうか、わかった。あんな少女がいるなんて信じられないが」


マリ達が基地に到着した時にちょうど状況確認の取り調べが終わった。

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