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平和への使者  作者: DAISAKU
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47話 日本人街

「はあ~、ひと段落だね。松田さん、今日はいろいろありがとう」


「いえいえ、仕事ですから」


「マツさんやアベルさんにもあとでお礼の連絡いれなきゃね」


マリは無事にスケージュールが終わり、ホットしたら、急にお腹が空いてきた。


「ねえ、ユウキくん、葉子さん、外でご飯でも食べに行きませんか。なんか、ホットしたら、お腹が空いてしまって」


「いいですよ。行きましょう。それでは荷物を部屋に入れて20分後にロビーに集まりましょう。ユウキさん、マリさんこれ、このホテルのカードキーです」


「ありがとう。ユウキくんもやっぱり同じホテルでよかった」


「葉子さん、いろいろ手配ありがとうございます」


「仕事ですから」


そう言って葉子は笑った。葉子は日本にいて、毎日、マリの警護が退屈でどうしようもなかったが、こうしてフランスに公的に訪れて行動できることがうれしくてたまらなかった。そして、さすがに松田家の血を引くもの、準備や予定なども事前にあちこちに連絡をとり、警護の任務以上に完璧に仕事をこなしていた。しかも、これが、世界を救うための仕事だと思うと生きがいと喜びがこみ上げてきて、今までの人生の中で一番充実した時間であることをかみしめていた。

しばらくしてロビーに3人が集まり、


「それでは、出発しますか。あっといけない、Dカードをお二人にお渡しします。

これは渡辺さんから預かったカードです。フランスでは現金はもうほとんど使われていませんから、このカードで買い物などしてください。ちなみにマリさんの預金から引き落としされるようになっています。上限がないようなカードなので、絶対なくさないでください」


「ありがとうございます」


「それと、トイレはこのホテルで済ませておいてください。お店まで公共のトイレなどあまり、しっかり使えるところがありませんので」


「大丈夫です」


「パリを少し走りながら、1区の日本人街のお店が落ち着けると思いますので、そちらに向かいます、よろしいですか?」


「はい、よろしくお願いします」


車でパリの街を走り、オペラ界隈のサンタンヌ通りに案内された。


「うわあ、建物はフランスなのに、入っているお店は日本なんだね。すご~い、松田さんあそこのお店はすごい並んでますね」


「あれは、ラーメン店ですね。最近はラーメン屋や日本のお弁当屋さんなんかが人気みたいですよ」


ユウキもいろいろな知識はあるが実際に来てみると、やはり、雰囲気を感じることができ、日本とは違う感覚を味わっていた。


「この日本定食のお店がおいしいんですよ」


「松田さんはフランス料理より、やっぱり日本料理派ですか?」


ユウキは笑いながら葉子に話しかけた。


「そうですね。私は、小さい時から、おばあさまから教養のために、洋食を食べることは

あったんですけど、それ以外は、ずっと日本食でしたから。もう、体がそういうふうになってしまっています。やはり、日本食が一番です」


「うちはお母さんが色々な料理を作ってくれていたので、私は、おいしいごはんなら何でも大丈夫です」

そんな、楽しい時間を過ごしていた時に、お店から20mほど離れたところに


「ブ~ン、キー」


大きめの車が1台と、乗用車が1台通りの両方向から勢いよく入ってきて、通りをふさぎ、

4人の軍服を来た人が車からおりてきて、1人の女性を取り囲んだ。


「おとなしくしろ、これから、研究所に連行する」


「なんですか。あなた達は、私をどこに連れていくんですか」


「やめてくださ~い。この人達、私を誘拐する気です。だれか~助けてください。」


「何を言ってるんだ。大声を出さないで、我々と来るんだ!」


「助けて~、こわ~い、やめて~」


と泣きながら叫んだ。


それを見ていた三人は


「まずいですね、こんな白昼堂々と誘拐なんて」


葉子はその様子を見てつぶやいた。そしてユウキが


「変わった軍服を着てますが、あれはフランス軍の正規の軍服に間違いないですよ」


「お二人はフランスに来て、これから秘密裏に情報を集め、世界の安全を守る使命があります。

ここは、黙って見過ごして、目立った行動は取らないようにしてください」


ユウキは頷いたが、マリは乱暴な軍人の行動ががまんならないようで、手がブルブルしていた。


「マリさん、聞いてますか!」


「聞いてますよ。でも、1人のカヨワイ女性を4人で押さえつけて、いくら何でもやりすぎよ」


「フ~、わかりました。私が行って、事情を聴いてきますから、マリさんはここにいてください」


「葉子さん、あの軍人の武器、やばいかもしれないですよ。M4カービンやM16A2カービンなどを持っています。あれは特殊な軍人しか持たないはず。葉子さん危ないから、私に任せてください」


「マリさん、いっちゃあだめですよ」


葉子が叫んだが、マリは


『目の前で困った人がいた時は、見て見ぬふりをする最低の人間に

なっちゃあいけないよ。助け合う心を忘れたら、人ではなくなってしまうからね』


おばあちゃんの教えがマリの頭をよぎった。

そしてマリは勢いよく走っていき、その場に飛び出した。


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