第135話 同級生とパーティー
「マリ~時間だよ」
マリはポーラの案内で最高の化粧ルームでピカピカに仕上がっていた。イブやユウキが室内に入ってきて、マリが初めて化粧をして、そして高校生らしいかわいい服を見て
「ワオ、マリ~ちょ~かわいい!」
「そおかなあ、なんか、ちょっと、派手すぎるような気がするけど」
「そんなことない、マリらしい服装だ。バッチリ決まっているぞ」
マリは、イブに褒められながら、自分より派手で神々しい服を着ているイブを見て
「イブ~ちょっと、やりすぎじゃないその服」
「そんなことはない。ポーラがデザイナーとメイクのスペシャリストを準備してくれて、そいつらが、私のことを専属モデルとして、世に出たほうがいいとまで言われたぞ」
ユウキはイブを見て
「お前は、マリの従者だろうが、マリより目立って、どうするんだよ」
「は?そういうお前こそ、えらく決めているじゃないか。人のこと言えるか」
「知らないよ。僕もポーラが用意してくれたスタッフが次から次へと仕上げてくれてこうなったんだから」
「ま、いいじゃない、二人ともすごくかっこいいよ、さあ、行こうか、1階のロビーにみんな集まっているみたいだから」
そう言って2階から3人は階段を下りて、ロビーまで降りて行った。パスカルは男子、カトリーヌは女子に声を掛けて学校の同級生が30人ほど集まってくれた。階段を降りてきたマリ達を同級生が見て
「ねえ、ユウキが来たわよ。なにあれ、貴族?きめすぎじゃないの?でも、かっこいいユウキ」
「おい、イブが降りて来たぞ、何だ、女神様か?派手すぎるだろ、でもきれいだ~」
皆、お目当てのイブとユウキに釘付けになった。
そんな中、さきほど、空手の試合で、完全にマリの虜になってしまったカトリーヌはマリの
可愛らしい服装に釘付けになっていた。
「マリ~、すごく似合っているよ。その服」
「ありがとう、カトリーヌだって、きれいだよ」
「ほら、マリ、みんなに紹介するから、こっちにきて」
「うん」
「ねえ~みんな、今日のパーティーの主催者マリよ!」
30人ほどの同級生が一斉にマリの方を見た。マリは少し照れながら、
「みんな~、今日は集まってくれてありがとう。隣の部屋に食事や飲み物などを用意しているから、楽しんでね」
「マリ~、こんなすごいところで、しかも、食事まで用意してくれて、大丈夫なの?私達それが心配なんだけど・・・」
「大丈夫だよ。ここに住んでいる人は知り合いで、警備会社を経営している人なんだけど、今日は、高校生が食事をして、楽しんでいるところを会社の広報活動として、撮影したいと言われているから、私達も無料で楽しめて、ここの所有者も会社の宣伝に役に立つということで、みんなには悪いけど、短い時間、撮影もするから、了承してね」
「ふ~ん、私達を撮影して、何の役に立つのか知らないけど、そういう理由なら、今日の会場の貸し切りや、食事の費用なんか気にしなくていいのかな?」
マリの横にいるユウキも
「ハハハ、そういうことだよ。こんなにきれいな女子やカッコよく決めている男子を集めようと思ったら、とてもお金もかかるし、しかも、撮影においても、本当の友達と食事しているほうがいい絵も撮れるしね。だから、みんな、気にせず、楽しんでくれた方が、いいということだよ」
隣にいるイブも
「みんな、そんなお金のことは気にすることはないぞ、我々をちょっと撮影するだけで、
今日の費用なんかすぐに回収できるんだ。ここを所有する警備会社もみんなも知っている有名な企業だから、変なことに使われる心配もないしな」
「わかったわ。それなら、安心して、今日の招待を受けるわ」
みんな、出かける前に自宅の両親から、こんなすごい建物や食事まで無料の招待を受けることは普通じゃないから、事前によく確認することや、いくら、同級生でも費用を払わないことはよくないことだと言われていた。でも、マリ達の言葉を聞いて、みんな不安そうな顔から、楽しそうな表情に変わった。
「それじゃあ、みんな~今日はここがメイン会場だよ」
そう言って、マリは大きな白く装飾された扉を開けた。
「ガチャ」
扉を開いた瞬間、かつての貴族の社交界で使われていた宮廷の光輝く空間が広がっていた。
「すご~い。なにこれ~」
「うひょ~、すごいぞ、ここは、こんなところ来たこともないぞ」
皆が騒いでいるところに5人ほどの給仕が立っていた。
「皆さま、本日はプチ・トリアンにお越しいただきありがとうございます。あちらの席に座っていただき、座席にあるメニューから食事のコースを選んでください。一流のシェフによる
お食事をお楽しみください。それでは、どうぞ」
用意された座席にみんなは嬉しそうに足早に座り、わいわい騒ぎだしていた。だが、ユウキの廻りには女子、イブの廻りには男子が座った。マリはまたかと思いながら、空いている席に座ったが、その隣にニコニコ笑っているカトリーヌやその友達3人がマリのそばに来た。
「マリ~名前ぐらいは知っていると思うけど、アリス、クララ、レアよ」
「よろしく、マリ」
「よろしく」
「ふ~、やっと落ち着いてマリと話せたよ」
「私と?」
「そうだよ、だって、マリ、学校じゃ、いつもユウキとイブと一緒にいて、なかなか声をかけずらかったんだよ」
「なんで?」
「なんでって、あの二人、学校でも容姿端麗・頭脳明晰で超有名で学校の先生だって、知らない人はいないわよ。それに、マリは運動をやらせたら、一流のスポーツ選手顔負けの能力を持っているじゃない。だから、3人が揃っていると、オーラというか、近寄ってはいけないというか、そういう感じなんだよね」
「え~、そんなこと気にしないで話しかけてくれれば良かったのに」
「みんなは、絶対話しかけて、仲良くなりたいと思っているんだよ。でもねえ~」
「そうよ。私なんて、マリと仲良くなって、ユウキを紹介してほしいな~とか、いつも思っていたからね」
「でもさ、マリってたしか、1月1日生まれだよね」
「うん、そうだけど」
「だよね、そうすると学年でいうと、最年長者だよね。イブとユウキはその前の年の8月と10月だから、落第しているのかな?でも、変だよね。あんなに頭がいいんだから」
「それは、日本では4月2日が最年長者だから、落第ということではないんだよ」
「へ~日本は違うんだね」
「うん、それに、日本では、落第して同じ学年を二度する人はほとんどいないからね」
「そうなんだ、落第がないのは、うらやましいな~」
「ねえ、私達、どうしてもマリにに聞きたいことがあるの」
「何?」
「あのね、どうして、ユウキとイブといつも一緒にいるの?というか、異常なほど一緒だよね。学校でもマリと全教科同じものを選択したり、細かく言うとトイレまで一緒に行ったり」
「う~ん、志が同じだからかな~」
「こころざし?」
「うん、そうだよ」
「何、こころざしって、なんか古くさいね~、政治家みたい~アハハ」
「マリ、3人で目標でもあるの?教えて」
カトリーヌはマリのことが気になってしょうがないようで
「目標?目標はね。世界平和だよ」
マリの話を聞いていた4人は大声で笑いだした。
「アハハ!マリ、それって本気で言っているの、冗談にしては、話が大きすぎるよね」
「そうよ。可憐な女子高生が言う言葉じゃないよ、それ」
「家族でもよく、政治の話はするけど、自分が世界を平和にするなんて、言った人は聞いたこともないよ」
「でも、いいじゃない、世界を平和にするなんて、すばらしいことよ」
「ありがとう、カトリーヌ、イブとユウキと私で、あらゆるところで起きる犯罪を未然に防ぎ、世界を平和にしてみんなが、安心して過ごせるように頑張りたいんだ。私達、3人なら必ずできると信じているから」
「マリって、面白いね。本気でそんなことを思っているんだ」
「でも、今日はありがとう、こんなすばらしいところに呼んでくれて」
「いいよ、別に気にしないで」
クララは少し暗い感じで話し出した。
「ウチはさ、兄妹が3人もいてさ、両親も共働きで、あんまり、お金のかかるところは出かけたことないんだ。だから、今日はマリにすごく感謝してるの、今だって、自分がここにいて、食事やパーティーができるなんて信じられないよ」
クララは目に涙を浮かべていた。その様子を見ていたマリはすぐにクララの気持ちを感じ取って
「クララは家が大変なんだね」
カトリーヌも
「クララは妹や弟達も、遊びに連れていってあげたいけど、なかなか厳しいみたい」
マリはクララを見て何かしてあげれないかと考えはじめた。




