第120話 表と裏
「あれ、早かったですね。マリさん」
「はい、大介さんがものすごく、このスパイは強いと言っていましたが、ぜんぜん、たいしたことなかったですよ。もう少し、まともな人かと思ったけど、ただの使い走りでした」
「ハハハ、マリさんをその気にさせる人なんて、この世界にはあまり、いませんからね」
「そうかな?」
「大将、そろそろ、病院に行く時間なんで、失礼させてもらってよろしいですか」
エマは持病の神経痛で週に3回病院に通っている。高齢からくる、神経痛でユウキでも直すことができない病気だった。
「ちょっとだけ、待ってもらえますか。この、マリアというスパイを使って、アメリカの秘密組織を調べたいんですど、相談にのってください」
「秘密組織?」
「はい、以前、アメリカのある施設に行った時にも、ものすごい量の地球外の遺物がありました。
そのような物を管理している組織です」
「なるほど、あまり聞いたことないですね。でも、アポロ計画など、たしかにあの国は、なにかと秘密が多いようですから、そういえば、宇宙人かどうかはわかりませんけど、かつてアメリカがイギリスから独立し、世界でも類をみないほどの多民族国家が今のような、世界一位の経済大国になったことが、不思議で信じられないことだと、よく言われてきました。また、あるものは、影の組織だとか、影の政府があるだとか、そのような組織が実際はアメリカを創ってきたとも言われています」
大介はエマの話を隣で聞きながら、同調するように
「エマさんの言う通りです。ですが、その秘密を探ったり、知ろうとした人は、不思議な死を迎えるようです。まるで、不思議な力が働いているようで、だから、マリさん、あまり、この件は深く介入しない方が良いと思います」
「大介さん、想像でいいんですけど、そんな秘密組織があるとしたら、どんな人達だと思いますか?」
「う~ん、僕の想像ですけど、笑わないでください。恐らく、アメリカのような、強大で強固な国を造り、世界のあらゆることに介入してくることからすると、まるで、この人類をある方向に進ませようとしている者が存在しており、それをまるでどこかの異星人が科学実験のように、様々な事象を起こすことで、観察・研究でもしているように思えます」
「なるほど、話を聞けば、聞くほど、手ごわそうな相手のようですね」
「でも、どうして、そんな宇宙人のことに関する秘密組織にこだわるんですか?」
「今、レストランで働いているベータもアメリカの秘密施設に運ばれ、永い間、そこで眠っていたんです。それに、これから、我々が目指す世界の平和に少しでも役に立つ物があれば、活用したいと考えています」
マリは、この間、エリア51で見た物が、とても、価値のあるものだと感じていた。
「そうだね。この間は時間がなくて、施設の遺物を細かく分析することはできなかったけど、
かなり、役に立ちそうな物があったからね」
「私も、見たが、地球人は遺物を集めるだけで、全くその遺物を扱うことができる科学水準ではないようだからな」
ユウキやイブも施設にあった遺物にはとても興味があるように思えた。
「マリ、こんな使い走りのマリアでは、その謎を解明することは、とてもできそうにないね」
「そうだね。アメリカに強力な助っ人でもいれば別だけど・・・」
ユウキはニコニコして、マリを見て
「なに?ユウキ、楽しそうな顔をして」
「ハハハ、全く、便利なものだな。前の平和への使者の孫だから、本当に紹介しやすいよ。
しかも、容姿までそっくりなんだから」
イブはユウキがおかしくなったのかと思い
「おい、イカレ野郎。なにをブツブツ言っている、気持ち悪いんだよ」
「あ、ごめん、ごめん、マリ、協力者なら、少しだけど、いるよ、その中でも、強力な人がでも、
もう結構高齢になっているけど」
「誰?それは」
「かつて、日本帝国海軍情報部長官に仕え、アメリカの大統領にまでなった男が」
「そう、一時期はもう一つの夢でもあった、俳優業でもそこそこ成功していたけど、まあ、そのおかげで、知名度は抜群で、大統領になれたんだけどね」
ドニーズ中尉が手を叩いて
「パチン、あ~あの人ですか、ユウキさん」
「そう、あの人だよ」
誰のことだか、わからず、イライラしていたカミーユ大尉が
「ドニーズ中尉、誰なんだ?説明してくれよ」
「あ、すみません、説明しますよ」
ドニーズ中尉はみんなにわかるように説明した。その間、ユウキは彼が今、どこに住んでいるか、何をしているか、調べ始めていた。




