第105話 マリと国際問題
マリ達、治安情報局は、フランス諜報員を救い、世界に散らばるアッダムの使徒を壊滅させ、
ムセビア王国を操り、世界を破滅に導く者を倒した。
このことは、フランス政府アベル大臣から、政府上層部に報告され、特にフランス大統領は
マリ達の期待以上の働きに大喜びだった。
特にアッダムの使徒の壊滅についてはアベル大臣から、外務大臣を通じて、
フランス政府の働きにより、世界中の多くの未解決事件がアッダムの使徒の自白により解決された。
そのため、世界中から、フランスは感謝とお礼の連絡が絶えず、
今後、国連やNATOなど世界平和において、その地位を高めた。
そんな中、マリに連絡が入った。
「マリさんですか?アベルです。今回はムセビアでの任務お疲れさまでした」
「いえ、私達は、諜報員を助けにいったついでに起きたことですから」
「マリさんの意向もあり、あまり、目立たないようにと、いつも言われてましたが、
こちらとしても、これほど活躍されたのに、なにもしないと言うわけにもいきませんから、
大統領から、エリゼ宮殿にて、慰労をかねて、治安情報局の皆さんを食事に
ご招待したいと申しています」
「いえ、私は、そういうかたくるしいのはちょっと・・・」
「フフフ、そういうと思いましたよ。でも、マリさんはフランス政府の一員ですよね。
その長が招待ではなく、命令で言われたら、来るしかないと思いますが」
「ずるい、アベルさん」
「冗談ですよ。まあ、そんな堅苦しい、食事会ではありませんから、心配ありませんよ。
出席者も政府上層部の人間だけですから」
「は・・い、行くようにします」
「フランスにはいつごろ、帰還予定ですか?」
「そうですね。カミーユ大尉とアンナ軍曹があと1週間ぐらいで動けるようになるので、
全員もどるのは、その後になります」
「そうですか。それでは10日後ぐらいで、セッティングをしてみます。また、連絡します」
「わかりました」
電話がおわり、マリはため息をついた。それを見ていた、葉子が
「マリさん、大丈夫ですか。また、何か事件でもおきましたか?」
「うん・・・」
イブがうれしそうに
「マリ、今度は何が起きた、私ならすぐに対応できるぞ」
「事件じゃないよ、別に」
「そうか」
「マリ、カミーユ達の事も気になるけど、一度フランスに戻って学校の宿題をできる時にやっておいた方がいいよ」
マリはドキッとした顔で
「そうだったよね。宿題が山のようにあったんだ。それじゃあ、みんな、私はフランスに戻るから、また、1週間ぐらいしたら、また来るね」
ユウキとイブと葉子はマリと一緒にフランスに戻った。
その時、フランスでは、フィルマン外務大臣が各国政府リにモートにて問い詰められていた。
「フランスではマリ・トビシマが率いる部隊がその飛びぬけた能力を発揮して、ムセビア国では大活躍だったそうですな。資料や登録によると彼女はアメリカでも国籍を取得しており、貴国だけで囲い込みを行っているようにも思えますが、どうなんですか?」
フィルマンはフランスは世界経済的にも現状では厳しい情勢で、最近では弱い立場に立たされていたこともあり、今回の成果をこれ見よがしに世界に報告というか、自慢するようにしゃべりすぎたため、マリが国籍を取得しているアメリカ・イギリス・ロシア・ドイツなどを刺激しすぎて、妙なクレームが逆に発生してしまった。
「囲い込みなどはしてません。マリ・トビシマがこのフランスを愛して、滞在したいということで、本人の意思を尊重してのことです」
「なるほど、それならば、マリ・トビシマに、我がイギリスでも仕事の依頼をしてもかまいませんな。
フランスだけが、彼女の力を利用するなど、あってはならないことです。
ムセビア国に送っていた私の国の諜報員の話だと、我々が何年もかけて、大統領の所在や化学兵器の有無を調べたが全く見つけることができなかったのに、マリ・トビシマ率いる部隊はムセビアに行ってから、たった数日で大統領を発見、核兵器や化学兵器がないことを確認して、しかも、アッダムの使徒とかいう首謀者を発見、その者から全世界の使徒に犯罪の自首までさせてしまうなど、とても常人では考えられない能力を持っていると考えられます」
「ハハハ、そんな、能力ありますかな。偶然じゃないですか」
「何をごまかしているのですか。フランスは、他にも彼女に対して、何か、隠しているように聞こえますが、ロシアでも彼女達の行動をムセビアで見たものがおりますが、いつもマリ・トビシマのそばには男性と女性がひとりずつ、彼女を守るようにいつも付いているようですが、
あの二人は何者なんですか?どうも高校1年生には見えないような雰囲気があったといっていますが」
「友達じゃないですかね」
「友達?フランスでは、こんな特殊任務で学校の友達を同行させるのですか?」
「いやあ~、向こうでの行動はマリに任せていましたから、細かいことは、私にはわかりませんな」
「怪しいですな。ドイツでも、解決できない諸問題がたくさんありますから、ぜひ、お力をお借りしたいのですが」
フィルマンは調子に乗りすぎて、とんでもないことになってしまったと思った。
「フィルマン、マリはいつ頃、フランスに戻りますか。一度、会わせていただきたいのですが」
「さあ~、いつ戻るんでしょうな」
「フィルマン、あなたは、誠実でいつも、細かいことまで、きちっと回答する人のはず、そのあなたが、ごまかすなんて、マリという人物は、すごい能力を持っているんですよと言っているようなものですよ」
「さあ、フィルマン、いつ戻り、会うことができるんですか、これ以上、ごまかすと、貴国は我々主要国すべてを敵に回すようになりますよ」
フィルマンはこれはもう、私一人では手に負えないところまで、きてしまったと思い、
「皆さま、すみません。大統領や閣僚と打ち合わせをさせていただき、早急に返答いたします」
「おっと、早急っていうのは具体的に何日後なんですか」
「ですから、早急です」
「また、あなたにしては、めずらしく、日にちをいいませんね。いつも、逆にあなたから、
日時を決めない、約束なんて、約束にはならないと言っているじゃないですか」
フィルマンは痛いところをつかれた思いで、
「わかりました。3日以内にまた、連絡いたします。事前に秘書官から、日時を連絡させます」
「よし、いいでしょう。こちらも、協力していただきたい案件を精査しておきますから」
そして、リモートでの会議は終わった。
フィルマンはしばらく、考えたが、自分ではどうすることもできないと判断して、
アベル国防大臣に連絡した。
「アベルですか。フィルマンです」
「どうしました、そんな慌てた様子で、そうだ、さっきマリさんと連絡を取って、10日後ぐらいなら、チーム全員が帰国して、エリゼ宮殿まで、来れると言ってましたよ。あとで、詳細をまた、連絡しますよ。この調子なら、フランスはかつての栄光を取り戻せるかもしれませんな。ハハハ」
アベルはご機嫌だった。
「アベル、ご機嫌のところすみませんが、今回のマリさん達の活躍の件、マリさんの名前は伏せて、
フランスの成果だと、世界各国に話をした中で、なぜか、マリ・トビシマの名前が知られており、
特にマリさんが国籍のある、アメリカ、イギリス、ドイツ、ロシアの外務大臣から、
マリ・トビシマを独占することは許さないということを言われ、マリ・トビシマに会わせないと
国際問題として、フランスを敵対国扱いにすると、さきほど言われました。
3日以内に回答することで、とりあえず、話は終わっています」
アベルはびっくりして、
「なんですと!なぜ、マリさんの名前が」
「恐らく、ムセビアの誰かから、情報が漏れたのではないかと思います」
「困ったことになったな」
アベルは考えた。そして
「フィルマン、大統領にも連絡して、緊急で閣僚会議を開催して、フランス政府としての対応を検討するしかないだろう。すぐに連絡を取ってくれ」
「わかった」




