第201話
申し訳ないです。
昨日は体調崩してました…。
─────ラオシャン視点────
簡単にしっかりと自己管理をしとけば何も無いという風に伝えたのだがミネスの顔は不満そうだ。
「なんだ?何か言いたい事があるなら先に言ってくれないか?」
『あははー。ミネスの事だからいつも通り真面目に過ごしてたら直ぐ1年なんて経つよねっ!』
お、魔王にしては珍しく先手を打ったな。
これに対して悔しそうな顔でこちらを睨みつけて来るが何も譲歩しないぞ?
「むーーっ!酷いっすよ罰があるなんてっ!………因みに何にする気っすか…?」
そんなの教えてしまうのは勿体ない。
教えてしまったらモノによっては喋ってしまっても構わないとなるのが目に見えている。
こういう時はこう言うべきだな。
「バレてしまった日から期限日を差し引いた残り日数で罰の重さと種類を決める予定だ。つまりミネス次第でどうなるかが決まるな。」
そう言うと何か閃いたという顔をするがなにを想像したのかなぞ分かりきっている。
「あ、もちろん当日だからとか後数日だから話しても大丈夫だと思うなよ?その場合は更に重くするからな。本来ならば数十年単位で口をつぐまなければいけないことなのだからな?」
「今の自分の立ち位置を見つめなおせ。そして、アメーバによって起きた被害を調べてみろ。そうすればミネスの自慢しようとしているモノが何なのか分かるはずだ。それはミネス、お前が引き起こした事になるからな?」
そこまで言うととりあえずは納得した雰囲気になったので魔王に言ってミネスを連れて先に転移しておくように伝える。
『分かったよ。先に行くね?あ、僕はこの件処理があるから執務室に行くね!何か用事があったら念話か呼びに来てね!』
そう言って転移していった。
誰も居なくなった部屋を見回していく。
部屋の端……つまりアメーバが張り付いていた所に向かう。
するとそこには1人分の亡骸が倒れていた。
暗く、よくみないと分からないような影になるところにあったため誰も気付かなかったのだろうと思われる。
よくみると、オークの様な面影が残っており、何かに驚いたかのような顔をしている。
ここに留めておくのも何なので変な魔法や術が掛かっていないかを確認して亜空間に放り込む。
他に何も無いことを確認して、飛ぶ。
飛んだ先は先程、執務室に向かうと言っていた魔王の目の前だ。
『うわっ!!びっくりした!もうっ!何なの!僕これからお仕事なんだって!』
「まぁまぁ、落ち着け。とりあえずこれを見てくれないか?先程の部屋に残っていた遺体だ。俺はどこの誰か分からないのでな魔王なら分かると思って。」
『わかった!みなまで言わなくて良いから!安置所に行こう?そこに行けば今回の行方不明の子達のリストもあるからね。』
魔王案内の元、階段を降りていく。
5分ほど歩くと大きな扉がそびえる場所にたどり着いた。
そこからは兵達が慌ただしく出入りしており血のにおいが際立っている。
中に入ると、手前の方には軽傷に見える者達が座っており動ける余裕がある者は同僚の治療を手伝っているようだ。
少し奥に行くと寝かされている者達が増え、うめき声が鳴り響いている。
更に奥に行くと、すすり泣く声が聞こえだした。
顔にあたる部分には白い布が被せられその者の家族や関係者と思われる者が縋り付いていた。
その様子を見守っていた兵達が魔王に気付くと階級の低い者は敬礼をしてきて、1番奥に居て白板に貼った紙に向かって何かを書いていた者が周りの兵達の様子に気付き振り向いた。
「これは陛下どうかなさいましたか?」
そう聞いてきたのは白い体毛の狼の様な見た目の魔族だ。
目は金色で少し暗いこの部屋でも光って見える。




