表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/28

サミシイ

 サミシイ


 サミシイ


「誰っ!?」


 思わず美紀は声を出した。しかし何も返ってはこない。暗い自分の部屋があるだけだ。気味悪く思いながらも、美紀は眠りにつこうとした。

 美紀がうとうとし始めた頃だった。


 サミシイ


 サミシイ


 狂おしげな声が、美紀の部屋の中に響く。


「誰なの!?出てきなさい!」


 生来の気の強さから、美紀は声を張り上げた。すると、今度は声が返ってきた。


 サミシイ……


 切なげな声。美紀は問いかけた。


「何がサミシイの?」


 ひとりがサミシイ


「あなたは誰?」


 サミシイ……。一緒ニイテ。


「誰なのかわからなければ、一緒にいることは出来ないわ」


 一緒ニ……。


 段々と大きくなってくる声。もはや普通の人ではない。美紀は声を振り絞って答えた。


「あなたとは一緒にいられないわ!」


 サミシイ……!


 次の瞬間、美紀の首にヒヤリとする紐のようなものが回された。


殺される……!


 しかし、首に回されたヒヤリとするものは、首を絞める訳ではない。だが、気持ちの良いものでもない。美紀はそれを取り外しにかかった。が、首に巻き付いているものに触れない。そう思っているうちに、首に巻き付いているものは、どんどん冷えていく。


「ひっ、ひっ」


 美紀はもう声も出せない。そして、意識を失った。


 翌日、美紀は死体で発見された。死因は凍死だという。この夏にだ。しかし、検死の結果は変わらない。


 そして、美紀が住んでいた部屋。そこは以前寒さから凍え死にした人が住んでいた部屋だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ