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夢だった?

 貴大たかひろは夢を見ていた。夢の中で転んだのだ。右足が痛い。


 ふと目が覚めた。


 右足首に違和感を感じる。動かすと痛い。寝ている間に捻挫をしたようだ。病院へ行き、湿布を貰い張り付ける。朝よりはいくぶんかマシだ。


 また貴大は夢を見ていた。また転び、両膝を打ち付けた。


 目が覚めた。


 両膝が痛い。よく見ると内出血しているようだ。念のため病院へ行くと、また湿布だ。ないよりマシと、張り付ける。


 その夜、また貴大は夢を見た。左腕を車に牽かれたのだ。


 そして、目が覚めた。


 左腕が痛い。病院へ行くと、骨折していた。


 何かがおかしい。夢が現実に?いや、馬鹿げている。夜中にどこかにぶつけたのだろう。


 その夜、貴大は夢を見た。人食いワニに食べられる夢だ。


 翌朝。


「貴大、朝よ。あらあら随分寝相が悪いのね。休みだからってずっと寝てるんじゃないわよ」


 貴大の手足は布団からはみ出していた。右腕は左側から。左腕は足元から。右足は頭上から。左足はなかった。そして、布団に隠れている部分は……?


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