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25時
25時。午前1時。
美奈子は目が覚めた。トイレへ行き、洗面所で手を洗うはずだった。しかし、洗面台の鏡には自分の後ろに誰かがいた。
「ひっ」
思わず振り返る。そこには誰もいない。ほっとしたのもつかの間、今度は洗面台の鏡から髪の毛を引っ張られた。先程自分の後ろに立っていた女。美奈子は鏡の中に飲み込まれた。
「美奈子、朝よ」
「はーい」
いつもの光景。しかし、美奈子は影になっていた。光があれば現れることもできるが、光がなければ影も出来ない。
「ふふふ、美奈子、25時よ」
美奈子に成り代わった鏡の中の存在。25時。美奈子は心に刻んだ。
それから一年、美奈子は影から影を行き渡り探していた。そして、現れた。
その子は夜中に洗面台の前に立つ。そして、美奈子と同じように鏡に自分以外のものが写り、驚いて振り向く。美奈子は鏡の中からその子の髪の毛を引っ張った。
「洋子、朝よ」
「はーい」
25時。午前1時。鏡の前に立ってはいけない。