表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/28

どこ?

 ここはどこだろう?優子ゆうこは考える。頭が痛い。そうだ。誰かに後ろから襲われて……。


 真っ暗闇だと思っていたが、目が慣れてくると、うっすらと見えてきた。


 鉄格子。


 優子は巨大な鳥籠に入れられているようだ。そして、薄暗い部屋の隣の部屋から微かに漏れる灯り。そこから聞こえてくる音。


 ビシャ、ズルズル、ピチャピチャ


 優子の背中に悪寒が走る。逃げなくては!しかし、この鉄格子の檻はどうすれば出られるのか。

 優子は入り口をひねってみた。


 カシャン


 開いた。簡単に開いたことに拍子抜けしながらも、優子は鉄格子から出てきた。微かな灯りを元に出口を探す。窓を見ると、鉄格子が嵌められている。結局、この部屋は先程の部屋へと繋がっているだけのようだ。

 優子は恐る恐る扉に近づいた。僅かに開いている隙間から中を覗く。

 黒い床にテーブルがあり、人が食事をしているようだ。黒?違う赤黒い。ピチャピチャと音をさせている人はこちらに背を向けている。この人が自分を殴って連れてきた犯人だろうか。


 ひやり


「ひっ」


 必死で悲鳴を飲み込む。優子の肩に何かが置かれた。優子が振り返ると、男が立っていた。

 どこから!?部屋にはこの扉以外はなかったはずだ。男は優子の二の腕を掴むと、扉を大きく開けた。


「次だ」


 男の短い声。テーブルに座っていた人が振り返る。テーブルの上には人の残骸とおぼしきものが……。優子は意識を失った。


 次に目覚めた時には自分の腹から何かが飛び出していた。


 ピチャピチャ


 ああ、あの音だ。自分は今食べられている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ