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家
真理子の家はアパートの一階である。木造の古くからあるアパートだ。真理子はこのアパートが気に入っていた。元々レトロなものが好きだったからだ。しかし古いものだけではなく、新しいものも好きだ。新旧があって、その味わいが好きだった。
そんな真理子の寝床は布団ではなくベッドだった。畳の上にベッドを置いて、その味わいを楽しんでいた。
そんな生活のある日、真理子は夜に必ずする不審な音に気づいた。何かを切っているような音。キリキリと夜中に音がする。だが、夜中のある時間だけなので、真理子もあまり気にしなくなった。
不審な音に気づいてから半年あまり。相変わらず不審な音は続く。それでも眠っていた真理子。そんな真理子のベッドの床下から何かが現れた。人の頭だった。その頭は周囲を見渡すと、真理子のベッドの下からずるりと這い出した。
真理子は変死体となって発見されることになる。犯人は真理子のベッドの床下を毎夜少しずつ切り刻んでいたのである。