魔女と呼ばれた男

黒の時代。

暗黒期とも呼ばれ、魔なるモノを排他しようとしたこの時代に魔狩りが存在した

妖精、半人、魔獣、魔族に至るまで人族以外の力を持つ全ての存在を魔のモノとし徹底的に蹂躙していったのである

力の弱いものは身を隠し、力のあるものは人族に抵抗した

その中でも人族でありながら魔の力を手にした者は裏切り者とされ、少しでも異なる力があれば死刑というなんとも重い罰が与えられたのである

疑わしきは罰せよ。数多の人々が理不尽に裁判にかけられ、村や集落ごと焼き払うなどという残虐な排他行為があちこちで横行したのである


中でも男性でありながら、様々な薬を扱い森を知りつくし風と話ができるとされたある青年は森に住み人を喰らうとされ『魔女』と呼ばれ罰せられたのであった


ーーレイディン・カプリッツィオ著
『暗黒期は人々の心が生んだものである』から抜粋

これは、魔法がまだ発見されておららず、常識に囚われるあまり実際に起こった約200年も前の悲劇である

そして、これはその世界に偶然がかさなり呼び戻された彼の物語である