7・アイドルと2人きり
優愛の胸は不安とドキドキと喜びと、いろいろなものが混じりあっていた。
「ちょ…愁君!痛いってば。離し…」
愁様はそんな優愛の方を向き、優しくキスをする。
「優愛…」
その優しい声が、優愛をまた動揺させる。
「ん…人に見られたらヤバい…」
そう言う優愛の口を塞ぐように、またキスをする。
「ごめん…。俺、怒りでおかしくなりそう…」
天然パーマのかかった髪をくしゃっとさせながら言った。
二人の間に沈黙が流れる。
その沈黙を遮るかのように、優愛は言った。
「あの、学校案内…ですよね?行きましょうよ!」
そう言う、優愛に愁様は優しく微笑みながら頷いた。
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「ここが図書室で、ここが職員室です…って聞いてますか?」
退屈そうに欠伸をする愁様に、優愛は腹立ち紛れに言った。
「ごめん。もう、学校案内…担任からしてもらってるんだよね」
「じゃあ…何で学校案内なんかさせるんですか!!!」
少し怒った口調になる優愛を愁様は抱きしめながら言った。
「だって、クラスじゃあんま話せないじゃん。こんなこともできないしさぁー」
彼はすねた顔をして言う。優愛は胸の鼓動がばれない様に必死で隠した。
「あんま抱きつかないでください!もう教室戻りますよ」
優愛は大股で教室に向かう。そんな優愛を不満そうな顔で見つめる彼も優愛の後を追いかけて行った。
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帰り道…一緒に帰ると言う愁様を振り切って、一人で帰る優愛。
今日もごたごたした一日だったなあ…と一日を振り返る優愛の前に大型のワゴン車が突っ込んできた。
「お前が紀藤優愛だな」
そういわれた優愛の前に大柄な二人の男性が現れる。
そして、後ろから何かを嗅がされた。
な…に…コレ。頭が痛い…。
優愛はたちまち深い眠りに堕ちていった。
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続きも書くので読んでください。