2・アイドルはS過ぎる
「すまんなぁー。驚かせてしまって」
お父さんは呑気に笑いながら言った。
「どういう事!?どうして芸能人の多田愁さんがいるの?」
「その…なぁ…。実は愁くんを1ヶ月だけ家に居させてやってほしいんだ」
途切れ途切れに言うお父さんに怪訝そうな顔を向けた。
「どうして?」
「愁くんのお母さん、俺の知り合いなんだよ。1ヶ月だけだ。なぁ?」
優愛は呆れるふりをした。心のなかでは泣きそうなほど喜んでいたが…。
「まあ、1ヶ月ぐらいなら…」
そんな優愛の手を取って、愁様は言った。
「ありがとう!優愛ちゃん」
そして、優愛の頬にキスをして、部屋を出て行った。
優愛は頬をさすりながら、うっとりした目で愁様を見つめていた。
-------------------------------------------------------------------------
「愁様と同居…一つ屋根の下で暮らす…最高っ」
優愛は自分の部屋で、ひとり優越に浸っていた。
そんな優愛の部屋がガチャリと開いた。
入ってきたのは、愁様だった。
「しゅ…愁さん!?」
「いきなり入ってごめん。あいさつ…しとこうかと思って。これからよろしくね」
愁様はそう言い、握手を求めた。優愛が握手しかえそうとしたその時、ぐいっと手を引っ張られて、そのまま壁に叩きつけられた。
愁様の顔がほんの数ミリのところにあるので、優愛の心臓はひっくり返りそうなほどドキドキしていた。
「とか言うとでも思った?よくも平手打ちしてくれたよね。君、何様のつもり?」
あまりの意外さに、優愛はつばをごくっと飲み込んだ。
「ねえ…だからさ…おしおき」
そういうと、彼は不意打ちでキスをした。
そして、イタズラっぽい笑みを浮かべて、部屋を出て行った。
優愛は胸の鼓動を抑えることができなかった。
続きもまだまだ書きます!