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カリブ海に捧ぐ  作者: 玲於奈
5/9

バミューダトライアングル

なし

夕暮れがあたりを

つつむ


これから島にわたる


もわっとした

空氣


目の錯覚か

遙か彼方に

島のようなものが見える


自由世界と

共産国


島は見えるが

生活はすごい差。

そして

そこには見えない線が引かれている

持てる者と

持たざる者。


益田が

スパニッシュを

まくしたてている

何かチケットにトラブルが

あったのか


外国語でけんか。

すごい

怒りながら

次に何をいうかなんで

考えられない


さすが、国際課エース。

実に頼もしい。

タバコも買えない

私の外国語。


海はあたたかいのだろう

傍目にホテルのビーチを

見れば

自由世界では

某大国の富が集う


何も決意はないが

私たちは海を渡る

多くを語らないが

益田には

強い決意があるのだろう


かつては消える海域と言われた

バミューダトライアングル

夕暮れで

鈍い色の波がくだける。


やっと決着がついたのか

益田が高揚した顔で

戻ってくる

日本人だとふっかけてくる

ぶつぶつ言っている


そうなのだ

正義はない

あるのは賄賂


なんとなく

わかるが

彼らもそれがないと

生きていけない。


持てる者に払ってもらう

その生き方


南米系のなんとかなるさ。

私にはそれがいいのか

彼らをしばることなのか

わからない


船はにぶい音を立てて

岸を離れた

益田が

階上のバーに誘う


悲しくもあるが

ドルの前に敵はない


暮れゆく夕日を眺めながら

ビールを飲む

ややぬるい。

冷たいビールに

あこがれるが

これでもいい方だと

益田は言う


夕日を見ながら

やや悲しそうに

船室が雑魚寝になったと

ぼそっと

伝える。


いたしかたあるまい。

なし

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