第20話 王太子オルランド ⑥
婚約者もいないし、クラウディアがソニアを虐めることもないまま……、というか、クラウディアといがみ合うどころか会うことすらないまままもなく卒業式。
『原作』との乖離が大きすぎる。
このままではダメだ……と、悩んでいるときに、ソニアが天才的なアイディアを告げた。
「別に、婚約破棄じゃなくてもいいと思うんですよ! オルランド様が、クラウディア様を『断罪』すれば、クラウディア様が反論くらいするでしょう? だから、それをテキトウに咎めて、クラウディア様を追放とかすればいいんじゃないですか?」
婚約者になって、その婚約を破棄して……ということにこだわっていたが、そうだ、婚約は別にしなくてもいいではないか!
必要なのは、悪役を断罪して、追放し、私とソニアが正義であり、クラウディアが悪だと皆に知らしめればいいのだ。
そうだ。追放の理由など何でもよい。
例えば、クラウディアの実家のフェルナンデス侯爵家が税金を誤魔化していたでも、人身売買をしていたでも。
なんでもいい。
「今からなんらかの罪を捏造してみるか……」
「いえ、捏造はダメですよ。調べられたら、こちらが不利になってしまいます」
「そ、そうだな……」
ではどうしようか。
「ソニアに何か良いプランはあるか?」
「具体的にこれというものはないのですが、えーと、大まかに、クラウディア様がオルランド様に不敬を働いた……というのが良いんじゃないかなーと」
「不敬罪! それだっ!」
さすがソニアだ。
イケる。それならどんなことでも口実になるだろう。
ふっふっふ。
私はソニアと共に、計画を練った。
見ていろクラウディア。
『原作』通りに、キサマを排し、そして、この手でしあわせを掴んでみせるとも……!




