第5話 「やっぱり、あたしは」
(あれから……時間が巻き戻ってから、そろそろ3ヶ月……か)
海老原さんの提案で、みんなと晩ご飯を食べた帰り。
鱓野さんが寄りたいと言い出したゲームセンターの隅っこで、あたしは手帳を開いていた。少し離れたところに置いてあるクレーンゲームでは、鱓野さんと紗蘭さんが交代で遊んでいて、海老原さんはそれを眺めている。
今あたしたちがいるここは、クリスマスの時に鱓野さんと遊んだゲームセンター。それを思うと、あたしはどうしても遊ぶ気にはなれなかった。
(みんなには申し訳ないけど、ね)
溢れんばかりの笑顔でクレーンゲームに夢中になっている3人に向けていた目線を、また手帳に戻す。
開いているのは、自殺の直前……つまり2021年の1月3日に書いた遺書。その次のページの日付は、2020年の7月3日になっている。もちろん書き間違いなんかじゃない。
自殺したあと、もう開くことはなかったはずの目を開けると……そこは大学の中庭だった。年明けとは到底思えない夏特有の湿った熱気の中、時間帯によっては木陰になるお気に入りのベンチに、あたしは座っていた。
その隣には……降り注ぐ陽光に負けんばかりの眩しい笑顔で話しかけてくる、鱓野さんがいた。
当然のことだけど、脳内は数秒も経たずに大混乱に陥った。あたしは家にいたはずだし、憑印が刻まれた手首は痛みどころか傷すらなかったし、身にまとっていたのは部屋着じゃなくて普段着だったし、酷い有様になっていた見た目もいつも通りだったんだから。
何より……死んだはずの鱓野さんは、あたしを大嫌いと拒絶したことなど忘れたかのように、よく知った普段通りの態度で接してくる。そんな風に何もかも突然変わりすぎて、何が起こっているのか分からなくて、鱓野さんの顔すらマトモに見られなくなるほど狼狽えた。
そんなあたしを、鱓野さんはひどく心配してくれた。彼からすれば、急にあたしが挙動不審になりだしたわけで、多分彼も困惑していたと思う。何だったら少し、あたしの態度に傷ついた様子も見て取れた。
でもそれ以上に頭がぐちゃぐちゃだったあたしは、ミニリュックを抱えて鱓野さんから逃げるように……というか完全に逃げ去って、その足で家を目指した。
駆け込んだリビングダイニングを見て、あたしは気づいた。自殺の直前、あれだけ荒らしたリビングダイニングの中が、全て元通りになっていたことに。
床にぶちまけたアイスティーは冷蔵庫の中に、散らかした本や文房具はデスクの上に整然と並んでいた。叩き割ったはずのテレビの液晶には、ヒビすら入っていない始末。まさかと思ってチャットを見たけど、山の如く届いていた未読メッセージは、受信の形跡もなく綺麗さっぱり消えていた。
そこに至って、ようやくあたしは気づいた。スマホの日付が、2021年の1月3日ではなく、2020年の7月3日を示していることに。
冷えつつあった頭は、やがて自然と結論を導き出した。本来なら絶対にありえない、でもそうとしか考えられない、荒唐無稽にも程がある結論。
何故かは分からないけど、半年くらいタイムリープして、全てがなかったことになったのだ。あのクリスマスのことも、鱓野さんと紗蘭さんの死も……あたしの自殺も。
……けど、1つだけ例外があった。
(この手帳だけ、1月3日のままなんだよね……)
表紙に青い石の装飾がなされた、ページが尽きない不思議な手帳。これに記した内容だけは、何も変わっていなかった。
人の死すらなかったことになったのに、何でこの手帳だけ免れたの? そもそも何でタイムリープなんてしたの? やっと実家から開放されたと思ったのに、何で、何で。何で?
手帳とにらめっこしながら、寝食を放り出して考えた。頭の中を片っ端から書き連ねていくページには疑問点ばかり増えて、なのに答えは一向に出てこなくて……。
その内、だんだんとタイムリープしたことより死ねなかったことの方が脳を埋め尽くして、しまいには「もう一度死に直せば今度こそ死ねるんじゃないか」なんて馬鹿なことまで考え始めた。
まぁ、それを実行には移さなかったから、今こうして生きているわけだけど。
(というより、移せなかったの方が正しいかな……)
手帳から顔を上げると、何かゲットして喜んでる様子の鱓野さんと、それをジトーッと見つめながら頬を膨らます紗蘭さんを慰めている海老原さんが視界に入った。
実行できなかったのは、思考に没頭するあまり何日も大学を欠席していたあたしの家に、みんなが突撃してきたからだ。
世界の終わりとでも言わんばかりに焦りまくっていた海老原さん、あたしを見るなり泣きながら抱きしめてきた紗蘭さん、騒がしい2人とは対照的にずっと不安まみれの顔をしていた鱓野さん……。
みんなのアポなし訪問に呆然としていたら、紗蘭さんにお風呂に放り込まれ、その間に海老原さんが部屋を掃除してくれて、お風呂から上がる頃には鱓野さんが買ってきたご飯がダイニングスペースのテーブルに並んでいた。
そうして無断欠席と、いつの間にか大量に届いていたチャットに気づかなかったことを叱られつつ、みんなでご飯を囲んでいる内に……。
気づいたら、死に直そうなんて気は微塵もなくなっていた。
実家の呪縛まで元通りになったとしても、鱓野さんと紗蘭さんも戻ってきてくれた。まだ死なないでいようと決める理由は、それだけで十分だった。
(不思議だなぁ。実家の存在は死ぬ理由にすらなるのに、鱓野さんたちがいるだけで生きていたくなる。……どっちも同じ異憑なのに)
正直な話、あたしは種族の括りで言えば異憑……特に神憑が好きになれない。
実家はもちろんだけど、それ以外の場所でも異憑には散々な思いをさせられてきたから。神憑に関しては、完全に実家のせいだけど。
でも、高校から付き合いのある紗蘭さんは霊憑だし、鱓野さんはその特に好きじゃない神憑だ。鱓野さんが能力を使っているところは見たことないし、どんな神を憑依させているのかも知らないけど。
本当に不思議だ。異憑とは絶対相容れないとまで考えてたのに、数少ない友人たちのほとんどは異憑なんだから。こんなに種族を気にせずにいられる友人ができるなんて、昔のあたしだったら想像もつかなかった。
唯一あたしと同じ無憑の海老原さんは、あたしより年下なのに兄様よりもよっぽどお兄ちゃんみたいだから、友達というよりは兄妹みたいな感覚だし。
海老原さんには、真璃愛さんという血の繋がった妹がいるのに。
(そういえば、真璃愛さんがいないのは、あの時もだったっけ……)
今もそうであるように、海老原さんたちが突撃してきた時もいなかった真璃愛さん。あの時はみんなの帰り際に戻ってきたけど、今はまだ姿すら見えない。
あの子の見た目は遠巻きからでも目立つから、戻ってきたならすぐ分かるはずだ。本当、こんな長い時間、どこに行ってるのかな……。
「君、ちょっといいかな?」
「?」
声がした方に振り向くと、そこに立っていたのは2人の警察官。片方は20代後半くらい、もう片方は40代半ば程度の男性たちだ。
……どうしよう……誰かに声をかけられるなんて、思ってもみなかった。知らない人、苦手なのに……。
「もう夜の8時回ってるけど、ここで何してるの? 保護者の方は?」
「えっ……。い、いや……あたしは、その……友達、と……」
「親御さんいないの? じゃあダメでしょ、ゲームセンターにいちゃ。今すぐ帰りなさい。お友達はどこ?」
「えっと、あの……と、友達は──」
「こんばわ〜お巡りさんっ。この子、俺のツレなんですけど、何かありましたぁ?」
「わ……鱓野さん」
クレーンゲームの方を差そうとした時、いつの間にかあたしの背後にいた鱓野さんが、あたしの頭に手を置きながら話に割って入ってきた。そのままあたしを庇うかのように、鱓野さんの身体へ軽く引き寄せられる。
そんな彼の後ろには、海老原さんと紗蘭さんもいる。
「あー、君たちがこの子の友達? じゃあ全員早く帰りなさい。未成年だけでこんなとこにいていい時間じゃないよ」
若干面倒臭さが混ざった態度でそう吐き捨てる若い警察官の隣で、年上の警察官は鱓野さんを見てひどく驚いた表情をしていた。……いや、よく見ると驚きを通り越して狼狽えているような……何ならちょっと怯えているようにすら見える。
鱓野さんが常人離れした身長だってことを加味しても、警察官がただの一般人にする反応とは思えない。一体鱓野さんが何だと言うんだろう。
「そー言われましてもねぇ〜俺ら全員18歳超えてっし? なぁんも問題ないと思いまーす! なー紗蘭?」
「ふふっ……ええ、全員大学生なので問題ないですね、仁君」
「あのねぇ……あんまり大人をからかうもんじゃないぞ。君らはともかく、この子はどう見たって中学生──」
「そこまで言うなら、お巡りさんたちの勘違いだったようだね。すまなかったね、君たち。……おい、行くぞ」
「えっ⁉ 急に何すか、先輩! せめて身分証の確認──」
「後で説明してやるから、早く来い」
どことなくあたしたちから逃げ去るように、足早に離れていく年配の警察官。その後を急いで追いかけていく若い警察官。
そのまま2人は、こっちを見ることなく店外へと消えた。
(悪かったね、どう見ても中学生で。どうせあたしみたいなチビは21歳には見えませんよーだ)
「話分かる人で助かったわ~。だいじょーぶだったぁ? エルちゃん?」
「あ……うん。ありがとう、助けてくれて」
「どいたま~! ……まーでも、遅くなっちまったのは事実だから、そろそろ帰るとすっかぁ。お目当てのヤツは無事ゲットできたしっ」
「ですね」
「仁君、次は負けませんからね!」
「お~? いつでも受けて立ってやんよっ」
満足そうに笑いながら歩き出す鱓野さんに続く形で、あたしたちはゲームセンターを出た。駅に向かう道すがら、わいわいと賑やかな鱓野さんと紗蘭さん、それを微笑ましそうに見守る海老原さん。そんな光景を見ているだけで、あたしも楽しくなる。
……それはそれとして、鱓野さんが小脇に抱えている黒いクッションのような物が気になる。大柄な彼が抱えるからクッションくらいのサイズに見えるけど、多分抱き枕代わりに使えそうなくらい大きい。
「ねぇ鱓野さん、それは?」
「あ~これぇ? 紗蘭とどっちが先に取れるか競って、5000円かけてやーっと取れた猫ちゃんぬいぐるみ! もっふもふで手触り抜群なんだぜ~。どお? かわいーっしょ?」
じゃーん、と見せびらかしてきたのは、猫を模したデフォルメ調の大きいぬいぐるみ。胴体部分にはちんまりした手足がついていて、両手を前に突き出して座るような体勢になっている。
そういえば鱓野さんって、前から猫好きだったな……。初めて猫と戯れていた光景を見た時は、体格とのギャップで風邪引くかと思ったっけ。
「……そういえば、最近警察が増えてないかい? 特に夜になると、あちこちにいる気がするのだけれど」
周囲を見回す海老原さんが、そんなことをポツリと呟いた。
つられてあたしも見渡してみると、確かに妙に多くの警察官が巡回していたり、通行人を観察するように立っている。そこかしこに、というほどではないけど、やっぱり多いと感じるくらいには目につく。
「っあー…………なぁんかちょっと前から物騒なコトなってるっぽいぜぇ? ここら辺、意外と危ねぇ組織多いんだわ、ヤクザとかさ。そーゆーのがピリピリしてっと、警察もさっきみてぇにピリつくわけよ。だから海老君たちも、変な事件に巻き込まれねぇよう気ぃつけろよ?」
「へぇ……やけに詳しいんですね、先輩」
「まぁね〜。こー見えて結構顔広いんだぜ~俺」
「高校時代は僕以外の話し相手すらいなかったのに?」
「それとこれとは関係ないで〜す。ってか話し相手いなかったのはお前もじゃ〜ん?」
2人の軽口をどこか遠くに聞きながら、あたしはふと思い出す。
(そういえば……前回の今頃もだっけ、街中の警察官が多くなったの……)
鱓野さんたちの付き合いが悪くなった頃と、街の雰囲気が少し物々しくなった頃。この2つの出来事は前回の今くらいの時期にもあって、その時もほとんど同じタイミングで起こっていた。
まさかとは思うけど、この出来事が重なっているのは何か関係が……? ……いや、いくら同時期のことだからって、流石にそれはこじつけかもしれないけど……。
でも、もし……もしも、関係があったとしたら……。
これが、前回の鱓野さんたちの死に繋がっていたとしたら──。
「……ーい。おーい、エルちゃんってば!」
「!」
考え事に没頭していた意識が、鱓野さんの声で引き戻された。
鱓野さんはあたしの顔を覗き込みながら目の前で手を振っていて、海老原さんと紗蘭さんも心配と書いてある顔であたしを見つめている。
「駅着いたけど、だいじょーぶ? どっか具合悪い?」
「エル先輩、何かあったらすぐ言ってくださいね? 何度も言ってますけど、遠慮はいりませんので」
「大丈夫、ちょっとぼーっとしてただけ……ごめん」
「謝らなくていいから、隠すようなことだけはしないでくれ。君はすぐ抱え込んでしまうきらいがあるから、心配になるよ」
「うん……でも、本当にぼんやりしてただけだから」
「そのぼんやりが多いから言ってんの!」
「う……」
「……まぁ、何ともないのならいいのだけど。それじゃあ、僕はこれで」
「私も帰ります。お2人とも、また大学で」
「うん、またね」
「気ぃつけて帰れよ〜」
改札を潜った先で、海老原さんは手を振りながら、紗蘭さんは会釈してホームの方に去って行く。使っている路線が違うから、2人とはここでお別れだ。
(結局戻ってこなかったな、真璃愛さん……)
あの子の身に何かあった……とは考えにくいけど。だとしても、あまりに長い間、海老原さんのそばから離れていては流石に心配になる。
せめて連絡手段の1つでもあればな……。でも、仮にスマホを渡したとしても、何の意味もないし……。
「エールちゃんっ」
「……うん?」
「うりゃっ」
「ふぎゅ」
鱓野さんに呼ばれて振り向くと同時に、真っ黒でもふもふな何かを顔に押し付けられて視界を覆われる。息苦しくはないけど何事かと思って、そのもふもふを掴んでどけた。
それは、鱓野さんが持っていた黒猫のぬいぐるみ。彼も言ってたけど、確かに手触り最高なもふもふで、ぎゅっと抱きしめてみると思わず顔が緩んじゃう。
……って、そうじゃなくて。
「……またイタズラ?」
「だったら、もっと手ぇ込んだことするわな〜! ……エルちゃんさ、なーんか悩んでんだろ、ずっと」
「え」
「前髪であんま見えねぇけど、眉間に皺寄ってんの分かるよ。ずーっとそんな感じの顔してんもん。何か思い詰めてる感じの顔」
……言われてみれば、そうかもしれない。
結局タイムリープの理由は分からないままだし、それは鱓野さんたちの死についてもそう。
あたしやみんなの周囲で起こった出来事を、キリがないと分かっていても関係あるんじゃないかと疑ってしまう。
真璃愛さんの不在のような、覚えのないことが起こった時も。
「何悩んでんのかとか、そーゆーのは言いたくないなら聞かねぇ。けど、あんたにゃそんなむっずかしー顔、似合わねぇよ。ぬいぐるみ抱っこしてふにゃ〜ってなってるくらいが、ちょーどいいのっ」
「う……」
顔緩んじゃってたの、しっかりバレてた……恥ずかし……。
「……あげるよ、それ」
「えっ……でもあなた、これ取るのに5000円って……」
「よーく考えたら、俺みてぇなタッパでけぇのがぬいぐるみなんて持って帰ったら、ウチの奴らに笑われちまうわ! だからエルちゃんが貰ってやってくーださいっ! そんな大事そーに抱っこしてんだし、気に入ったっしょ?」
「…………まぁ、割と好きだけど」
「んじゃ、問題ねぇな! また思い詰めそーになったら、それ抱っこしてふにゃ〜ってなっといてよ! そーやってちょっとでも幸せになってたらさ、ほら、いつか自然と笑えるようになるかもしんねぇじゃん?」
自分の口角を指で押し上げ、ギザギザの歯を見せながらニカッと笑う鱓野さんを見ると、つられてこっちまで笑えそうな気がしてくる。
本当に気がするだけで、実際笑えたことはないのに……何で鱓野さんの笑顔は、こんなにも温かいんだろう。
「だからさぁ……7月の頭みたいに、急に来なくなるとかナシな?」
「……うん」
あなたも、紗蘭さんも、ね。
「ほんじゃ、俺もそろそろ帰るわ! エルちゃんも気ぃつけてけよ、またな〜!」
「うん、またね」
笑顔で踵を返した鱓野さんは、彼が使う路線のホームへと去って行く。その背中が見えなくなった頃、彼がくれたぬいぐるみへと視線を落とした。
「……気遣ってくれた……の、かな」
相変わらず軽快で飄々とした彼は、明るい笑顔を隠れ蓑にして本心を掴ませてくれない。けど、その温かい笑顔と優しさは、どうしたって嘘偽りには見えなくて。
……だから、つい希望を持ってしまう。
あたしを大嫌いと言ったのは、やっぱり本心じゃなかったんじゃないかって。
「……だからって、どう思われてるのか確かめる勇気なんかないけどさ」
いざ確認して、やっぱり大嫌いなんて分かったら……今度こそ、あたしは生きていけなくなる。時間が巻き戻ろうが、鱓野さんたちが死ななかろうが。
……でも、仮に、万一彼が本心からあたしを嫌っていたとしても……。
「……死んでほしくないなぁ、やっぱ」
ぬいぐるみを強く抱きしめながら、誰にも届かない声でポツリと呟く。
死んでほしくない。鱓野さんも、紗蘭さんも。例えあたしの前からいなくなりたいのだとしても、何もこの世からいなくなったりまでしないでほしい。
……ふと、海老原さんが言っていたことが脳裏を過ぎる。
─何かしらの形で足掻き続けることで、いずれは自分や身近な誰かを取り巻く未来を、ほんの少しでも変えられるなんて……。そんなこと、可能だと思うかい?─
前回の海老原さんは言ってなかったはずの、あたしに縋るような……あの言葉。
足掻き続ければ、未来を変えられるか……。
そんなこと分からない、けど。
「変えたいよ……変えられるものなら」
目も当てられないほど壊れた日常を、2人が辿った悲惨な末路を。
あたしなんかに何ができるか、分からないけど。
「……それでも、足掻いてはみよう」
2人がいなくならずに済む可能性があるのなら、そのためにあたしは何だってできる。
そう、きっと──何だってできるから。