第2話 時間と記憶
本の半分辺りまで読んだところで目に入った、"タイムスリップを起こすのは超常種かもしれない"という見出しのページ。
そこに見入っているあたしに気づいた真璃愛さんが、不思議そうにあたしの顔と開いたページを見比べている。
「どうしたの? 何か気になるものでもあった?」
「あ、ちょっとね……」
「ふぅん?」
ページを食い入るように注視しだした真璃愛さんにつられるように、あたしも件の見出しとその下の本文に目をやった。
速読を一旦中止して、じっくり文字と内容を追っていく。
“超常種がタイムスリップを起こす……。そんな馬鹿な、と思うかもしれない。無論全ての超常種がそのような芸当をできるわけではなく、ここでいう超常種とは神のことである。
基本的知識のおさらいになるが、超常種の中で動物霊と妖怪は憑渡師と呼ばれる憑依の仲介役を通して憑依させる儀式、憑渡によって異憑と憑依の契りを交わす。
それ故、憑渡師には憑渡されていない動物霊や妖怪を知覚し、使役する素質が必要となる。
この素質はごく一部の人間にのみ発現するものであり、憑渡師を志ざせるのも素質を持つ人間に限られている。
そんな超常種や憑依のエキスパートと言って差し支えない憑渡師にも、手に負えない存在がいる。それが神だ。
そのため、神憑が神を憑依させるには、憑渡師を介さずに神と直接契りを交わす必要がある。その代わり、得られる能力のほとんどは霊憑や妖憑とは比較にならないほど強力であり、一説には永遠の命を授けた神すらいると云われている。神が超常種の最高格と呼ばれる所以は、このような伝承が数多く存在するからである。
そんな神の中には時を操る……所謂タイムスリップの力を持つ種もいるのではと、筆者は推測する。次の節からは、有識者や専門家たちの推測も交えながら追求していく。”
「……神って、時間を巻き戻せるの?」
「え、何で私に聞くの?」
「いや、神のことなら神使のあなたの方が詳しいかなって」
「え~。私、主様以外の神様との接点とか、ぜんっぜんないわよ? 主様もそんな力あるか分かんないって言うか……そういう感じの神様じゃないのよね。何かこう、神様にしては地味というか、しょっぱいっていうか……」
「……そうなんだ」
空中に頬杖をつく姿勢で、またもうんうん唸りだした真璃愛さん。仮にも自分の主だっていうのに辛辣だなぁ……よほど呼び出しばかりで不満が溜まっていると見える。
……それはそれとして。
(時間を操る神、ね……。神のことは実家で散々教え込まれたけど、これは初めて聞いたな)
特殊なルーツを持つらしい、あたしの実家。それはどうやら神と深く関わるものらしく、実家の歴史から神や神憑の細かい知識まで、知りたくもないのに習わされた記憶がにわかに甦る。
おかげで一般的じゃない神使についての知識も持っていて、大学2年の時に初めて会った真璃愛さんに対しても割とすぐ順応できた。
そんな神に関しては並以上の教養を実家は持っているのに、神が時間を操るなんて聞いたこともない。
劣等種扱いするあたしにすら教えるくらいだ、実家が知識の出し惜しみをしていたとは思えない。何より家系に関しては無駄にプライドが高いし。
(実家も知らない神の力って可能性もあるけど、真璃愛さんも知らないなら……これもアテにならないかな)
そんな考えから半分くらい読み飛ばすような勢いでページをめくっていた、その矢先。
「……ん?」
ある項目が目に留まり、めくりかけていたページを戻す。
"悪魔も時を操ることができる?"という見出しから始まるその項目に、慎重に目を通していく。
“専門家の中には、悪魔も時を操ることができるのではと考える者もいる。
筆者も考えたことはある。万一にも時に干渉できる存在が神以外にいるとしたら、それは悪魔くらいだろう、と。
超常種の中で最も謎が多く、存在すら疑われ、にも関わらず伝承や逸話は不自然なほど多い悪魔の最たる特徴は、何と言っても「召喚した者のいかなる願いも叶える」という点だろう。
仮に悪魔が実在し、伝承通りいかなる願いも叶えてくれる存在ならば、理論上は時を操ることも可能ではないか……。そう唱える識者は少なくない。筆者もその意見に概ね賛成であるが、存在も含めて立証することは現状不可能だ。
悪魔を召喚できれば簡単に済むのかもしれないが、確かな召喚方法すら失われてしまった現在では、それも困難だろう。”
「へぇ、悪魔かぁ……」
「悪魔ですって!?」
「わっ……⁉」
ポツリと呟いた直後、真璃愛さんがすごい勢いでページを覗き込んできた。いきなり目の前にミルクティー色のふわふわ頭が生えてきたものだから、思わず声が漏れ出てしまった。
少し離れた場所に座ってる利用者がギョッとした顔で振り向いてきたので、慌てて小さく頭を下げる。
利用者は首を傾げながらも自分が読んでいる本に向き直ってくれたけど、危ない危ない……気をつけないと……。
「……真璃愛さん、どうしたの? 何か気になる?」
「……何でもないわ。お兄ちゃんが普段から悪魔が〜オカルトが〜って煩いから、つい反応しちゃっただけよ」
真璃愛さんはそう言ってページからそっぽを向いて、あたしの腕を通り抜けた。
彼女は何か考え込んでいるのか、腕を組みながら床を睨んでいる。たまにぶつぶつと何か呟いているけど、距離があって聞き取れない。
(何でもないなんて言う割には、随分な食いつきようだったなぁ……。真璃愛さんってオカルト好きじゃないし、むしろいつもは海老原さんのオカルトオタクっぷりに呆れすらしてるのに……)
悪魔って言った途端に食いついたけど、聞いたら教えてくれるかな……なんて考えてた時。
「エル? そっちに何かあるのかい?」
隣から声がして、振り向くとファイルやら本やらを抱えながら、あたしの目線を辿って真璃愛さんの方を不思議そうに見つめる海老原さんがいた。
「あ、いや……ちょっとぼーっとしてた。おかえり」
「ただいま。君が読書中に余所見なんて、珍しいことをするものだね。あ、隣失礼してもいいかな?」
「どうぞ」
「ありがとう」
椅子に腰かけた海老原さんがテーブルに置いたのは、本の他に資料らしきファイル。全部合わせると結構な量だ。
(そういえば、今日の目当てはオカルトじゃないんだっけ。取りに行くのに結構時間かけてたけど、何持ってきたんだろう……)
今開いた大きめのファイルの表紙には“2010年〜2020年”とだけ書いたラベルが貼ってある。
何のファイルなのか気になるけど、見られちゃまずい物でも読んでるみたいに少ししか開かないから、肝心の内容は見えない。
積んだ本の背表紙から確認できるタイトルは、”東京の裏社会全貌”とか”日本のヤクザ”とか……主にアンダーグラウンドに関する本みたい。
「……海老原さんだって珍しいことしてるじゃない」
「え?」
「本のチョイスだよ。あなた、普段そういうの目もくれないでしょ」
「あぁ……ははは、まぁね……。だからほら、言ったろう? ただの調べ物だよ、気にすることなんてないさ、ねっ?」
「……ふーん……」
……もうちょっと上手く誤魔化せないものかな。怪しんでくれって言ってるのと同じじゃない、その白々しさ。調べ物だったら、そんなあからさまに中身隠したりしないでしょ。
そもそも海老原さん、アングラなんて興味ある素振りすら見せたことないのに、何で急に──。
(……あれ、ちょっと待って)
足元に置いているミニリュックから手帳を取り出し、ページを次々とめくっていく。目当ては、前回の今日につけた日記。程なくして探し当てたそれを読み進めていく。
いつものように講義を受けて、鱓野さんは先に帰って、放課後のバイト前に図書館で暇潰しに読書して、その後紗蘭さんと一緒にバイトに行った……。そんな当たり障りのない内容だ。
問題なのは、図書館のくだり。そこに、海老原さんと真璃愛さんの名前は一切出てきていない。
仮に前回も会ったなら、会ったことくらいは記憶に残るだろうし、何より当時のあたしが日記に書いておくはずだ。いつもの4人に関することは、必ず書くようにしているから。
前回の今日、図書館で2人に会った記憶も日記もない。なら、前回はここで2人と会わなかった可能性が高い。
ということは、つまり……。
(2人とも、前回と違うことをしてる……?)
一瞬どうしてって思ったけど、考えてみればそんなの今に始まった話じゃない。
海老原さんは前回言っていなかったことを言っていたり、珍しくご飯に誘ってきたりしてた。真璃愛さんはタイムリープしてから、やたらと海老原さんの近くにいない日が目立つ。
今まで「そういうこともあるか」くらいにしか考えてなかったけど、よく思い返してみれば2人だけだ。
前回とは違う言動を、自分の意志でやっているとしか思えないのは。
(少なくとも鱓野さんや紗蘭さんを始めとした他の人たちは、あたしや海老原さんが違う行動したとか、そういう誰かの影響下でしか言動は変わってないはず。……やっぱり、あたしを除けば海老原さんと真璃愛さんだけだ。自分の意志で前回と違うことしてるの)
真璃愛さんの場合は主様に呼ばれていなくなってるから「真璃愛さんが」というよりは「主様が」の方が正しいと思うけど、海老原さんは確実だろう。しかも、今回が初めてじゃない。
……こうなると、1つの可能性が浮上してくる。いや、正確に言えば前々から浮上してはいたんだろうけど、あたしが「それはありえない」と決めつけていた可能性。
だって、タイムリープ直後の彼には、そんな素振り一切なかったから。
(……まさかとは思うけど……海老原さんも、あたしみたいに前回の記憶があるとか──)
「わぁ〜めっずらしい! お兄ちゃんが新聞読むなんて、どうしちゃったの⁉ お熱ある⁉ それとも明日槍降るとか⁉」
突然鼓膜に刺さった真璃愛さんの大声に、ビクリと肩が跳ねた。
聞こえてきた方を向くと、いつの間にか海老原さんの側に戻っていた真璃愛さんが、ファイルを覗きながら海老原さんと自分の額に手を当てていた。
ていうか、そんなことしても真璃愛さんは熱とか分からないでしょ。新聞読んでいるだけで酷い言い様だし。
……でも、いつも一緒にいる真璃愛さんからもそう見えるくらい、海老原さんらしくないことしているってことだよね。裏を返せば。
(やっぱりあるのかな……前回の記憶。もういっそ本人に確かめた方が早いだろうけど……)
あくまで可能性が高いってだけだ。確証らしい確証があるわけじゃないし、何より……。
(仮に記憶があるなら、多分覚えてるよね……あたしが自殺したところも……)
今でも鮮明に思い起こせる、死に際に聞いた海老原さんと真璃愛さんの声。普段の彼からは想像もつかない、半狂乱なんて表現すら生易しく感じるほどの絶叫。……きっと、海老原さんからしたら見たくもなかった光景のはずだ。
それを思い出させる可能性だってあるのに、わざわざそんなことしてまで聞く必要があるのかと言われたら……。
「ふーん、これ地元新聞の切り抜き記事を集めたファイルなんだ。大学の図書館ってこういうのも置いてあるのね。お兄ちゃん、これ引っ張り出して何を調べるつもり?」
「……………………」
「……んー、なになに? 有力なヤクザ組織が内部抗争により壊滅…………えっ、これってここの近く──って、これ8年前の新聞だわ。それで……内輪揉めの原因は不明、組長の妻と2人の息子が死亡、難を逃れたのは当時修学旅行で不在だった11歳の長女のみ。組長は重傷を負って──あっ! ちょっと、めくらないでちょうだい! 私まだ読んでたのにー!」
「……………………」
海老原さんの肩をポカポカ叩きながら抗議する真璃愛さんの声に、海老原さんは何も返さない。
聞こえていないんだから当然だけど、それでも真璃愛さんはいつも海老原さんに話しかけるし、海老原さんの側に居続ける。
というより、海老原さんから離れすぎちゃダメらしい。主様からそういう命令を受けているのもあって、海老原さんの側にいるんだと言う。
……1回だけ、真璃愛さんに「あなたがいること海老原さんに教えようか」って提案したことがある。でも、断られた。「それだけはやめて」って、それはもう怒りと見紛うほどの必死な様子で。
何でって聞いても、教えてくれなかった。真璃愛さんのあんな剣幕を見たのは、あの時だけだ。
以来、あたしは何も言わずにいる。だから海老原さんは、知る由もない。亡くなった自分の妹が、神使として自分の側にいることなんて。
「あら、今度は6年前ね。大きな見出しだけ切り抜いてるのかしら、時期が飛び飛びだわ。……ふんふん、東京都内に遊園地が完成……あ、これもこの近くだわ! へー、こんなとこに遊園地なんてあるのね! いいなぁ〜遊園地、私もお兄ちゃんも行ったことないのよねぇ。お兄ちゃんは全然興味なさそうだし、1人で行っても楽しくないし……。ねぇ〜お兄ちゃ〜ん、1回でいいから遊園地行こうよぉ〜。ねぇってばぁ〜」
海老原さんの首に腕だけ回しながら猫なで声でおねだりする真璃愛さんを微笑ましく思いつつ、あたしもふと考えてみる。
(遊園地かぁ……あたしは行ったことあるのかな……)
今はあたしを家族と認めない両親も、あたしが無憑だと判明する前はそうじゃなかったらしい。あたしが小さい頃の話だからか、そんな記憶は一切ないけど。
その頃なら、もしかしたらあったのかもしれない。両親と兄様とあたし、みんなでどこかに遊びに行ったなんてことが。
……まるで、さも普通の家族かのように。
「……今じゃとても考えらんないけどね」
「ん? 何か言ったかい? エル」
「……ううん、何でもない」
そう、とだけ言って海老原さんがまたファイルに向き直った時、テーブルに置きっぱなしだったあたしのスマホが振動した。
画面を点けると、チャットアプリの新着通知が届いていた。紗蘭さんからだ。
《エル先輩、お待たせしました!
講義終わりましたので、一緒にバイト行きましょう!》
スマホの時計を見てみると、確かにもう放課後になっていた。いつの間にそんなに経っていたんだ。
アプリを立ち上げて紗蘭さんとのチャット画面を開き、返信欄にメッセージを打ち込んでいく。
《じゃあ、正門で落ち合おっか》
《もう、可愛い後輩をちょっとくらい労ってくれてもいいじゃないですかぁ!
さっきの講義、とーっても大変だったんですよ?
なのに冷たくされちゃったら、あなたの後輩は寂しくなっちゃいます》
《ごめんね、そんなつもりないから拗ねないで。
講義お疲れ様、今日も頑張ったね》
《ありがとうございます!^^
エル先輩もお疲れ様です、私も正門に向かいますね!》
拗ねてたのに変わり身早いなぁ。まぁ、紗蘭さんはそういうちょっとあざといところが可愛いんだけど。
スマホの画面を消して、手帳とスマホをしまったミニリュックを背負いながら立ち上がる。
「海老原さん、あたしそろそろバイト行かなきゃだから。またね」
「そうか、頑張ってね」
「えぇ~もう行っちゃうの? エルさんがいてくれないと寂しいわ……バイトなら仕方ないけど……」
海老原さんにしがみつくような体勢のまま、真璃愛さんは口を尖らせながら可愛らしいことを言ってくれる。
だからせめて「また明日お話ししようね」くらいは言いたいけど、すぐ側に人がいる間は話しかけられない。それがいつも申し訳なくなってしまう。
「あ、エル。君が読んでいた本、置いといてくれるかい? あとで一緒に戻しておくから」
「いいの? ありがとう」
「また明日ね」
「うん、また明日」
「エルさん、またねー!」
海老原さんと、真璃愛さんにもバレないようにこっそり手を振って、図書館を後にして足早に正門を目指す。
……海老原さんが前回の記憶を持っているのか確かめるのは、もう少し確信を得てからにしよう。今はバイトの方が優先だし。
中庭を抜けて正門に到着すると、門の近くに立っている人影が見えた。紗蘭さんだ。こっちに背を向けて、あたしには気づいていない様子。
……そんな無防備な彼女を見ていると、ちょっとだけイタズラ心が湧いてくる。この前鱓野さんと結託して驚かせてきたんだし、ちょっとくらいなら仕返ししても許されるよね。
断じてさっき海老原さんに驚かされた八つ当たりなんかじゃない。断じて。
抜き足差し足で紗蘭さんの背後に近づきつつ手を伸ばし、あと少しで紗蘭さんの肩に手が届く……と思った瞬間。
「忍び寄ってきてるのバレバレですけど、私にイタズラのつもりですか? 可愛らしいことしますねー、エル先輩?」
こっちに振り向きすらしていない紗蘭さんに名指しで話しかけられ、一瞬で全身が金縛りに遭ったみたいに固まった。
そこでようやく振り返った紗蘭さんは、あたしの顔を見た途端、口元を右手の指先で隠しながら上品にクスクス笑いだす。
「……ねぇ、あなたやっぱり背中に目でもついてるでしょ。そうじゃなきゃおかしいよ、後ろから近づいても毎回気づくなんて」
「ふふ、エル先輩が分かりやすすぎるんですよ。私の背後を取ろうだなんて100年早いです。バレると分かってるのにイタズラするなんて、先輩ってば本当に可愛いんですから~!」
「ふぎゅっ」
満面の笑みであたしを抱きしめて、ついでに頭を抱えながら撫で回してくる紗蘭さんは、何故かどんなに気をつけて忍び寄ってもあたしに気づく。
彼女曰く「気配と息が殺しきれてないからすぐ分かる」らしいけど、紗蘭さんの探知能力が鋭すぎるだけだと思う。理不尽だ。
ついでに、紗蘭さんがあたしより10cm以上も背が高いのも理不尽だ。あたしの方が1つ年上なのに。
おかげでこんな風に可愛い、可愛いって言われまくるし、抱きしめられる度に彼女の豊かな胸元に顔が埋まって苦しい。紗蘭さんが頭を抱えてくるせいでもあるけど。
「むぐっ……ぷは! 紗蘭さん、人目のあるところではやめてってば。あと、こんなことしてる場合じゃないよ。早く行かなきゃ」
「あぁ、そうでしたね。遅刻したら、お仕置きに蹴り飛ばされちゃうかもしれません」
「従業員にはそんなことしないでしょ、店主さん」
「分かりませんよー? この前も、怒ってお店のテーブルを蹴り壊したばっかりじゃないですか」
「あれはあたしたちが悪いわけじゃ……ていうかフォローしようよ、仮にもあなたのお父さんなんだから」
「あ、確かにそうですね。あの人が壊さなかったら、私が蹴り飛ばしていたところでした」
「それはフォローって言わない」
相変わらずお淑やかな笑顔に似つかわしくない物騒発言をする紗蘭さんと一緒に、あたしは店主さんが待っているであろうバイト先へと足を向けた。




