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3 書棚

掃除をしながらも目の端に紙束が映り込んでくる。

掃除を中断して紙束の方に歩み寄っていく。

(こんな状態だと掃除させないのも納得がいく、いっそすべて燃やしてしまいたいが、私が肉体から離れて人格が戻った時に、大いに落ち込みますます引きこもりにさせかねないぞ、とりあえずベッドの下に入れておくか)

私はそう思って膝をついてベッドの下をのぞき込む。


「もうすでに大量に入っていますわ!!」

(これではメイドに部屋の掃除をさせるわけにはいかぬ、ええいどこかにしまう場所は・・・どうだ!堂々と書棚に入っていれば逆にいいのでは!?)


私はメイドを呼んで新しい書棚を持って来させた。

「ここでよろしいですか」

「ええ、よくってよ」

「その紙束をお入れになるのですか?」

(そこの返事までは考えてなかった、どう返答すれば無難に着地できるんだ、考えろ!)


「・・・そうですわ、これは人間関係を研究、分析している論文のようなものですの、だからお触りにならないでね」

「そ、そうでしたか、そのように高尚なたしなみを、感服いたします」

「ふふ、ありがとう」


そうしてメイドは出て行った。

「よし、良くおさめられましてよ、人間関係の研究とは何も間違っておりませんし」


(さて、記憶があいまいな以上は文献で知識を仕入れる必要があるな、元々私はこの惑星の文化を知るために派遣されたのだから、これが本分と言ってもおかしくない)

だが書庫の場所が分からない以上、またメイドに聞かなくてはならないが、先ほど自室の場所を聞いたばかりでは相当怪しまれる。

何か良い手がないものかとしばらく考えた私はメイドを呼ぶことにした。


「誰か、だれかおりませんこと」

私が叫ぶとすぐにメイドがやってきた。

「書庫で調べたいものがあります、量も多いので手伝ってくださいまし」

そう言われるとメイドは先に立って歩き出した。

(しかし広い屋敷だな、これなら書庫の蔵書量も期待できる)


しばらく進むとメイドは一つのドアの前で停まり、扉を開けた。

私は中に入り見回した。

(うむ、予想通りだ、位の高い人間は書物を多く所持しているもの、惑星が違っても同じだな。


私はこの領内に関する書物を片っ端から取り出して積み上げた。

「この本を私の部屋に運びますわよ」

そう言って本を持ち上げるとメイドが慌てて言った。

「お嬢様に持たせるなんてできませんよ、もう一人メイドを呼びますから」


「いいこと、貴族と言っても自立した行動が求められますわ、近い将来それは必ず身になるはずでしてよ」

メイドは納得した様子で本を運び始めた。

「お嬢様、お部屋のお掃除と言い、書籍のことなどと言いやはり例の件を気にして・・・」

「例の件とは何ですの?」

「いえ、なんでもありません」

それっきりメイドは黙ってしまった。


(例の件、とか気になることを言ってるけどなんなのだ、すごい気になるのだが、知っていて当然みたいな空気だったし、例の件って何ですの?なんて言えやしないぞ)


私の前途は多難だ、どうか変な地雷を踏みませんように。

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