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14 エーテル濃度

ユーリスの精神が私を侵食しているのではないかとの疑いがもたれてから、シップを書庫モードにして資料を検索していた。

通常の書庫モードは母星でネットにつながる膨大なデータベース、アカシックに接続されているが、その一部をシップにダウンロードして持ち出している。


だが今回のような他人との精神接続の内容は多くなかった、実験では5例が報告されており、うち3名は死亡していた。


「国とこの惑星とは大きく文明差がありますが、精神接続はこちらの方が先を言っていると言うことですの?」

私はつぶやきつつシップの書庫モードを解除した。

(しかしこのままだと、精神浸食がすすみ私とユーリスの精神が混在した状況になってしまう、だが今現在身体の融合を解除するとユーリスは死亡してしまう、もうすでにこの世界に馴染みつつある私にはそれは出来ない)


メイドが昼食の知らせをしに来たので食堂に向かうと、すでに両親は着座していた。

父親は執事と何かやり取りをしているが、背後にうっすらと薔薇の花が見える。

(まずい!確実に精神接続が進んでいる!BLの方も出てきやがった)

メイドが運んでくる料理を食べながら、今現在、私の身に起こっていることを整理してみた。


(まずこの惑星のエーテル濃度が飽和状態であったことからシップは墜落した、それからユーリスが瀕死になり、生命維持のために私は彼女と融合した・・・エーテル濃度)


「エーテル濃度ですわ!!」

私はそう叫んで椅子から立ち上がった。

「ごめんあそばせ、急用を思いつきましたので自室に戻らせていただきます」

食堂から自室に戻る間にヒソヒソ話をしているメイド二人がキラキラして見えた。

何なら花も見えている。


シップを詳細設定モードにする。

(エーテル濃度だったんだ、通常では精神接続の過多は怒らないはず、この星ではシップのエーテル濃度を低く設定しないといけないんだ)


私はさっそくエーテル取り込みの段階を母性のそれに合わせて設定して首にかけた。

(これならばシップを通して体内に入るエーテル濃度を調整してくれる、おそらく精神接続は収まるはずだ)


ドッと疲れた私はそのままベッドに倒れ込んだ。

眠ってしまったのだろう、メイドのノック音と夕食を知らせる声で目を覚ました。


(あれで精神接続を防げているのだろうか、メイドの様子でも見てみよう)

二人並んだメイドからは何も発されていない。

食卓に着いて執事と父親のやり取りを見ても薔薇の花は浮かんでこない。

(やった・・・良かった、私は心の中で両手を天に掲げた。

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