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12 ピルム

学校でイジメの問題が解決してしばらくするとクラス内の空気が変わった。

全体的に明るくなり、私に話し掛けてくる者が多くなっていった。

その中で良く話し掛けてくるのはピルムと言う少女だった、明るく素直な性格だ。


「あの三人がいろいろと嫌なことしていてさ、クラスを仕切っちゃっていたの、だからユーリスさんがやり込めた時はスカッとしちゃった」

彼女は貴族らしからぬ俗世的な言葉を話す、平民らしく、成績が良いからこの学校に入れたらしい。


「そろそろ、さん、を付けなくてもよろしくてよ、ユーリスでかまいませんわ」

私がそう言うとピルムはうれしそうにしている

そうこうしているうちに先生が入ってきて、授業内容を発表する。


「この時間は野外で魔法修練の時間とする」

先生がそう言うと


全員外に出て中庭に集まる、中庭は魔法修練場になっていた。

「ではまずみなさん、魔法を練り上げましょう」

(こまったな、ユーリスは魔法が使えないことになっているはずだ、どうしよう)

「あれ、ユーリスは見学じゃないの」

「きゅ、休学中に研究して古代魔法を身に付けたの」

「古代魔法!?すごいじゃない、努力してたんだね」


「おや、ユーリス君、君は魔法が使えないんじゃなかったのかね」

「そうなんですよ先生、ユーリス古代魔法が使えるんですって」

「では、披露してくれんかね」

「はい・・・」


(面倒なことになったが、ガリル家でもう見せちゃっているからいいか)


私は首からシップを外し棒状に変化させた。

「おぉ、ロッドに変化したぞ、これも古代魔法の力かね?」

「はい、状況に応じて形を変えますの、ではまず火の魔法から」

(さて火炎放射モードにしたけどどうなるか)


「火炎放射!」

(叫ぶ必要はまるでないのだが、魔法っぽく見せないと)

ロッドの先から剛爆ゴウバクの火炎がほとばしる。

(おっと、ちょいとかげんが)


「先生、これが古代魔法の火炎魔法ですわ」

「き、君は魔法陣の錬成無しで魔法を使えるのか?!」

「え、ええ、そうなりますわ」

(そうか、普通は魔法陣を描くんだった)


「すばらしい、短期間に成長したね」

「ありがとうございます」

(ふぅー驚いてはいるけど、私が異星人だと疑いの目で見ている者はいないな)


「すっごい!ユーリスはあんな大きな火炎を出せるんだ!」

ピルムが肩を叩いて来る。

「ええ、たくさん練習したので」


(さて、魔法のところは何とかクリアしたぞ、あとどんなだ?何をすれば馴染めるんだ)

私は自分が置かれた立場を再認識して、この先の苦労を思うとため息をついた。

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