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11 カースト

部屋で授業の復習をしているとドアをノックする音が聞こえた。

「ユーリスさん、校長からお呼び出しがかかっています」

「あら、わかりましたわ、すぐ行きます」


(ほら来た、さて行くとするか)

私は校長室に向かった。


「ユーリス・フューザリオンはいります」

中から声がしたので入室する。


中には泣いている三名の女生徒がいた、先ほど喧嘩を吹っかけてきた三人だ、一人は鼻にガーゼを当てている。

「この三人は君に暴力を振るわれたと言っているが、本当かね」

「ユーリスさんが、寮の裏に来いって言うから行ってみたら、いきなり殴られました」


「とのことだがどうだね?」


「本当のことですわ」

私がそう言うと校長以下三名は驚いた様子だった。

「ですが理由がありましてよ、私はイジメを受けていて、それが嫌で休学していましたの、今回もイジメを受けたのでやり返しました。


「それは本当かね」

校長が三人に問う

「そんなことしていません」

三人は泣き出す。


(ここまではシナリオ通りだな、では次の段階に)

「この場で、四人だけではらちがあきませんわ、私のクラスの全員を教室に集めて状況を聞いてみたらどうでしょうか?」

「うむ、一理あるね、では早速そうしよう」


しばらくすると教室に全員が集められ、ざわついている。

「えー諸君、この三名はユーリス君に暴力を受けたと言っている、ユーリス君はその理由をいじめを受けていた仕返しだと言っているがどうかね」


教室は静まり返っている。

そこで私は声を張った。


「私はこの三名にいじめられましたの、だからやり返しましたの、この拳でね」

そうして鼻にガーゼを当てている生徒を指さした。

「ほかにも心当たりのある方はいるのではなくて?イジメを見かけたり心たりのある方は挙手してもらえませんこと」


しばらく教室は静まり返ると、一人、また一人と挙手をし出して1/3ほどの生徒が挙手した。

(思った通り、あの三人が首謀者でいわゆるカースト上位、そしてユーリスはおそらく下位、復学初日でカースト下位が上位を殴った、それを見れば他にもいじめに加担していたやつらも、自分がこうなると感じる、イジメていない生徒は今まで言えなかったことを堂々と言える立場!)


「ふーん、話しが食い違うね、そこの君どうなのかね」

「ユーリスさんは毎日イジメをされていました」

「私もみてます、お水かけられたり顔をはたかれていたり!」


「どうもこれは詳しく調べる必要がありそうだね」


校長はそう言って三人の生徒を連れて出て行った。しばらくすると教室中の生徒がユーリスの周りに集まってきた。

口々に詫びの言葉やねぎらいの言葉をかけてくる。


(ふむ、これでユーリスはカースト上位になったわけだが、あとはこのクラスがどうなるかだな)

私は教室がざわめく中でそう思った。


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