転ジテ生マレル
どうも、夜乃信号機です。この作品は初投稿のものとなるので文章が拙い部分があったり、表現力が不足している所がありますが、暖かい目で見てくださると嬉しいです。また、この作品は鬱要素が含まれております。それでも良いよという方、是非私の愚作を読んでやって下さい。
…もう思い残すことは無い。
18年間、毎日苦痛だった。
母親は私が産まれた時に亡くなり、所謂シングルファザーという形で父親に育てられてきた。
しかし、「最愛の人」を失った父は、父として…人間として、歪み切ってしまったらしい。
呑んだくれ、仕事をせず、毎日パチンコ、競馬と言ったギャンブルに明け暮れ、家には生活費すらない。私が何とか、アルバイトで生活費を稼ごうとしても、その金は酒やギャンブルに溶けていった。
それでも何とかしようと、行きたかった高校に行くのを辞めて、毎日朝から晩までバイトを敷き詰め、必死で金を稼いだが、結局生活費が溜まることなどなく、全て跡形もなく消えていった。
そして俗に言う「闇金」から金を借り、毎晩借金取りが来た。
父は毎晩咽び泣き「すぐに…すぐに返しますから」と小さな声で、震えながら借金取りに言っていた。
ただでさえ壊れていた父親が、そんな暮らしに耐えきれるはずがなかった。
父は、そんな積み重なるストレスを発散するために、更に酒に溺れ、ギャンブルにのめり込み、そして…私に当たり散らした。
罵倒に耐え、暴力に耐え、声を殺して泣き…そんな毎日だった。
自分より苦しい人は山のようにいる。だから、私はこの程度で挫けてはダメだ。
毎日自分に言い聞かせてきた。
でも…でも今日…18歳の誕生日の日に、父と口論になり、
「お前なんてクズだ、ゴミだ。俺の嫁を奪いやがったただのクソ野郎め、俺の目の前から消えろ。」
私の中の何かが、プツンと音を立てて、切れた。
なんの為に生きていたんだろう。もう、生きたくない。死にたい。
自分の存在意義が分からなくなった。
父が寝たあと、私は自分の部屋に行き、縄と椅子を用意した。
天井に縄を括り付け、首に縄をまき、椅子に乗った。
そして、部屋に飾ってあった、小さい頃に失った唯一の友達、「奏」の写真を抱え
「奏…今、そっちに行くからね」
そう言い、私は椅子から飛び降りた。
これで、私のクソッタレな人生が終わる…そう信じていた。
…しかし、神様は残酷だった。そんな願いすらも叶えてくれない。
目が覚めると私は、どこまでも広い草原の上に居て…巨大な狸が、私を覗き込んでいた。
「うわああああ!」
思わず叫んだ私をよそに、狸は私の事をまじまじと見つめ、そしてこう言った。
「久しぶりだな、人間がこの世界に来るなんて。」
最後まで読んで下さりありがとうございました。不定期で更新している為、次が何時になるかは分かりませんが、宜しければまた読んでやって下さると嬉しいです。
以上、夜乃信号機でした。