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勇者が街にやってきた  作者: 覧都
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第七十七話 銃撃戦

屋敷に俺とキツノが近づくと、銃の発射音がする。

構わず近づくと、その音を聞きつけ、人が集まり銃撃が激しくなった。


ダダダダ……


マシンガンまで使用している。

その攻撃はなぜかキツノに集中した。

キツノの服がどんどんボロボロになるが、体にはダメージがないようだ。さすが勇者である。

しかしこいつら女ばかり狙うとは、わかっているじゃねえか。

……違うな、そうかあいつら、俺がいることに気が付いてねえんだ。


そして、その銃弾は顔に集中し始めた。

あれかーー「目を狙えー」的な奴か。

アニメや、映画じゃもっと後の方に狙う奴だろ。


「キツノ目を狙われている」


俺が教えてやったら、逆に目を見開きゃあがった。

こ、こいつ……。


ビシッ


あっ、眼球に直撃だ。

……

銃弾が眼球に当たりまさか、銃弾の方がつぶれて落ちた。

おれはぱっちり目を見開いたキツノの顔をじっと見てしまった。


「かわいい」


あっ、し、しまった。

声に出してしまった。


「嫌ですわ、こんな時に、彼女を口説くなんて」


キツノが顔を真っ赤にした。


「まて、おまえを彼女にした覚えはねえ」


「あら、先程、付き合ってくれと言われましたわ。では、失礼」


眼球に弾が当たってもなんともないとわかると、悪党共は逃げ出した。

猛獣は逃げると追いかけると言うが、まさにそれが目の前で行われている。

キツノの足は速い、人間が逃げられる速さではない。

服がボロボロになり、半分胸が出てしまっている為、手で押さえながら走っているが、それでも逃げ切れない、次々倒されていく。


「あれか、家に来てほしいを、付き合ってくれって言った奴か。あれは、意味が違うだろう。あーー、それで風呂がどうとか言っってやーがったのか」


キツノはとんだ勘違いやろーーだ。


「ふーーっ、全員、終りました」


キツノは男を二人両手にぶら下げていた。

胸は何処で拾ったのかバスタオルの様な物を巻いている。


「こいつが、ここのボスです。そしてこいつが勇者です」


キツノは満面の笑顔である。

まあ可愛いけどね。


「ちょっと待てよ、勇者がいたら俺に言えっていったよね」


「大丈夫です。こいつのレベルは私の半分です」


まさかの出番無しだぜ。


「よし、ばあさん、ハセガワさんを呼んでくれ」


「はーナガノじゃろ、ぜんぜん違うだろうが」


「あれ、なんで間違えたんだ」


この後、警官隊が来て、口々にガド様すげーとか、まあ英語で言っているんだけどね、言いながら屋敷に入っていった。

でも俺は言われても、全然耳に入らなかった。

ナガノとハセガワを何で間違えたのかが気になって、ずっと長い時間考えていた。

そして、言わなければならないことに気が付いて叫んだ。


「いやいや、今回俺は全くすごくねー。キツノが全部やっちまいやがったんだー」


言い間違いを考えるのをやめて叫んだ。

あたりから警官はいなくなっていた。

ちーもう誰もいねーや。


「今頃になって何を言っているんだ、帰るぞ」


ばーさんが呆れていた。

今回は不本意な結果だったが、俺のこの世界での名声は上がっていた。

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