第六十六話 手を差し伸べる人
仕事の出来ないデラは制裁の対象となった。
日々エスカレートし、十人以上で休憩の度行われた。
少し無理な行軍をしている為、勇者も荷役の者達にもストレスがたまっているのだ。
だが、デラのおかげで他の者が制裁の対象になることは無かった。
メイがそこまで考えていたのかはわからない。
「やめろーーー、毎日、毎日、やり過ぎであろう」
五日が過ぎた昼の休憩時間、とうとう制裁現場に、仲裁に入る勇者が現れた。
三人の女性勇者、アリア、ハンナ、メアリーの三人だった。
アリアとメアリーは普通の女性で、ハンナはデラよりも小さいが、それでも他の普通の男と比べれば一回りは大きい、筋肉の発達した女性だった
「こんなことなら、もっと早く仲裁に入れば良かった」
ハンナが言う。
この勇者達はいつか自然に、制裁が行われなくなると信じていたのだ。
「立てますか」
アリアが右腕を支えた、そして左腕をメアリーが支えた。
デラには、普通の人間の攻撃ではダメージはほとんど入っていないのだが……。
「ありがとう、大丈夫だ」
デラが一言発した。
すると三人の女性勇者の顔が真っ赤になり、目がうるうるする。
デラの顔は、甘く優しげで男らしい。
制裁を途中で止められ、女性勇者の表情の変化を見て、男達は余計にメラメラ怒りが増すのだった。
その夜、デラは三十人ほどに囲まれ暴行を受けていた。
「やめろーーー」
「チッ、木偶の坊、これで終ったと思うなよ」
だが、騒ぎが大きすぎて、女性勇者に直ぐに発見され解散した。
デラがむくりと立ち上がると、よほど大事なのだろう、腹の下に入れていた鞄についた埃を払う。
その後、自分の体に付いた埃を払っている。
「あなたは、すごいですね。ケガはしないのですか」
三人のリーダー的存在アリアが驚いている。
ハンナがデラの体をジロジロ見ている。
「その立派な体で、なぜまともに歩けないのだ、どこか悪いのか」
ハンナは、つぶやくようにデラに質問した。
三人は、荷役の者達から離れるように、デラの手を引っ張り歩いている。
十分人気が無くなったところで鞄の蓋がポコンと開いた。
中からニコニコ顔の美少女メイが顔を出した。
「デラの体は悪くありませんよ、体を鍛えている途中なのです」
メイが説明した。
「あるじ、姿を出して良かったのか」
女性勇者は驚きの余り硬直している。
「構いません、この三人は特別です。デラ、あなたに命じます。この三人の命をわたしと思い守りなさい」
「はっ」
「きゃーーかわいいーー」
三人の声がそろった。
ハンナが一番喜んでいる。
顔に似合わず可愛いもの好きらしい。
そして白い美少女メイの脇の下に手を入れると高く持ち上げた。
そしてパンツをしたからのぞき込み確認した。
アリアもメアリも一緒にのぞき込み確認する。
「ぎゃあーー、なんで皆確認するんだーーー」
メイが真っ赤になった。
ヒノとデラが腹をかかえて爆笑している。




