第五十九話 ダンジョン攻略
ヒノは直ぐ翌日に行くのかと思ったら、メイは学校を休みたくないという理由で休みの日に行く事になった。
ダンジョンの場所は森の精霊のシロとクロが知っている場所にした。
ダンジョンは街とメイの家の中間位の所にあった。
「メイちゃんは、待っていて下さい」
ヒノが先行してダンジョンに入った。
ダンジョンの中は黒い霧が充満していた。
「デラさんの言うとおりだわ」
ヒノは、直ぐに外に出るとメイに、
「デラさんの言うとおり黒い霧がありました」
中の様子を伝えた。
「じゃあ全員で入りましょう」
今度はメイが先頭で中に入った。
中の黒い霧は我先にメイに吸い込まれた。
「すごいですねー」
ヒノが感動している。
「今の霧の量では、魔力がたいして回復しませんね」
メイが少し残念そうに話した。
「そ、そうなのですか」
ヒノが驚いた。
「ぎゃあああーーー」
ダンジョンの下の階層から悲鳴が聞こえた。
「クロちゃん、光を下さい」
メイがいうと、クロが姿を現して周囲を照らした。
一階層は外からの光があるが、二階層からは光が全くなくなる。
そのためクロに発光して貰ったのだ。
ちなみにシロは発光が出来ない。
そしてメイは、赤い服に着替え透明になった。
「では行きましょう」
直ぐ下の階には誰もいなかった。
下の階には黒い霧が有りメイの体に引き込まれた。
さらにその下に降りると三十人近い人がいた。
ゴブリンの群れに囲まれて苦戦している。
「おおおー、ガド様だーー」
「ガド様が来て下さったぞーー」
白い光とともに現れた三人の姿を見ると、モンスターと戦っている登録者達が活気づいた。
松明の明かりで戦っているが、黒い霧の為にほとんど暗闇だったのだ。
メイが来たことにより黒い霧はどんどん薄くなっていった。
「デラ、ゴブリンを殺さないように攻撃して下さい。先生はとどめを刺して下さい」
「おう」
「はい」
ゴブリンは、デラにかかるとネズミ退治かと思えるほど、楽々倒していった。
とどめをヒノが刺すと、次々レベルが上がっていった。
「先生って、レベルが低いのですか?」
メイが疑問をヒノにぶつけた。
クロの白い光に照らされたヒノの顔は真っ赤になっていた。
「あるじ、この部屋は終った」
「では、下へ行きましょう、下へ行くほど霧が濃いです。それに先生のレベルアップをしておきたいですし」
「はっ」
デラがうやうやしく頭を下げた。
「倒したモンスターは皆さんで運んで下さい、私には必要ない物ですから」
メイは後ろで様子を見ている登録者に、倒したモンスターをあげてしまった。
ダンジョンは下の階に行けば難易度が高くなる。
黒い霧は濃度を増している。
クロの光でも、ほとんど辺りを照らすことが出来なかった。
だがメイがしばらく立っていると、黒い霧は消えていく。
「いい感じで魔力が回復してきました」
この階からゴブリンが一回り大きくなっているが、デラとヒノは苦労もせず倒していく。
そして二十階層まで行ったところで、ヒノが休憩を求めた。
この頃になると、街の登録者まで総出になって、倒したモンスターを運び出している。
「皆さん、少し休憩します、一人三個おむすびを配りますので食べて下さい。水は置いておきますので好きなだけ飲んで下さい」
こうして休み休みではあったがダンジョンを攻略してしまった。
ヒノはここでのモンスターの経験値を独り占めしてレベルを上げまくった。
「では帰りましょう」
英雄ガドが洞窟を出ると登録者から拍手と歓声が起っていた。




