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勇者が街にやってきた  作者: 覧都
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第四話 透明化 

北の魔女のスピンオフとして書いています。

「まあ、心配するな、あい。教えて直ぐに使えるものでは無い。よいか、ガド、魔法というものは、想像力じゃ、いかに具体的にそのものを想像できるかじゃ」


な、なにーーー。

そ、そんな……。

そんなーーーー。

そんな簡単なことなのかーー


子供の頃にやったことは無いだろうか。

一つだけ魔法が使えるとしたらどんな魔法がいいー?

何てー遊び。

友人はこんなことをいっていたなー。


「僕はおいしい物を出す魔法がいい」


馬鹿めおいしい物をお前が考えられるのか、ちゅー話しだ。

見たり食べたりしたことの無いものなど出せねーだろう、がきめ。

などと考えていた。


「僕は、女の子にもてる魔法」


それこそ馬鹿の極みだ、ばばあやブスやデブにもててどーすんだちゅー話しだ。

おれは、そう、おれは透明になる魔法こそが最強だと思っていた。

ずーーと透明になったらどうしようかなどと考えていたのだ。

出来る、出来る、俺には透明になる魔法が使えるはずだーー。


「透明化――。……」


効果音とか、なんにもないんだね。

まずは手を見る、見えねーー。

顔は自分で見ることはできねー。

だが、消えている自信はある。


ひとまず透明化は成功と言うことか。

早速逃げよう。

随分余裕があるように見えるだろうが、実のところ心底恐い。

鎧野郎は、普通に剣で人殺しをする連中だ。

見つからないうちに逃げねーと、俺が殺される。


「んっ」


なんか臭い、犬のうんこでも踏んだのか。


だーーーーちがう、俺だ、俺のズボンだ。

さっき粗相したままだった。

くそーー、見えなくなっても、臭いがするんじゃー、バレバレじゃ無いか。


急いで脱ごうとするのだが、透明の体のズボンは脱ぎにくい。

必死でズボンとパンツを脱いで、俺の下半身はすっぽんぽんだ。

脱いだズボンは体から離れるとまた見えるようになった。

しかしこれで透明化が溶けてしまったら、ただの変態だ。


ひとまず下半身を綺麗にしたい、水道を探しながらこの場所から遠くへ移動しよう。

走り出してみると、異常に速い。

チーターは言い過ぎかもしれないが結構速く走れている。

そういえばばあさんが身体能力の強化をしたって言っていたっけ。


一時間位走った所で、水が道路から噴き出しているところがあった。

そこで汚れを落としていると近くで発砲音が聞こえる。


パーーン

パーーン


俺は透明になっているのだが、なってみると最強では無いことがわかった。

歩けば足音がするし、臭いはそのままだ、呼吸音だって出ている。

発砲音に近づこうと思うのだが、隠れながら慎重に近づくことにした。


瓦礫の影から覗くと警官と鎧野郎が対峙している。

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