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勇者が街にやってきた  作者: 覧都
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第二話 大地震

北の魔女のスピンオフとして書いています。

「ぐうううーーっ」


だが、しばらく耐えていると痛みが少しずつ引いてきた。


「だーーーーーっ」


やべーー、うんこと小便が漏れてしまった。

人間あんまり痛いと緩むらしい。

くそーー、小学校でも、保育園でも漏らしたことねーのに、高校生でもらすとわーー!

まいるぜ。


隣では、まだあいが痛がっている。


「ふふっ、眷属より親友の方が、魔力量は多いようだのー。痛む時間が長い」


そういう事かよー。

そんなことより、美女のお漏らしだ。

ご褒美タイムだ。

あいは学年でも片手に入るぐらいの美人なのだ。


「あーー痛かった」


むう、漏らした様子が無い。


「くーーーっ、くっくっ。ガド、漏らしたのは、お前だけの様だのー。魔力との相性が悪い奴は痛みが酷いからのう。あいは流石、魔力との相性が良いようだ」


ばあさんが、おおうけしてやーがる。

くそう、ご褒美なしだー。


「ばあさん、あんた、まなじゃねえな」


「ふむ、良く気が付いたのう。わしは、この世界とは別世界の人間のようじゃ。なまえは、まなじゃがのう。まあ元の世界では北の魔女と呼ばれておった」


原因不明だけど、こっちのまなと、別世界のまなが入れ替わったということらしい。


ゴオオオオオオオオオーーー


急に大地が揺れた、ストンと地面が三十センチぐらい下に落ちたような感覚がある。

とても大きな地震だ。


「な、なんだこれ!? 立っていられねー。がっ、学校が崩れている」


鉄筋三階建ての、学校が目の前で崩れていった。


きゃーーー


学校から悲鳴が聞こえる。


「あい、ガド、崩れない様に結界を張った。ここは安全じゃ。動いてはいかんぞ」


ゴオオオオオオオオオーーー


もう一度大きな揺れがきた。

そして、揺れは徐々に収まっていった。


「南海トラフ大地震かな?」


あいはこんな状態なのにのんきだ。

俺たち三人の視線は学校に向いている。

見える範囲に何人か、瓦礫に押しつぶされた生徒の体が見える。


「ひ、酷い」


あいが口を押さえ、涙ぐんでいる。


この神社の石垣や、鳥居は、なんともない。

この揺れでは崩れてなくちゃあおかしいのに。


「ばあさん、魔法って本当のことなのか?」


「なんじゃガド、お漏らしまでして、まだ信じておらんかったのか」


「こ、これを見て」


あいが、スマホの画面を見せてきた。


「何だこれは!!」


東京だろうか、ビルが崩れてボロボロになった都市の映像が映っていた。

火災が起きているのか煙が上がっている。

生き残った人達が行列を作って避難している。

だが、おかしいのは、その先だ。


映っている映像にあり得ないものが映っている。


「な、なんなんだこれは。なんなんだーー!!」


ゲームで見るような美しい鎧を着た者達が、剣を手にして逃げる人達を刺し殺している。

口々に「スライムだ、殺せー、経験値を稼ぐんだー」と叫んでいる。


日本人をスライムと言っているのかー。

なんなんだこいつらーー。

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