05 日常
そして、いつもの日常へ。
特使公爵になったとはいえ、町のみんなの対応は以前と変わらず。
少しだけ、からかわれちゃったりするけど、
いつもと同じようにちょっと頼りないリーダー扱いしてくれるのは、とても嬉しいのです。
冒険者ギルドで身の丈にあった依頼を受けて、苦戦したり苦戦しなかったり。
チームアランの作戦は基本的には『命を大事に』
みんなで助け合い、ひとりひとりが出来ることを頑張る。
リーダーの俺が言うのも何ですが、良いチームです。
そういえば、先日狩った凶暴くまさんは、変異種とかいうレア魔物だったそうです。
「この毛皮、一番売り値に影響する頭がしっかり残ってさえいれば、とんでもない高値だったんだぜ」
オッサンAも苦笑い。
それでも、爪や牙や一部の内臓は結構な金額で査定してもらえました。
「兄さんたちのパーティーは、なんか特別なもんを持ってるみたいだな」
いつもありがとう、オッサンズのみなさん。
ユイのことを、娘みたいに見守ってくれていて感謝しております。
討伐などで臨時収入があっても、贅沢はせずに全額マユリへ。
住み初めの頃は心配だった屋敷の維持費も、マユリの家計術で問題無く暮らせております。
メリルさん合流後は、ちょっとした贅沢と倹約とのメリハリが付いて、より良い暮らしを満喫出来てます。
良き妻、良き家族、夫ももう少し頑張んなきゃ、ね。
ユイが来てからしばらくの間、町に見知らぬ人たちが出没して聞き込みしていたとか。
警戒しちゃったけど、どうやらパパ王さまの差し金とのこと。
ユイ自身が楽しそうに町のみんなと交流している姿を見せていたら、いつの間にかいなくなっちゃいました。
家族を心配する気持ちはとても良く分かるけど、ご存知の通りあの娘の信念は半端じゃないから、あまり変に刺激しない方が良いですよ、パパ上殿。
チームアランの日常がこんな感じなら、
チームモノカの日常はあんな感じ。
『特使勇者モノカ、違法カード業界に鉄槌!』
いつも通りの大活躍ですね、モノカさん。