10 気持ち
しばらく後、手を繋いで居間に戻ってきたふたり。
いつもの格好だけど、まだちょっと恥ずかしそうなモノカさん。
いつもの冒険者服だけど、ものすごく恥ずかしそうなユイ。
「大変お騒がせして申し訳ない」
ぺこりと、モノカさん。
「この度の出来事の全ては私の不徳の致す処、どのような罰でも……」
消え入りそうな、ユイ。
「何か不徳な出来事なんてあったかな、リリシア」
「先ほどまで私たちの目の前にいたとても愛らしい娘さんが、着替えてしまって残念なことくらいであろうか」
「もう、どうしてこの世界にはカメラが無いのっ。 ロイさんたちにも見てもらいたかったのにっ」
チームアラン、ほぼ全員の、気持ちはひとつ。
「誰よりも長く一緒に旅をしてきたのにあれほどと気付けなかったとは、このノルシェ一生の不覚」
「これからは立ち寄った街で必ず、似合いそうなお洋服を探さなきゃ」
「ユイ様にあのドレスをお借りして、あの完璧コーデの秘密を探らねば、なの」
チームモノカ、ほぼ全員の、気持ちはひとつ。
ちっちゃくなってぷるぷる震えているユイを、軽くハグしてあげるモノカさん。
体格・体型はそっくりだけど、やっぱりお姉さんですね。
「お母さんたち、どうしたの」
厨房からワゴンテーブルと共に登場したのは、
不思議そうにふたりのハグを見つめるマクラちゃんとメイドさんふたり。
「後でモノカさんとユイお姉さんに相談して、良いものを見させてもらってね」
「?」
マクラちゃん、がんばれ。




