綺麗な鈍感さ
小さなものに気づかない人間の方が
小さなものに気づく人間より
生き残り易いのだろう
鈍感とは
素晴らしい武器なのかもしれない
繊細であるということは
電子顕微鏡で見なければ分からない
顔に居るダニの動きにすら
反応をしてしまうということになる
そんな人間を見たことは無い
何処かで鈍感になっている方が
ストレスが無いというのもある
人の身体に寄生している虫に
いちいち、反応していたら
ストレスが溜まる一方だ
忘れる、感じない
それは考えないに繋がるし
考えたいことを考えられるという
大切な行動へと繋がる
僕等は鈍感であることで
重要な部分で繊細になれる
それを大切にしたのが
職人という人達や
芸術家と呼ばれる人達なのかもしれない
今は、もう
大分、失われてしまったように感じる
僕等の繊細さは
馬鹿みたいにブラッシュアップされ
生き残り易さを除外しつつある
洗練されることで
お互いを殺し合っている
悲しい事実だからこそ
何処かで鈍感になるべきだった
強烈な生存競争をせずに
済んだかもしれない
だが、なってしまったから
結末に対して
鈍感になるしかないのだろう