第二十五話 イージス海上隊 命名・進水式① 興奮する伊吹
「急いで急いで!早くしないと命名式に遅れますよ!」
伊吹が言っている命名式とは、正式には命名・進水式と呼ばれ、彼女が艦長となる新造艦のものである。初代艦長となる船の命名式だ、伊吹が釣り以外で珍しくはしゃぐのも無理はない。
「伊吹さん!そんな急いでも命名式は逃げて行きませんよ!」
「そうだぞ伊吹〜。大体、開式までまだ5時間もあるんだろ?まだ寮にいても間に合うんだぞ!」
どんどん先へ行く興奮した伊吹を落ち着かせるために如月と八丈が追いかける・・・が、しかし追いつけない。おっぱいの成長も追いつけな、
八丈は身長がかなり低いため足も短いため伊吹とは一歩一歩の距離がかなり違うし、如月は意外にも運動音痴なため足がかなり遅い。しかも伊吹はあれでも学生時代は一貫して陸上部に所属していたため距離は縮むよりむしろ遠ざかっていっている気がする。
「おい、っく、ま、まてよぉ、はぁ、待てって」
如月はもうかなり遠くに追いてかれていたため八丈が声を出している地点からはもう聞こえなくなっていた。もう追いつくことはないと確信した八丈はその場にただ立ち尽くした。
しばらくして、、、
「はぁ〜あ、あいつ興奮しすぎだろ!・・・もういいや、寮に戻ろう。汗をかいたからシャワーも浴びておきたいしな。」
汗でびしょ濡れの八丈はバテて倒れた如月を担いで寮へ戻っていった。
「ヒャッハー、新型艦だぁあ〜、、、はへ?」
伊吹は好奇心を胸にドックに誰よりも早くついたが、出来上がっていた船を一目見てその好奇心は疑問へと変わっていた。
今まで何度も船を間近で見てきた人間にならこの新型艦が他の船とは全然違うことがすぐにわかるであろう。いや、間近で見なくとも "いずも" や "かが" などを見たことがある人ならばすぐにわかるであろう。
今回の新造艦はかなり形が異なっている。 "いせ" や "ひゅうが" "かが" "いずも" のような艦首形状でなければ艦橋の形状もかなり違う。一般人でもかなりの数の疑問がわかるのだ、それが実際に見て触って動かしているものの目からはかなり異なって見えるはずだ。
伊吹の目にはきっとこう思っているはずだ、、、
「なんか、、、古臭いです」
ほらな?思っていたとおりだったよ。・・・ってちげぇよ、てっきり斬新な形してるな〜って思っていると思ったのに!あ、同じ言葉が2つつながって変な文章ができているのは気にしてはいけない。
「なんですこれ・・・最新、、、鋭?最古参の間違いでは?」
残念ながら日本には基準排水量62,000トンの船はタンカー程度しかありません。だから安心してください。最新鋭ですから。
伊吹としては不満たらたらなのだろうが一般的な日本人からはこれが艦船だと思っている者も少なくはないだろう。自衛隊内でも柳型?というのだろうか船首船尾が尖っているのが船だと思っている人もきっといるだろう。きっとそうだろうという想定であって断定はできませんのであしからず。
伊吹にとっては柳型ではなく今のよくある艦尾が平らになっている形が一般的なためこの新型艦はかなり古い形状なのだ。未だ艦橋と煙突が一体型した形から70年たった今でもあんまり変わっていないところはあまり気にしてはいけないが、、、。
ついでに言うと伊吹たちからすると最古参は "こんごう" であり、艦歴はもう77年も経っている、、、なんてこともなく、実際はまだ15年程度である。この” "こんごう" は四代目で、先代と同じミサイル護衛艦になった。
「まぁ、最新鋭艦何ですよね。間近で見れますからたまたま持っていたちょっとしたカメラで少し撮っておきましょうか」
と言いながら来る前から最新の一眼ミラーレスカメラをガッツリ用意して予備バッテリー3つをフル充電し、16TBのメモリーを複数持ってバシャバシャ最新鋭艦を撮っている、、、古臭いと言ってけなしている人間とは思えない行動に傍から見た人間は驚きを隠せないだろう。
「それにしてもこの形、どこかで見たような気がします。、、、まぁいいですか」
一月も投稿してなくてスマミソン。でもこれには理由ががっガガガ、、、あった気がするんだけどなぁ〜、、、すいませんでした!




