表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百花繚乱  作者: 桜 月夜
1章 光は誰よりもはやく
2/8

蘭は閃光と共に

4月17日大幅修正しました。


「あのっ!は、はじめまして!!

と、と、とらんですっ!

これからよろしくお願いしましゅっ!!」




それがあの子と出会った初めての日だった。


トランこと虎野 蘭(とらの らん)の第一印象は気弱そうで本当に戦えるのかと半信半疑になるくらいだった。

まあ…この隊に入隊できたっていうことは、ある程度の実力があるんだろうけど……



ちなみに後から聞いた話だけど、自己紹介でトランって名乗ったのは緊張して思いっきり噛んだだけらしい(笑)

肝心なところでミスするところはあの時から変わってないなー…



その後、コードネームを決める最初のミーティングが行われたんだけど…当然、あの子のコードネームはトランに決まった。


トランは相当恥ずかしかったのか、顔を真っ赤にして反対してたけど、先輩方も全員賛成してたしねぇ…仕方ない!!



あ、そうだ私の自己紹介を忘れてた…

私の名前は、鳴神 光(なるかみ ひかり)


なんの変哲もない一般戦闘員。

コードネームはイナズマ。特技は裏工作と情報収集かな…?



まあそんなつまらないことは置いといて…



ひとまず私達は先輩から分厚い寮則などが記された説明書を渡されこの寮のことを学び始めた。


あ、そういえば、先輩達の名前まだ聞いてないな…

まあそのうち教えてもらえるか


ざっと目を説明書に通してみると、まあ大半は集団生活を送るための基本のような規則が多い。

だけど中には、結構変な規律もあって、【夜寮舎を歩く時は突然頭上と足元に障害物が現れる場合がある故気をつけるべし。】なんてものもあった

これルールなのか…?


そんなこんなで必死に寮則を叩き込むこと三日。

一通り運び込んだ荷物の整理も終わり、見慣れぬ天井やルームメイトの存在に慣れてきたかなと言った頃。



「……あなたたち明後日までに息合わせといて。」



銀髪をたなびかせた先輩が、唐突に告げたその一言で私たちは組むことになった。



「えっ!?もっ、もうですか……!?」



この隊で2人で訓練を命じられることは、お互い命を預け合うパートナー…ユニットを組むことを意味する。


私としても急すぎる宣告に驚いてはいたんだけど、

私以上に慌てふためくトランを見てると、落ち着いて受け止めることが出来た。

まあ、予想よりだいぶ早くはあるけど……



「はい……わかりました!改めてよろしくね…?

トラン」



私が呼びかけるとトランははっとしたように、

こちらを向き


パンッ!!


突然頬を叩いたかと思うと真剣な眼差しで



「うん!一緒にがんばろーね!」



向日葵のような笑みをうかべた。


こうして私たちはユニットを組むことになった。


ちなみにこれも後日聞いたことだけど、私と2人を組ませた理由は、二人ともトップの成績で黒百合(くろゆり)学園を卒業した優等生であることと同い年だかららしい。



でも同じ学年といっても、私は諜報科でトランは特攻科で専攻が違うから接点とかはほぼなかったんだけどねー。



ちなみに私のいた諜報科がどういう場所かというと、Ⅿ型Ⅼ型に対する罠の仕掛け方や超大型の名前つき(ネームド)の情報収集などを行ういわゆる斥候のような学科だ。


いつも罠学のテストは物理演算ミスって補習になりかけたなぁ…

天気によって、計算する内容が増えるんだもん……ちょっとくらいできなくても仕方ないよね!




トランのいた特攻科についてはあんまり詳しくないけど、確か演習場で爆発起こして全員で補修工事してるのは見たことあったな。



小規模な事故は日常茶飯事とはいえ、あそこまで大きい爆発は見たことなかったから記憶に残ってる。



それ以外は……うーん…………


基本的にうちの学校、科によってやる内容がまるっきり違うから知ろうと思わないと他学科の様子なんてわからないんだよね〜……


あの特攻化での騒動結局原因なんだったんだろ?確か能力の暴発だったような気はするけど…


在学中はなんだかんだ忙しかったから気にする余裕あんまなかったんだよなー……

うちの代も卒業できたの例年より多かったとはいえ3割だったし。




その他の学科にはサポート科、普通科、他にも存在自体疑われる特別科などさまざまな学科があるけれど、どの科も最低限の戦闘技能を持っていないと卒業はできない。

実戦で使えない人間なんてただの輸血パック(役たたず)だからねー



そして、その中でも選りすぐりの技能を持つ人間のみが入れる部隊こそが、最も前線に近い場所……

ここ、私たちの所属する部隊桜花(おうか)である。




この隊についての情報は、在学中も調べてはいたんだけど、不自然なほど何も出てこなかったんだよねぇ…


わかったのは、隊の名前と最前線部隊であること。成績優秀者のみが選ばれるという事実のみ……


隊の役割も隊員の能力もぜーんぶ誰も知らないみたいだった……



あ、でも1個だけまことしやかに囁かれていた噂では、この隊には特別科の先輩がいるって聞いたなぁ……


多分噓だろーけど。



だって特別科は常設されていない学科だし、M型が50体以上いても壊せない強度に作られている演習場を、3個壊したっていう都市伝説みたいな科だよ。




……いないよね……?



うーん……まさかとは思うけど、いてほしくないな。



ま、まあこれからはある程度、機密に触れる機会があるはず……


真偽はその時にわかるよね?



当時の私は、この隊の底知れ無さに怯えながらもこれからのことに少しわくわくしていたのだ。



Ⅿ型は2mから5mまでⅬ型は5m以上のことを言います。名前付きは放っておくとドームを壊しに来ます。その破壊力は核爆弾並みでこの時代では名前付き一体でアメリカクラスの人類生存域が壊されました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ