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転職ばかりしていたらパーティーを追放された私〜実は88種の職業の全スキル極めて、勇者以上にチートな存在になっていたけど、もうどうでもいい  作者: 冬月光輝
最終章:魔王と勇者と神々を超えし者編

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第79話:魔王と決着をつける話

「くっ、体に負担が……、がはっ!」

 私は口から大量の血を吐き出した。


「おいおい、ルシアちゃん。自滅なんかしないでくれよ。そろそろ限界かい?」

 ジェノスは心配そうな顔で私を見ていた。

 こうなれば、勝てる方法は1つだけ……。


 【無属性消滅魔法】


 コイツを当てることさえ出来れば、私は逆転することが出来る。中級魔法なら殆どの魔力と引き換えになるが……。

 私は最後の逆転に賭けるしか無くなっていた。


「ジェノス、あなたに助けられた事は今も感謝してる。出来れば、殺したくなかったが、私にも譲れないものがある」


――キュィィィィン


 私の体は黄金のオーラで充実していった。


「今度は勇者の力か……、ありがたい。まだ、楽しい時間は続くんだねぇ」

 ジェノスはニヤリと笑った。


ルシア→ジェノス

【仙人スキル発動】


 流水乱舞


「はっ、やっ、とりゃぁ!」

 私はジェノスに連打を浴びせようとした。


「ふふっ、君の狙いは手に取るように分かる。一瞬のスキを待っているんだねぇ」

 ジェノスは余裕の表情で私の攻撃を躱していた。


ルシア→ジェノス

【勇者スキル発動】


 初級無属性消滅魔法


――カッ


 私の右手からジェノスに向かって銀色の光の弾丸が発射する。


「これは、ヤバイ技を持ってたんだ……。驚いたな……。なるほど、ラミアちゃんの力だね。しかし、スピードが緩すぎる!」

 ジェノスは目を見開いて、銀色の弾丸を躱した。

 ここまでが布石だっ!


「終わりだっ! ジェノスさんっ!」


ルシア→ジェノス

【勇者スキル発動】


 中級無属性消滅魔法


 私の右手からジェノスに向かって銀色の光が照射された。


――ズドォォォォン


 全てを打ち消す光は魔城に大きな風穴を開けた。

 

「惜しかったよ……、ルシアちゃん……」

 ジェノスは私の後ろに立っていた。そして、私の背中に右手を当てる。


ジェノス→ルシア

【真・大魔王スキル発動】


 極大漆黒闘気弾(グランダークマター)


――ズドォン


 鈍い破裂音と共に……、私の意識はどこか遠くに行ってしまった……。



“ルシア様ぁ、ルシア様ぁぁぁぁぁ”


 ああ、間抜けな声が聞こえるなぁ。ラミアの奴……、指輪から出てきたのか……。

 ごめんな……。情けない姿を見せてしまって……。もう、指一本動かせないんだ……。


“せめて、ラミアは死ぬ前に……”


 ラミアの顔が私に迫ってくる……。おい、止めろ……。何をするんだ? お前、ドサクサに紛れて……。


――チュッ


 ラミアの唇の感触が私の唇に伝わる……。あのバカっ! あとで覚えてろよ!


――パァァァァァ


 なんだこれは、ラミアから何か暖かいものが流れてくる。

 あの時と似てるな……、勇者の力を手にした時と……。

 なんだか、気持ちいいや……。


 このまま、寝てしまいたいが……。その前に……。


――ゴンッ


 私はムクリと起き上がり、ラミアの頭にゲンコツを食らわせた。


「るっルシア様ぁ、痛いですのぉ」


「なぁにが、痛いですのぉ、だっ! アホ堕天使がっ! お前、人が寝てるスキにナニやってるんだっ!」

 私の体は嘘みたいに軽くなっていた。


「ごめんなさいですのぉ。るっルシア様、背中に……、それは何なんですの?」

 ラミアが驚いた顔で私の背中を指さした。

 はぁ? 誤魔化そうったって……、ええっ! なんだこれは?


 私の背中には天使のような銀色の翼が生えていた。


「ルシア様ぁ、天使になられたのですか? でもぉ、天使のとも、堕天使のとも違いますわ」

 ラミアは不思議そうな顔をした。


「おっ、ルシアちゃん。起きたかい? へぇ、ラミアちゃんから力が流れたと思ったら。天使の力まで手に入れちゃったみたいだねぇ。早速、試してみなよ。どれだけ僕との差を埋めてるか、興味はないのかい?」

 ジェノスは相変わらず楽しそうだ。

 そうだな、ラミアがくれた命だ。無駄にする訳にはいかない! 今度こそあなたを倒す!


――シャッ


 私は自分でもビックリするくらいのスピードでジェノスとの間合いを詰めた。


ルシア→ジェノス

【上級天使スキル発動】


 銀翼連弾(エンジェルスマッシュ)


――バギャァァァン


 私の銀色の翼は鋼以上の硬度になり、ジェノスを打ちのめす。


「くっ、スピードが急激に上がったねぇ。少し驚いたな」

 ジェノスは黒色の剣を私に向かって振ってきた。


――バキィィィン


 私の反応に合わせて翼は自由自在に動き、ジェノスの剣は受け止められた。

 魔力も充実している……。これは、あの技も使えるのか?


ルシア→ジェノス

【真・勇者スキル発動】

 

 最上級無属性消滅魔法


――ブゥゥゥゥゥン


 銀色の光が私の体中を包み込む。なるほど、これは【こういう技なのか】……。恐ろしい技だな。


「何かする前に止めさせてもらうよ!」


ジェノス→ルシア

【真・大魔王スキル発動】


 極大漆黒闘気弾(グランダークマター)


――カッ


 ジェノスのダークマターは消えてしまった。


「これはどういうことだ……」

 ジェノスは初めて驚愕の表情を見せた。


「ジェノスさんの技を消したんですよ。私のこの魔法はどんなものでも消せるのです……。距離とか、大きさとか、概念とか、そんなものは関係ない。本当に【何でも】消せます。まぁ、全魔力と引き換えなんですけど……」

 私は自分でも恐ろしいと思える力の説明をした。

 正直、世界でも滅ぼせそうな力なので【女神】が警戒した理由もわかる。


「何もかも消せるだって? 馬鹿げた魔法もあったもんだねぇ。そりゃあ、僕はもちろん、どんな神だって出来ないんじゃないかなぁ。ふふっ君には本当に驚かされる……」

 ジェノスは諦めた表情をした。


「これで、最後です……。ジェノスさん……」


――グサッ


 私は右手の手刀でジェノスの胸を貫いた。


――カッ


 ジェノスの体が銀色の光に包まれる。そして、数秒後に光は消えた。


「あれぇ? ルシアちゃん、こりゃあどういうことなんだい? 僕は生きている。正直、死を覚悟したんだけどなぁ」

 ジェノスは不思議そうな顔をしていた。


――パリンッ、パリンッ、パリンッ、


 グレイス達を閉じ込めていた、黒色の玉が破裂音と共に消滅した。


「ふーん、なるほどねぇ。回りくどいことをするなぁ君も……。君が消したのは……」


「はい、ジェノスさんの【魔王の力】を消し去りました。ついでに私や世界中にある【魔王の力】も全て消しました。もう、二度と魔王が現れないように……」

 私は最後の力を振り絞り、無茶を叶えた。


「――世界中の【魔王の力】だって? ははっ、君の発想は本当にどうかしてるねぇ。確かに、僕の力は殆ど無くなったようだ……。負けを認めざる得ないねぇ」

 ジェノスはニコリと笑って負けを認めた。


「レイラちゃんっ! こっちに来なさい」


「はっ!」


 レイラがふわりと宙に浮かび、ジェノスの元へ近づいた。


「ごめんねぇ、負けちゃったよ。これから隠居生活をするつもりだけど……、付いてきてくれるかい?」

 ジェノスはレイラに尋ねた。


「はぁ、薄々こうなると思ってました。魔王様は勝つ気が正直見られませんでしたから。ご安心を……、どこまでもお供致しますので……」

 レイラは半分呆れ顔でそう答える。


「じゃっ、そういうことだからさ。君らは勝利宣言をしに帰りなよ。僕も直ぐにここを引き払うからさぁ」

 ジェノスは頭を掻きながら、私にそう言った。

 はぁ、この人は確かに勝とうと思えば、何度もチャンスがあったもんな。もしかして、最初から……。


「いいのぉ、フィアナ。恨みを晴らさなくても……」


「ふっ、仇ならルシア様が討ってくれたさ。私の気持ちはもう晴れたよ……」

 フィアナは微笑みながら答えた。ちょっと不安だったけど、納得してくれたならよかった。


「だが、ラミアっ! 貴様は許さん! 私達の目の前で、るっルシア様と接吻とはいい度胸だな!」

 剣を抜いてラミアに襲いかかろうとする、フィアナをなだめるのは大変だったが、なんとか収まった。


「……んっ、もう終わったのか? もうちょっと寝たかったのだが……」

 ターニャがパチリと目を覚まして、起き上がった。

 こっこいつ、まさか体力に余力があったのに寝ていたのか?


「……思ったよりも強かったからな。体力を自主的に回復していた。【勇者】のスキルでな」

 ターニャの傷はいつの間にか、完全に癒えていた。ちゃっかりしてるよ、まったく……。


「じゃあ、ルシア先輩! 帰りますか? ダルバート王国へ!」

 グレイスは私に声をかけ、私はそれに応じた。

 魔王と人類の戦いに終止符が打たれたのだ……。



 私の冒険の話が終わりに近づいていた。


次回 エピローグその1!

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