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転職ばかりしていたらパーティーを追放された私〜実は88種の職業の全スキル極めて、勇者以上にチートな存在になっていたけど、もうどうでもいい  作者: 冬月光輝
最終章:魔王と勇者と神々を超えし者編

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第71話:ターニャの身に起こったことを聞く話

「――クエスト終了、【天界】に戻る」


「――ルシアせんぱぁぁぁぁいっっ! そっそんなぁぁぁぁぁ! 嘘だぁぁぁぁぁ! おのれっターニャめぇぇぇぇ! ぜぇだっいにっゆるざないぃぃぃ!」


「グレイスさん、ルシア様は? ルシア様は一体どうなされましたの?」


「くっ、やっと動けるようになった。グレイス、お前のその様子から信じがたいが、まさかルシア様は……」


 グレイス達、3人は私が死んだと思い悲痛な表情をしていた。

 すまない、どうもターニャのやつがこうしてくれと、前に二人で作ったシークレットサインを送っていたからな……。

 そして、まさかあなたが助けに来てくれるとは……。



 ターニャとの戦いから1時間くらいが、経過した。

 私は今、移動魔法によりジプティア王国に来ている。目の前には金髪ツインテールの嫌味なくらい胸を露出している女がいた。


「しばらくぶりねぇ。紅茶はお口に合うかしらぁ? ――でっどうだったのぉ? 教え子に殺される気分というのは……。あとぉ、いい加減に熊の格好は止めて良いのよぉ」

 フィーナは少し呆れ顔で私を見据えた。


「ははっ、いやぁ演技じゃなくても負けたかもしれません。驚きましたよ、まさかターニャがあんなに強く……。あっ紅茶いただきます」

 私は熊の格好から元の格好に戻った。


「ふふっ、演技ねぇ。確かに貴女の演出は見事だったわぁ。どうやって本人そっくりの人形と入れ替わったのぉ? というか、貴女はいつもそんなもの持ち歩いているのかしらぁ?」

 フィーナはクスリと笑っていた。

 まさか、そんなもの持ち歩くはずないだろ。ラミアにナニされるかわからんし……。


「人形はですね、その辺に転がっていた魔獣の死骸を使って造りました。戦いながら【錬金術師スキル】と【人形師スキル】を同時に発動させたのです。まぁ、高速で作った上に隠すのは苦労しましたが……。後はターニャとの衝突の瞬間に【忍者スキル】の【変わり身の術】で入れ替わり、私は【俳優スキル】で熊の姿に変身すれば終了です」

 私はさっき行ったことを答えた。いやぁ、自分の人形を造るのは本当に大変だったな。


「それは、器用なことをお見事と言いたいけど……ねぇ。貴女、自分の人形の胸の部分を少し盛ったでしょぉ。ターニャは慌ててたわよぉ。明らかによく見たらバレバレだから、急いで破壊してたものぉ。彼女に感謝なさぁい」

 フィーナは私に説教をした。あー、控え目なつもりだったがもっと抉るくらいの感じにしなきゃ駄目だったか……、泣いていい?

 ターニャは相変わらず冷静に処理するなぁ。

 

「ぐっ……、そんなに盛ってましたか? 次は気を付けます。しかし、なぜターニャがあのようなことを? それに、【女神】が露骨に私を狙うようになった理由もわかりません」

 私には疑問点がいっぱいだった。

 

「それは【女神】が戦力を整えたからよぉ。バハムティア=ジェイ=ノーティスを倒すための戦力をね。貴女は邪魔者っていうのもあるけどぉ。本番前の予行演習みたいな感じにされた訳よぉ」

 フィーナは紅茶をすすりながら話を進めた。

 私でターニャの力を確かめたということか……。しかし、なぜターニャが?



「最初から説明するわねぇ。まずは、【女神】は最強の【勇者】を創ろうとした。最強の【勇者】を創り出すにはより多くの【加護の力】を体内に埋め込む必要があるのぉ。しかし、それを使いこなすには才能と強靭な肉体と精神、そして若さがいるわぁ。ターニャにはその全てが備わっている……。貴女が徹底的に指導して改造したもんねぇ、その彼女の怠惰な精神までも……」

 フィーナが言うにはターニャは最強の【勇者】になる資質の全てを持ち合わせているらしい。


「だから、【女神】は無茶をした。12人全ての守護天使、そして自身の力を一気にターニャに押し込んだのよ。普通は死んじゃうわぁ。妾だって、レオンだってねぇ。貴女なら若しくは耐えられるかもしれないけどぉ。ターニャはかろうじて生き残れた。でもねぇ、おそらく寿命はかなり縮んだはずよぉ。過剰な力だもの。妾の見立てでは、彼女の寿命はあと1年あるかどうかねぇ」

 フィーナは淡々とターニャの寿命を言及した。

 はぁ? ターニャの寿命があと1年だって?


――バンッ


「そっそんな、【女神】はターニャを騙してそんなことを!? なんとかならないのですか! くっ、アイツはそんなこと全然……」

 私はテーブルを叩いて、全く気付かなかった自分を呪った。


「騙したというより、脅したが正確な表現ねぇ。【女神】は貴女とリメルトリア共和国の関係を知っていた。ターニャが応じないと【ダルバートは魔界と通じている】と公表し、ダルバート王国に全世界から軍隊を派遣するように命じると暗に匂わせたのよ。彼女は大事な者を守るために犠牲になる道を選んだ……」

 フィーナはことの真相を話してくれた。

 しかし、フィーナは何故そんなことまで……。

 

「うふふ、妾は何でも知っているのよぉ。でも、その後貴女を殺せと命じられた時には、さすがにターニャも困っていたわぁ。だから、妾は天使たちの監視を避けて数分だけ彼女と話したってわけ。【女神】の目論見どおりになるのは気に食わなかったからねぇ」

 そう、フィーナの接触が無ければ私も正直困っていた。

 なんせ、あの戦いは守護天使の監視下にあったからな。

 フィーナが熊を狩って、運搬している町人を演じてくれなきゃ監視下を抜けるのも一苦労だったかもしれない。


 くっターニャの奴……、自分だけ犠牲になろうとしてるなんて……。

 そんなのは絶対に間違えている。

 でも助ける方法なんてあるのか? もう手遅れなのではないか?


「あるわよぉ、助ける方法。貴女って本当に考えが丸見えねぇ」

 

 フィーナがいたずらっぽく微笑んだ。



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