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転職ばかりしていたらパーティーを追放された私〜実は88種の職業の全スキル極めて、勇者以上にチートな存在になっていたけど、もうどうでもいい  作者: 冬月光輝
最終章:魔王と勇者と神々を超えし者編

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第70話:師弟対決! ルシアVSターニャ(グレイス視点)

 今日は私とルシア先輩、ラミア先輩、そして新しく加わったフィアナさんの4人で仕事を始めて3日目だ。


 私たちはダルバート王国の山の中の町、ルーペルーン付近で暴れている魔獣のボスである【虎王】の討伐に出掛けていた。


ルシア→虎王

【魔法剣士スキル発動】


 神焔一閃(カミホムラノイッセン)


――バシュ、ザシュッ


「ふぅ、これで【虎王】はやっつけたな。フィアナ、グレイス、子分のモンスター達は……」


「はい、先輩! こちらは既に全てを討伐しました」


「私も全部倒しました。ルシア様もさすがに早いですね」

 私とフィアナさんは魔獣の群を始末し終わった。


「いやあ、フィアナさんが仲間に加わったから仕事が楽で仕方ないですよ」


「そっそうか、グレイスもその歳にしては中々の腕だぞ。ルシア様の指導が良いのかもしれないが……」

 私とフィアナさんは雑談をしながらルーペルーンの町長に挨拶に行ったルシア先輩とラミア先輩を待っていた。

 この辺りに魔獣がまだ残っていないかどうかの確認が終わったからだ。


――ガサッ


「だっ誰だ!」

 物音が急に聞こえたので、私とフィアナさんは音の方を振り向いた。


「……グレイスさんか。ルシア先生はどこだ?」

 眠そうな顔の青髪のロングヘアーの女性が岩影から出てきた。

 ターニャさん、どうしてここに?


「……ああ、新しいクエストの関係で、ちょっとルシア先生に用事が出来てな。グレイスさん、すまないがそちらの方は?」

 ターニャさんはフィアナさんを見て質問した。


「ああ、こちらはフィアナ=ノーティスさん。先日新しくパーティーに加わった。フィアナさん、こちらのターニャさんもダルバート王国の勇者なんですよ」

 私は互いを紹介した。これから、共にダルバートのために戦う仲間だから仲良くならなくては……。


「……そうか、ルシア先生のパーティーに……。わかった」

 ターニャさんはそう言ったっきり、黙って立っていた。



 しばらくして、ルシア先輩がラミア先輩と共に戻ってきた。


「待たせてすまない。あれっ? ターニャじゃないか! 久しぶりだなぁ、【天界】に行ったって聞いたけど……。私に何か用事か?」

 ルシア先輩はターニャさんの顔を見て、微笑みながら質問をした。


「……ああ、【女神】様から仕事をもらってな。それで、先生にちょっと頼みができてしまったんだ」


「ふうん、私に出来ることなら何でも言ってくれ。可愛い教え子の頼みだったら聞いてやるぞ」


「……そうか、ルシア先生……、じゃあ死んでもらえるか? 私の手で殺されて……」

 ターニャさんは静かに殺気を放った。何を言っているんだ? せっ先輩を殺すって……。


「ははっ、ターニャ。お前が冗談を言うなんて……」


「何ぃっ、貴様! ルシア様の生徒ではないのか! 冗談でも許さんぞ!」

 フィアナさんは激高して、ターニャさんに斬りかかった。


「待て、フィアナ!」

 ルシア先輩はフィアナさんを止めたが無駄だった。フィアナさんの剣がターニャさんの喉元に近づく。


ターニャ→フィアナ

【仙人スキル発動】


 秘孔束縛


――ズシャッ、バタッ


 フィアナさんは一瞬でターニャさんにツボを貫かれて倒れてしまった。

 なんだ、その技のキレは……。今までのターニャさんとは違う……。


「ターニャ、本気なのか? 本気で私を……」

 ルシア先輩は困惑していた。

 それはそうだろう。ターニャさんはルシア先輩の自慢の教え子なのだから……。


「……ああ、本気だ。私が冗談を言うタイプじゃないのは知っているだろ? 先生とは邪魔者なしでやらないとな……」

 ターニャさんはそう言うと、姿を消した。


ターニャ→グレイス、ラミア

【仙人スキル発動】


 秘孔束縛


「たっターニャさん……」

「ルシア様ぁ……」


 私とラミア先輩も一瞬で自由を失った。

 こっこれは、首から下の自由が効かない……。

 私は反射的に剣を杖代わりにして、倒れることだけは避けた。


「……これで少しは私の本気が伝わったか?」

 ターニャさんはルシア先輩と向き合い構えた。


「ああ、お前が何を脅迫材料に私を狙うように仕向けられたのかわからないが……。伝わったよ。確かに、ターニャが相手なら私も本気を出せないからな。【女神】も良い手を使う……」


「……本気を出せないか。先生、それは負けた時の言い訳か? 便利な言葉だな。――気を引き締めてくれ、さすがに先生を一瞬で殺すのは気が引ける……」

 ターニャさんは淡々としたいつもの口調だった。何を言っているんだ? 先輩の力は知っているはずなのに……。


「ははっ、ターニャが言うんだから本当に本気でかからないと駄目なんだろうな。ありがとう……、敵の私に気を使ってくれて。やっぱり、お前は優しいな」


ルシア

【魔王スキル発動】


 闇系闘気増大(ダークオーラ)


――ゴォォォォォォォォ


 先輩の体から漆黒の闘気が立ち昇る。ガーディアンや【ベルゼブブ大公】と戦った時と同じだ……。

 先輩は本気を出している。


「……それでいい」


ターニャ

【勇者スキル発動】


 閃舞闘衣


――キュィィィィン


 ターニャさんの体から巨大な黄金のオーラが吹き出した。

 こっこれは、ルシア先輩と同じくらいの……。


ルシア→ターニャ

【魔王スキル発動】


 漆黒闘気弾(ダークマター)


ターニャ→ルシア

【勇者スキル発動】


 黄金闘気弾(ホーリーハンド)


――ドゴォォォン


 ルシア先輩の漆黒の右手とターニャさんの黄金の右手がぶつかり合う。

 威力は互角らしく、互いに数メートルほど吹き飛んでしまった。

 ターニャさん……、恐ろしく強くなっている。


「やるなぁ、新しいスキルまで覚えて……。それが、守護天使からもらった新しい【加護の力】か?」


「……そうだな。【これも】新しい【加護の力】の1つだ」

 ターニャさんはルシア先輩の質問に答えた。

 【これも】とはどういうことだ?


「そうか、受け取った守護天使の【加護の力】は1つだけじゃないのか……。というか、【それ以上】のものを受け取ってそうだな」

 ルシア先輩は察したような顔をした。


「……流石は先生だ。そう、私が受け取ったのは12人の守護天使の【加護の力】と【女神の加護の力】だ……」

 ターニャさんは静かに答える。

 12個って……、歴代勇者の中でも最大じゃないのか? それに、【女神の加護】とは?


「へぇ、随分とサービスして貰えたんだな。それは私を殺すためか?」


「……ああ、先生と魔王を討伐するためだな。【女神】は私のことを最高傑作だと言っていたよ……」


「そうか、お前が強くなって私は嬉しいよ……」


――ドカァァァァァァン


 ルシア先輩とターニャさんの戦いは、人間同士の戦いとは思えないものだった。

 先輩が多様なスキルでターニャさんを圧倒したかと思うと、ターニャさんも負けじと勇者のスキルで対抗していた。


ルシア→ターニャ

【魔王スキル発動】


 魔刃闇烏(マジンヤミガラス)


ターニャ→ルシア

【勇者スキル発動】


 光闘気手刀(オーラブレイク)

 

――スカッ


 ターニャさんが、ルシア先輩の漆黒の剣技を見切り躱した、そして黄金の手刀がルシア先輩の首元に近づく……。


――スパンッ


 ルシア先輩の首が宙を舞った。

 ターニャさんは無造作にルシア先輩の髪の毛を掴む。

 そっそんな……、まさか……、ルシア先輩が……。


「……持ち帰るのは首だけで十分だ」


――ズドォォォォン


 ターニャさんの左手から黄金の闘気の塊が放たれて、ルシア先輩の体が粉々に吹き飛んでしまった。


 嘘だ、嘘だ、嘘だぁぁぁぁぁぁ!

 先輩が……、死んでしまった……なんて……。


「……クエスト終了、【天界】に戻る」


 ターニャさん、いやターニャはルシア先輩の首を右手に持ちながら、去ってしまった……。



 ルシア先輩が……、殺された……。そんな馬鹿なことがあってたまるか……。

 どうして、ターニャは先輩を殺したんだ……。

 私は暗い絶望の淵に叩き落とされた。


 『転職ばかりしていたらパーティーを追放された私』 完?



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