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転職ばかりしていたらパーティーを追放された私〜実は88種の職業の全スキル極めて、勇者以上にチートな存在になっていたけど、もうどうでもいい  作者: 冬月光輝
第2章:新たな侵略者、【魔界貴族】編

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第36話:新生ダルバート王国チームが初陣に挑む話

 各国の連合軍の第三部隊に所属した私達はレオンから主力戦力に抜擢された。

 そして、人間vs【魔界貴族】の大戦が目の前に迫っていた。


「よし、全員打ち合わせどおり隊列を組んだな。我々は丘の東側のルートから敵の本陣を目指す! 地図にある地点Kが最初の目的地だ。全ての部隊が作戦通りのルートを進軍出来れば、敵の本陣を包囲することに成功する。必ず全員無事に辿り着こう!」

 レオンは持ち前のリーダーシップを発揮して、士気を高めた。

 世界トップの【勇者】のカリスマ性は流石だな。私も見習わなくては……。


「ルシア先輩と初陣……、私は今、胸が張り裂けそうです。先輩、お弁当を作ってきましたので是非食べてください」

 グレイスは私の隣に来て話しかけた。

 弁当とは気が利くな、どれどれ……。


――ドサッ!


 なんだ、これは……。弁当箱?

 馬鹿言え、酒樽くらいの大きさがあるぞ。

 私の顔ぐらいの大きさの巨大なオニギリに、大量のキラービーの幼虫の唐揚げ……。

 

「今日のために寝ずに作ってきました。どうぞ、召し上がってください」

 満面の笑みでグレイスは私に勧めてきた。

 あっありがとう、って食べきれるか!


「ラミア、ちょっと食べる?」

 私はラミアに声をかけた。


「はぅぅ、今ダイエット中ですのぉ……。もしもの時の為に体型を維持しなくては、ルシア様に裸を見られて失望されちゃいますぅ」

 ラミアは体をくねらせながら首を振った。もしもの時ってどんな時だ?


「グレイス、酷いじゃないかー。お兄ちゃんにはお前の手作り弁当はないのかい?」

 レオンが、グレイスのところに歩いてきた。


「ありませんよ。ルシア先輩だけにしか作りませんし……」

 グレイスはそっぽを向いた。

 レオンさん、あなたリーダーでしょ、持ち場を離れていいのかなぁ。


「あっ、よろしかったら食べますか? 私だけじゃ食べきれないんで」

 私はレオンに弁当を勧めた。


「モグモグ、えっ悪いね。分けてもらってるよ。旨いよ、グレイス。ルシアも食べたまえ」

 もう食べてるし……。

 この人がアレクトロンの英雄かぁ。尊敬はしているんだけどな。

 妹が絡むとこうなるのか……。


「おっお兄様、なんで食べてるんですか? あぁ! ルシア先輩の分がぁぁぁ! いくらお兄様でも許せません!」

 おいグレイス、剣を抜いてどうするつもりだ?


グレイス→レオン

魔法剣士ルーンナイトスキル発動】


 神焔一閃カミホムラノイッセン


――ズバッ、パシッ


「こらこら、グレイス。そんなに眉間にシワを寄せたら可愛い顔が……。あれっ? それでも可愛いじゃないか。はっはっは」

 レオンは指で剣を摘んで、微笑んだ。やっぱり、とんでもないなこの人は……。


「もう、お兄様なんて大っ嫌い!」

 グレイスは涙目で叫んだ。

 

「がっ、グレイスに嫌われた……。何故だ……。もう生きていけない……。死のう…………」

 レオンが首元に剣を当てた。


――ゴンッ


「ええ加減にせぇよ、このバカ兄が! どこほっつき歩いとんのじゃ、ボケェ!」

 赤い鎧を身に着けた、金髪のショートボブの女性がレオンの頭を槍の柄で小突いた。

 彼女はレオンのパーティーにいる、【槍使い】フレイヤだ。


「ゴメンな、グレイスちゃん、ルシアちゃん。このバカ兄、連れて帰るわ。今日は頑張ってな」

 レオンの鎧を背中から掴んで、ズリズリと引きずって歩き出した。


「オレはもう死ぬんだぁぁぁ! グレイスに嫌われたら生きてけないよぉぉぉ!」

 レオンは足をバタバタさせながら、引きづられて戻って行った。

 

「凄まじい、お兄さんだね。イメージ変わったよ」

 私はレオンの姿を見ながらそう言った。

 

「もうっ、愛情の押し付けが異常なんですよ! あの人は……。そう思いませんか? ルシア先輩」

 グレイスは憤っていた。

 おい、ブーメラン刺さってるぞ……。

 よく似た兄妹だなぁ……。


 結局、私がグレイスを説得してダルバート王国チームで弁当は分け合った。

 味は美味しかった、また食べてもいいぞ。


 そして、全部隊が配置についたという連絡を受けて私達は出陣した。

 さあて、鬼が出るか蛇が出るか……。

 

 歩き初めて10分程で、遠くから怒号が聞こえた。

 恐らく、第一部隊辺りが戦闘に突入したのだろう。

 こっちもそろそろかな?


――ズガァァァァンッ!


 突如、第三部隊の中心から大きな爆発音がした。

 攻撃の規模がでかいな……。間違いなく幹部もいるぞ……。

 私達、ダルバート王国チームは即座に集まって円形に並び周囲を警戒した。


「おやおや、私は外れを引いたみたいですねぇ。せっかく、地上の英雄と呼ばれる【勇者】と手合わせ出来ると思ったのに。無名のザコが相手とは残念です……」

 ピエロのような扮装とメイクをした、真っ白い肌の悪魔が赤色の筋肉質の大悪魔を引き連れて私達の前に現れた。

 ええと、コイツは昨日の書類に載ってたぞ。確か、【ビフロン伯爵】というやつだ。

 残念だが、お前は当たりを引いてるぞ……。


「【ビフロン伯爵】とは私とグレイスが戦る。ターニャたちは大悪魔を頼む! なるべく手早く終わらせるぞ! ラミアはそこを動くなっ、守れなくなる!」

 私は即座にラミアをバリアで覆い、グレイスと共に剣を構えた。


「ふっふっふ、手早くとは大きく出ましたねぇ。活きの良い獲物は好きですよ……」

 ビフロンの両手は魔力で赤く光った。

 ふむ、最上級魔法か?


【ビフロン伯爵】→ルシア、グレイス

【上級悪魔スキル発動】

 

 連続中級炎系魔法


 ビフロンの両手から巨大な炎が連射される。

 これは中級魔法だが、魔力の調節で限りなく最上級に近い威力だぞ……。

 しかも、ほとんどノータイムで連射してくるとは……。


――ズガァァァン、ズガァァァン、ズガァァァンッ


「――ルシア先輩、これほど派手に連射されると間合いを詰めることが出来ません!」

 さすがのグレイスも防戦一方か……。

 うん、私が活路を開くから君は一瞬のスキを狙いなさい。

 私はグレイスにハンドサインを送った。


「――はっはい! 必ずや大役を果たしてみせます!」

 グレイスは頷いた。

 よし、じゃあ先輩らしいところを見せようじゃないか。


【召喚術師スキル発動】


 炎精霊サラマンダー召喚


 私は炎精霊サラマンダーを召喚した。

 コイツの好物は炎系の魔力だ。ほら、エサがいっぱいあるぞ!


――バクバク、ムシャムシャ


「馬鹿な、私の炎が食べられてるですって?」

 ビフロンは驚き、動きが止まった。


今だグレイス、間合いを一気に詰めろ!


グレイス→【ビフロン伯爵】

魔法剣士ルーンナイトスキル発動】


 氷狼一閃ヒョウロウノイッセン


 グレイスはビフロンの一瞬のスキを突き間合いを詰めて魔法剣で攻撃した。


――ズバンッ、ビキビキッ


 グレイスの剣はビフロンの右手を切り裂いた。

 ビフロンの右手は青い血を吹き出したと思ったら血液ごと凍ってしまった。

 ふむ、【天武会】の時と比べてかなり威力が上がっているような……。

 そうか、【天武会】の時は相手を殺さないように力を加減をしていたということか。


「小癪なマネをしよって、小娘がっ!」

 ビフロンは左手から炎を繰り出した。


【ビフロン伯爵】→グレイス

【悪魔スキル発動】


 中級炎系魔法


――ズガァァァンッ


 グレイスはまともに腹に強力な炎魔法を受けて吹き飛んだ。

 思ったよりも、反撃が早かったか。

 

「よくやったぞ、グレイス。大丈夫か?」

 私はグレイスに声をかけた。

 かなりのダメージを受けていそうだが……。


「はぅっ、ルシア先輩に褒めてもらえた! もう死んでもいいほど、幸せです! あぁ、今日はなんていい日なんだ……ぐすっ」

 グレイスはムクッと立ち上がり、胸を押さえながら涙を流した。

 大げさな奴だな、まあ大丈夫で良かった……。

 片腕なら、大技も当たる。後は私に任せろ!


ルシア→【ビフロン伯爵】

【忍者、魔法使い、剣士スキル同時発動】


 分身の術(2体)+最上級氷系魔法+中段突き=狼王咆哮ロウオウノホウコウ


【ビフロン伯爵】→ルシア

【悪魔スキル発動】


 中級炎系魔法


「うぉりゃぁぁぁぁ!」

「焼け死になさい!」


 私は迫りくる巨大な炎に突撃した。


「ハハッ、馬鹿な奴ですね……。燃えつきろ、愚か者が……ハーハッハッハッ」

 ビフロンは大笑いしていた。

 楽しそうだな、本当に面白いのはここからだぞ……。


――ズドォォォォン、ベキベキベキベキ


 私は、炎から飛び出してビフロンの胸を貫いた。

 

「あががっ……、信じられません……。この私が無名の人間如きに殺られ……ぐっ……」

 ビフロンは台詞を言い終わる前に体中が凍り付いてしまった。


――バリィィンッ


 そして、粉々に砕けて冷気だけがこの場に残った。

 おーいグレイス、終わったぞ。

 

「…………」

 グレイスは口をポカンとあけて無言で立ち尽くしていた。

 どうしたんだ、さっきのダメージが遅れてきたか?


「はっ、失礼しました……。ルシア先輩の勇姿を間近で見て、息が出来ずに気を失いかけてました……」

 グレイスはハッとした表情で私を見た。

 本当に大袈裟な奴だな。

 さて、ターニャ達は大丈夫か?


ターニャ→大悪魔

【仙人スキル発動】


 秘孔束縛


 ターニャの鋭く強力な突き技が大悪魔のツボを貫いた。大悪魔の体は脱力して動けなくなった。


マリア→エリス

【神官スキル発動】


 中級回復魔法


そのスキにエリスは回復魔法を受ける。


ルーシー→エリス

【魔法使いスキル発動】


 最上級炎系魔法


 ルーシーがエリスに最上級魔法を放った。

 そして、エリスが剣を構える。


エリス→大悪魔

【剣士スキル発動】


最上級炎系魔法+十字斬り=鳳凰十字斬


――ズバシャッ


 大悪魔は十字に四分割されて、絶命した。

 【天武会】優勝の経験に裏打ちされたチームワークが各々の力を最大限に引き出している。

 いいパーティーになったな。


こうして、新生ダルバート王国チームは初陣で完勝した。

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