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転職ばかりしていたらパーティーを追放された私〜実は88種の職業の全スキル極めて、勇者以上にチートな存在になっていたけど、もうどうでもいい  作者: 冬月光輝
第2章:新たな侵略者、【魔界貴族】編

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第29話:【ベリアル公爵】と限界以上の力を振り絞って戦った話

【ベリアル公爵】達、【魔界貴族】が【天界】制圧に乗り出した。

【女神】は【アモン侯爵】と【ハルファス伯爵】を倒したが、【ベリアル公爵】にスキを突かれて満身創痍となった。


「それでは、【天界】の統括者の首を頂きましょうか。さようなら、【女神】様……」

ベリアルは【女神】の首をレイピアで狙った。


――ガキンッ


ベリアルのレイピアが【女神】の首元から宙を舞った。


「おやおや、これは予想外ですねぇ」

ベリアルは私の顔を見た。


ルシア

【召喚士、霊術師シャーマンスキル同時発動】

風精霊憑依エレメンタルコネクト


ルシア→【ベリアル公爵】

【風精霊憑依体スキル発動】


霊幻剣・神風


『お前に、【女神】は殺らせない……』

私は虚ろな視線をベリアルに送りながら剣を振った。


「ほう、バルバトスさんを倒したのも頷ける。人間でここまでの強さとは。しかし、私の体に剣や魔法の類は……」

ベリアルは余裕の表情で何か言いかけた。


――グシャッ


ベリアルの胸から血が吹き出す。

ベリアルから余裕の笑みが消え、あり得ないという表情で自分の血を眺めた。


「馬鹿な、私の体はあらゆうる攻撃を受け流すはず……。人間が私の実態を捉えたとでも……」

ベリアルは私を睨みながらそう言った。


『霊幻剣は次元を超越し、生命力に直接ダメージを与える……』

私は意識が朦朧としながら、ベリアルを見据える。

確実に仕留めたと思ったが、浅かったか……。


「しかし、その力にはタイムリミットがあるように見えます。でなければ、バルバトスさん程度を討ち漏らすなんてありえませんから」

ベリアルは冷静さを取り戻し、レイピアを拾った。

ちっ、その通りだ……。


【風精霊憑依体スキル発動】


霊幻波動刃・旋風


私の手から強力な風のエネルギーで出来た刃が無数に繰り出される。


「ほう、素晴らしい威力の技だ。しかし……」

ベリアルは姿を再び消した。


「当たらなくては意味がありませんよ……」

私の背後に現れたベリアルはレイピアで背中を刺そうとする。


【風精霊憑依体スキル発動】


霊幻鎧・突風


私の体から風のエネルギーが吹き上がり、堅固な鎧を形成する。


――ガキンッ


ベリアルのレイピアは弾かれた。


『…………その技……何度も……み……た』

まず……い、制限……時間が……迫っ……て来て……いる。


「貴女を危険人物テキとして認識しましょう……」

ベリアルはレイピアに黒いオーラを集中させた。


【ベリアル公爵】→ルシア

【上級悪魔スキル発動】


漆黒一閃クロノイッセン


ルシア→【ベリアル公爵】

【風精霊憑依体、聖戦士パラディンスキル同時発動】


霊幻剣・神風+闘気増幅=大霊幻剣・神嵐


――ズバンッッッ!


私とベリアルの体が交差する。


――バタン


私は地面に伏してしまった。


――ブシュゥゥゥ


ベリアルの右肩から下が切り落とされて大量に青い血が噴出した。


「まさか、この戦力で撤退することになるとは……。貴女の顔は忘れませんよ……」

ベリアルは冷たい視線を私に送って、悪魔達に撤退の指示を出した。


くっ……、風精霊憑依エレメンタルコネクト中にスキル同時発動は無理があったか……。

痛っ……体中に針が刺さってるみたいな感覚だ……。

だが、痛すぎて……意識が飛ばない……のは……幸運か?


紫色の悪魔と赤色の悪魔が空に消えて、ベリアルの姿もいつの間にか消えていた。


「【女神】様! 立ち上がってはいけません。応急処置はしましたが、回復魔法が未だに受け付けない状態なのですから」

【守護天使】の1人が【女神】を制止する。


「バカなことを言わないでちょうだい。見たでしょ、はぁはぁ……あの女の人間離れした【力】を……。今、消さなくては必ず災いが起きる! 【女神】として……はぁはぁ……見過ごせない!」

【女神】は息を切らせながら私の方に歩いてきた。


「おやめくださいまし。ルシア様は、わたくしのお願いを聞いて【女神】様を守ろうされたのです! 目の前で命を救った【恩人】を殺すようなことが、どうしてできますの?」

ラミアは私の前に庇うように手を広げて立った。


「退きなさい、ラミア。はぁはぁ……貴女は特別に生かしてあげるから。そうよっ……確かに、わたくしはこの女に救われたっ! わたくしが【女神】でないなら、感謝をして、頭を下げるでしょうね。でもね……、この女が【恩人】ということと、この女の【危険性】は別問題なの! わたくしだって、やりたくてやってんじゃないの! わかって頂戴!!」

【女神】は悲痛な表情で叫んだ。

何か、【魔王の血】に異様な恐れがあるみたいだな。

くっ、体よ……動け……。


「わかりませんわ。でしたら、わたくしはルシア様と共に死にます。先に殺してくださいまし」

ラミアは私に覆い被さった。


「そう、【天使】だけはこの手で殺したくなかったけど……仕方ない……」

【女神】は無表情でそう言い放ち、右手を私達にかざした。


【女神】→ラミア、ルシア

【女神スキル発動】


中級光系魔法


「さようなら……。わたくしを恨みなさい、貴女たちにはその権利があるから……」

【女神】の右手から光のレーザーが放たれた。

あーあ……、折角目標が出来たのになぁ。

まっ、仕方ないな……。

私は目を閉じた………………。


――ドォォォン!


爆発音が私の体から離れた場所から聞こえた。

何が起きたのか?

 

「やあ、助けに来たよー。ルシアちゃん」

ジェノスの声が突然近くで聞こえた。

なんで、ここに居るんだ?


「ちっ、一番会いたくない顔が来たね。なんで、あんたがその女を庇うんだい?」

【女神】はジェノスを凄い形相で睨み付ける。


「セリシアちゃん、お久し振り! 相変わらず、綺麗だねぇ」

ジェノスは馴れ馴れしく【女神】に話しかける。

セリシア?

【女神】様の名前か?


「その名を呼ぶな。ここはあんたの来る場所じゃない! 帰んな!」

【女神】は声を震わせてそう言った。

ジェノスは何者なんだ、【女神】と旧知の仲のような感じだが……。


「うん、長居はしないよ。部下の目を盗んでこっそり来たからさ。じゃあ、ルシアちゃん達は僕が連れて帰るから……」

ジェノスはニコニコしながら、私とラミアの肩に手を触れた。


「バカか? そいつは【魔王の血】を引いた上に【加護の力】を手に入れているのだ! あんたにも不都合が起きる可能性だってある! あと数日経てばその女は……」

【女神】は動揺していた。


「【勇者】として登録されるよね。因みに、あと4日だよ。セリシアちゃんが作ったシステムじゃん。【加護の力】を受け取った者は一週間後に自動的に全世界の【勇者登録書】に名前が記入される。その後は死んじゃったら死因も記入されるんだっけ?」

ジェノスは【勇者】のシステムを話し出した。


「そっそうだ。わたくしが、この女を殺せるのは……」

「【勇者登録書】に記入される前だよねぇ。だって、【女神】が世界発信で【勇者】殺しは出来ないもん」

ジェノスは【女神】に被せて話をした。

なるほど、確かに【勇者登録書】はそういうシステムだったな。

私も例外ではなく登録されるのか。

だから、【女神】は焦っていたわけだ。


「僕の予想通りルシアちゃんは【天界】に行ってしまったから、君がこういう行動に出ることは予測出来てたよ。君は【ノーティス】を毛嫌いしてるからねぇ。でも、大丈夫だよ。ルシアちゃんは絶対に【最強の勇者】になるから、心配無用だ」

ジェノスの体が少し熱を帯びてきた。


「待て、ジェノティス!」

【女神】が叫んだ瞬間、私達は城内から姿を消した。


――???大陸、???の一室――


気付いたとき、私は豪華な部屋のベッドに居た。

隣にはラミアが眠っていた。

ここは、何処だ……。

ジェノスはどこに私を運んだのか……。

体の痛みは消えているみたいだ。

私は記憶を辿ったが何も思い出せなかった。

ただ、助かったという感覚が上ってきて急激に脱力した。



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